10月3日から2泊3日で入院手術を終えて帰宅していますが、入院中に発信したブログでは手術中のことには全く触れていませんでした。
手術後の夜はボーとしていてスマホで入力する程余力が残っておらず発信できなかったのです。以下が手術室での出来事でした。
まず最初に、9年前は入室前に看護師さんにデジタルカメラを預けて手術中の様子を写真撮影してもらっていたので、今回もスマホを渡して撮影してもらおうとお願いしてみました。すると先生に聞いてみます、とのこと。そして返ってきた答えは「以前はその様なことをしていましたが、現在は写真撮影はお受けできません。」ということでした。残念ながらそんなことで今回は臨場感溢れる写真の掲載はありません。
9年前の記事です。 この記事内には手術中に看護師さんが撮影してくれた5枚の写真があります。ご興味のある方はどうぞご覧ください。
午後2時に手術室に入りました。前回、最初に植え込んだ時は2階の手術室でしたが、今回は1階にあるカテーテル検査室での手術となりました。病室で軽い麻酔の入った筋肉注射を受けていて少しボーとした状態で車椅子に乗っての入室です。
手術台に横になった時に前回の硬くて狭かった手術台と比べると何とゆったりとして柔らかい、病室のベッドかと思える様な感触にまずビックリしました。そして前回は患部以外は全身を青いビニール製の布(ドレープ)ですっぽり覆われていましたが、今回は上半身だけのドレープでした。顔の上には四角い骨組みの台(これを何と言うのか?)を置き、その上からドレープを被せられるのは今回も同じです。
そしてPMが入っている箇所の皮膚の切開ですが、9年前のブログの記述は下記です。
「ポケットを作る際には電気メスで皮膚を切開したのでしょうが、麻酔をされていますからその感覚は全くありませんでした。ただ、切っている場所に刃先からアルコールを吹きかけているようなシュッ、シュッという音が聞こえたのと霧状の物が身体に掛かっているという感覚がありました。」と言うことでしたが、
今回は電気メスではなく普通のメスで切開している感覚がありました。そして液体を掛けられていることもなかったです。そして切開後はPM本体を取り出すのですが、これが部分麻酔をされていてもかなりの痛みがありました。PMが身体の組織に癒着していてちょっとずつ剥がしている感じもしたのです。取り出すのにかなりの時間を要しましたし、痛みを堪えるのに必死でした。執刀医の先生も「痛いよね、ごめんね。」と何回か言ってくれましたが、本体を引っ張りだそうとするのでしょう、その度にグッと耐えるしかないのでした。
そしてようやく取り出すことに成功、ホッとしました。しかし新たなPMを植え込む時もまたかなりの痛みがありました。傍らに立つ看護師さんが、「傷口を小さくするので切開の幅が狭いので押し込むのも大変なんですよ。」と言っていましたが、入れる時にもかなりの時間が経過していたのです。でも何とかかんとか押し込んでくれました。太って脂肪の付いている人の方が出し入れし易いそうです。筋肉と皮だけ、痩せている人の方が入れづらいみたいですね。
最後に傷口の縫合です。ここまで来るとあとちょっとなので一息つけました。手術時間は約1時間でした。
手術中はその痛みとの戦いで相当量の汗が噴き出ているのが自分でも分かっていました。そして手術台から車椅子に移る際にパジャマのズボンがしっかり濡れていることも確認できるほどだったんです。そして看護師さんから「凄い汗かきましたね。」って言われたくらいです。「はい、冷や汗です。」って応えたんですが、暑い夏の日に10km走った時と同じくらいの汗の量だと思います。
そして今回私は1週間の予定のところ3日で退院してきたのですが、その後ネットで色々検索していたら中には1泊2日で退院された方もいました。この方も新規植え込みではなく、本体交換の手術です。
初回に植え込む人の場合は体調が悪くなってPMを植え込むしかない、となって入院手術を受ける訳ですので、そして初めての経験でもあるし術後の観察も当然必要になります。植え込んだ後の生活にも慣れていないしで最低1週間の入院で術後の様子を見ることが必要になるのです。
しかし本体交換の場合、本人は至って健康なんです。そしてPMを植え込んだ生活にも十分慣れてもいます。なので今回の本体交換手術と言うのは私としては転んで肩に怪我をして5cm縫ったと言う程度の感覚でしかないのです。2泊すれば十分だと思います。その患者さんごとによって体力の違い、免疫力の違い、生活環境の違いなど様々です。本体交換手術でも1週間の入院が必要な患者さんもいるでしょうし、前述の様に1泊2日で出てこれる患者さんもいます。それぞれの事情、状況によって違う対応があって当然のことだと思います。
海外では出産の翌日に職場復帰しているママさんがいます。その人に言わせると「出産は病気ではないです。」と言うことで人によりますがそんなケースもあるのです。
今回の私の場合は実際に先生の了解の下退院してきた訳です。しかし同時に担当の先生の口から「退院して良いですよ。」と言う言葉は最後まで聞けませんでした。3日目の血液検査で問題がないと分かった時に朝9時の時点で先生に「では今日退院して良いのですね?」と確認しましたが、先生は無言で立ち去りました。看護師さん達が見る先生からの指示書(?)には10月5日退院という文言があった様ですが、今回はあくまでも患者である私の希望で退院したと言うストーリーになっている様です。
今後切開・縫合箇所からの感染などがない訳ではなく、その責任は私本人にあるのだと理解していますので良いのですが、前後の事情を明確にしておくためにもこの事を書き残しておくことにしました。
*使い終わったPMの処理
取り出したPMの写真を載せましたが、これは手術後に医師の了承を得て病室に持ってきてもらい撮影したものです。本来取り出した後は病院側で感染性廃棄物処理マニュアルに従い医療廃棄物として処理されます。記念品として自宅に持ち帰ることは出来ない様ですね。
またPM植え込み者が亡くなった際に、病院で亡くなった場合は医師がPMを取り出して同様に処分します。これは火葬場で焼却した時にPM本体が爆発する可能性があるためです。火力が600度程度に上がった時点、火葬後30分程度での爆発だそうです。しかし医師のいない看取り施設などで亡くなった場合はPM本体をご遺体から取り出すことができませんので、そのまま火葬されることもあります。ただし、PMが植え込まれていることを明記して火葬場のスタッフが30分間は釜の中を覗き込んだりしない様に事前の連絡が必要です。火葬場の施設によってはPMを取り出していない場合は釜の内壁の破損を考えて火葬が出来ない、というケースもあるようなので出来るか出来ないかの確認も必要になるそうです。