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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月28日 歪み(1)

2017-06-28 21:06:13 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 6月28日 歪み(1)




 爺さんから聞いた話だ。
父からの虐待がひどすぎたために、爺さんが兄を引き取る事になった。
 当時、兄は14歳だった。
兄が出て行ってから、俺は兄とは話したことが無い。
そして、今現在も行方不明だ。
 兄は、嫌がらせが好きな婆さんとよく喧嘩をしていた。
部屋にいる時は勉強をしているから話しかけないで欲しいとか、ご飯は自分で作るし貯金があるから構わないで欲しいとか、そういったことで、喧嘩になる事があったそうだ。
 しかし、人が嫌がることをやりたい婆さんはそれをやめなかった。
気を散らすようにわざと大声で叫びながら部屋の戸を開けたり、阪神が勝ったとか高校野球はどこが勝ったとか、お風呂に入ってても大声で兄に話しかけ、嫌がる事を続けたようだ。
 そのうち兄は説得を諦めて婆さんを無視するようになり、爺さんが婆さんを止めるようになった。
 ある日、糖尿病の通院で爺さんがおでかけするついでに、兄に何か買ってやろうと部屋に入った。
 爺さんが、

「 病院へ行くけど、たまには一緒に出かけないか?」

と声をかけるが、兄は聞こえていなかった。
机に向かって勉強するばかりで全く反応しなかった。
 聞こえていないと思った爺さんが、もう一度兄に声をかけようとした時、兄の耳からお釈迦様が出てきて爺さんは喋るのを止めたそうだ。









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