一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

大連立あらため大分裂?

2007-11-05 | まつりごと

下半分のエントリをのんびり書いていて、さあアップしよう、としたところが

小沢民主代表が辞意 連立「協議に値した」
(2007年11月4日(日)23:25 朝日新聞)

民主党の小沢代表は4日、福田首相との党首会談をめぐる「政治的混乱にけじめをつける」として、鳩山由紀夫幹事長に代表の辞職願を提出した。小沢氏はその後、緊急会見を開き、2日の党首会談後の役員会で連立政権に向けた政策協議入りを全員一致で拒否されたことは「不信任を受けたに等しい」と説明した。小沢氏の突然の辞意表明で、同党の混迷は必至だ。小沢氏は会見で離党は否定したが、小沢氏が安保政策での一致などを理由に与党との連携を目指すのではないかとの見方もあり、政局は政界再編含みの展開になりそうだ。  

小沢氏は記者会見で、首相が党首会談の中で「わが国の安全保障政策について、極めて重大な政策転換を決断した」ことを受け、「政策協議を始めるべきではないか」と役員会に提案したことを初めて明らかにした。

小沢氏としては、総選挙で勝ったとしても政権政党としてのインフラ自体簡単には作れないから、大連立のなかでRNAウイルスよろしく自らの勢力を逆転写して増やしていけばいい、と考えていたのかもしれませんね。


********(以下が上のニュースを見る前に書いたエントリです)********


党首会談 「国民軽視」「まさか…」 「大連立」識者ら反応さまざま
(2007年11月3日(土)07:51 産経新聞)

報道をみるだけでは福田さんが急いだのか、「つり球」を投げる意図があったのかよくわかりません。

これ自体はいきなり感もあるのですが、民主党(小沢氏)としてもNoばかりでなく次の展開を期待されることになったという意味ではちょっとした波及効果はあるのかもしれません。
民主党の「あくまで政権奪取」という掛け声も、連呼しすぎると「掛け声倒れ」といわれかねないので注意が必要だと思いますが。

また保守合同を実現した鳩山一郎の孫の鳩山由紀夫氏が「大政翼賛会だ」と批判したあたりも趣き深いです(弟の法務大臣はこんな状況ですが)。
ちなみにこちらの本によれば、大政翼賛会は当時既成政党も無産政党も党内対立が激化する中で、各政党が強力な戦時体制の確立を目指して大連立の新党を結成する動きがあった中、擁立された近衛文麿は一国一党制のような「ファシズム」体制は天皇の政治的立場に優越する党を作り出すことであり明治憲法に違反する(*1)という考えもあり、すべての政党が解党して大政翼賛会が成立した、いわば紆余曲折を経たデモクラシーの結果だったようです(*2*3)。

*1 明治憲法についてのこの理解はこちらこちらを読む限りではちょっとナイーブすぎるようにも思います。
*2 最初の本によると、社会大衆党の解党大会の最後の報告には「上下心を一にする資本家も労働者もない新政治体制」を目指すのとうたわれています。
*3 また、大政翼賛会になったからといって従来の党派的対立がなくなったわけでもなかったそうです。

一方今回は単に政党の合従連衡のひとつで、もし合同しても次の選挙で国民の支持を得られずに結局分裂することになると思うので、その意味では大政翼賛会の頃よりは政治状況は健全だと思います。

ただ、連立→自民+民主の再編成になったときに、「勝ち組与党と負け組野党」という分裂の仕方をすると、今より悪くなるということもあります。
小泉ブームの前の民主党ブームに乗って民主党から立候補した議員の中にはさほど民主党自身に愛着を持っていない人も多いのではないかと(小沢さんが一番か?w)。


PS
連立政権が実現した場合はまだ呼び方は略称で「自民・民主連合」でいいと思うのですが、党が大合同したとすると、政党名はあわせただけだと「自由民主民主党」「自民民主党」「民主自由民主党」とかと妙になってしまうのですが「みずほ銀行」のようにまったく新しくするのでしょうか。

「新党たすきがけ」とか・・・


PS2
そういえば安倍元総理が小沢さんに会見を断られなかったら何を話すつもりだったのでしょう?


PS3
上の記事を読むと「識者のコメント」の2番目にやくみつる氏が出ていたのですが、相撲協会に続きうまく取り込まれつつあるように見えるのは、本人の立ち位置として想定内なのでしょうかね?

コメント
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