一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

gooニュース畑

2007-11-16 | よしなしごと

荒れないニュース掲示板 「gooニュース畑」がスタート
(2007年11月13日(火)15:00 gooニュース)

不愉快な書き込みがないネット掲示板で、落ち着いてじっくりニュースについて意見交換したい。そんな人のための新しいサービス「gooニュース畑」がこのほど、スタートした。誰でも自由に手軽に、話題やコメントを投稿できる一方で、gooニュースの編集部が投稿内容をチェックしてから掲載するので、いわゆる「荒らし」投稿は載らないという仕組み。ネット掲示板の手軽さと、編集者の目が入った雑誌の投稿欄の落ち着き、その両方の性格を兼ね備えた、新しい意見交換の場だ。

最近gooニュースのトップページの最初の部分に「編集部のピックアップ」なる特集(関連)記事が画面1枚分くらい出てきて使い勝手がとても悪くなったと思っていたところに、こんなこともはじめたようです。

ニュースのトップページは見出しの一覧性が大事だと思うのですが、コンテンツを提供する新聞社との契約内容が変わって掲載の形態に制限がつくようになるとか、広告収入モデルを模索しているとかの事情があるのでしょうか。


この「ニュース畑」、ニュースの一覧の中でも一番下にこっそりと置いてあるところを見ると、ニュースページの改変の目玉というよりは、試しにやってみようという感じでしょうか。
NTTグループのgooだけあって「編集判断について」を読んでも、まじめすぎるくらいの姿勢がうかがえます。


僕は掲示板は「荒らし」があることよりコメントにばらつきが大きく斜め読みでも面倒くさくくなってしまうのであまり見ないのですが、人気が出るか横目で注目してみます。


ところで「ネット掲示板の手軽さと、編集者の目が入った雑誌の投稿欄の落ち着き、その両方の性格を兼ね備えた」というあたりは「オープンリールの音をカセットで」のうたい文句で鳴り物入りで登場した(そして流行らずにひっそりと消えていった)ソニーのエルカセットを思い出してしまうのは歳のせいでしょうか。

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家業(つづき)

2007-11-15 | ネタ
昨日の家業に関して言えば、落語家のように個人の芸ならいいのですが、何とか協会とかの組織運営となると、内部の牽制の効かなさが問題になります。

その典型が創業者一族をそれぞれグループ会社のトップにすえていた吉兆グループの一員の船場吉兆。
一族といっても能力や適性には当然ばらつきがあるわけですし、オーナー社長の力量の足りない部分を補う仕組みがないとうまく機能しない(危機管理においてはなおのこと)ということが露呈してしまいました。



という長い前振りですが







吉兆の創業者湯木貞一の孫で京都吉兆嵐山本店の総料理長である徳岡邦夫氏













林家こぶ平改め林家正蔵にそっくりですよね。




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家業

2007-11-14 | よしなしごと

「おかみさん業には疲れた」…小朝さんと離婚の泰葉さん
(2007年11月13日(火)19:14 読売新聞)

泰葉さんの弟の林家正蔵、いっ平さん兄弟も同席。小朝さんは今後も2人の後見人を続けるという。

林家一門を継承するために長男のこぶ平に「林家正蔵」を襲名させたものの、娘婿で実力では格段に上の春風亭小朝との関係は円満だよ、ということをアピールするのが一番のぽいんとではないかと。

離婚はしますが家業には影響ありません、ということですね。


伝統芸能が家業になってしまうと、いろいろ大変です。
そして、「協会」のようなところからは家業として当然に承継することの正当性を問われるのでなおさらでしょう。

かといって相撲の親方株のように転売可能な権利にしてしまうとそれはそれで問題を起こすわけですが・・・

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『ヴィンランド・サガ』

2007-11-13 | 乱読日記
先日まとめ買いした本の中でまずはコミック『ヴィンランド・サガ』を読みました。
以前紹介した『プラネテス』と同じ幸村誠の作品です。


西暦1000年頃の北海周辺-ノルウェー、イングランド、アイスランドなど-をめぐる、いわゆるバイキングと呼ばれたノルマン人の海賊を中心とした話です。

月刊誌の連載で、しかも遅筆の筆者ゆえの休載もあるためか、単行本は半年以上の間隔をあけてしか出ないので(しかも途中で連載誌が変わったので、1,2巻とそれ以降でサイズが違うw→そのあと今の版型で1,2巻も出てます)今回5巻を読んだ後にストーリーを復習するために最初から読み直したのですが、実はいろいろな伏線が仕掛けられていて、作者はかなり壮大なストーリーをたくらんでいるのではないかと気づきました。

ひょっとして大化けするかも、と思いながら、また半年待つことにしますw









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NHKスペシャル「ヤクザマネー」

2007-11-12 | あきなひ

NHKスペシャルヤクザマネー~社会を蝕む闇の資金~

資金繰りに窮したベンチャー企業への融資を通じてヤクザマネーが表の企業を支配するということがおきている、という話。

資金調達は株主の他に、都銀・地銀・信用金庫等の融資という手段もあるのですが、ITバブルや新興市場の熱狂も覚めつつある今、銀行融資などの間接金融を軽視してきていたツケが回ってきたという考えもあると思います。
アーリーステージ(海のものとも山のものともつかない初期段階)ならともかく、一定の売上規模になれば金融機関との関係も構築しておく必要があるわけです。

逆に、銀行側も一定のリスクのある融資に臆病になっているという状況もあるとすると、金融仲介機能がうまく機能していないなかで暴力団の資金がリスクマネーの受け皿になっていて、そこで「ミドルリスク・ハイリターン」を享受しているという構図ともいえます。

ただ、ハイリターンを目指すヤクザマネーは、融資の金利だけでは当然満足せず、最終的には会社に出資してIPO(新規上場)を目指したり、会社の金を食い物にしたり、架空増資で一般株主を食い物にしたりということになるわけです。
しかし、資金繰りに詰まった経営者はその場をしのぐのに必死で、最終的には「物言う株主」どころか「手を出す株主」になるということまで思いが至らないのでしょう。


暴力団関係者の発言で

「国が目をかけている投資という方向についていって、新しいビジネスを開拓する」

というのがありました。

これは商売としては全くの正道であります(話は飛びますが確か香港の大財閥である長江グループ(ハチソン・ワンポワなどを傘下に持っています)を率いる李嘉誠もどこかで「インフラは必ず儲かる」と言っていたと思います。)。

つまりこの問題の始まりは「ベンチャー市場の創設」という政策の中にあるともいえます。

番組では証券取引等監視委員会と検察庁の意見交換というのんびりとした会議風景が映されていましたが、本当はヤクザマネーの「出口」(=換金手段)であるIPOや増資のところに目を光らせていればかなりの牽制効果はあるはずです。

なので問題はヤクザマネーに頼ってしまう企業経営者だけでなく、中身を吟味せずに上場を認めてしまう新興市場や、そういう怪しい企業のお先棒を担ぐ証券会社(HとかKとかが代表的と言われてますが)にもあると思います。
ただ、そちらの方へのつっこみはほとんどありませんでした。


本当はこの番組が5,6年前に、「ベンチャー市場の創設」という政策の負の部分をあえて問う(マザーズは何の母で、ヘラクレスは誰のための力持ちなのか)という切り口で作られていたら画期的だったと思います。

また、今回でもそちらへの突込みが足りないように思いました。


やはり今のNHKではお上に楯突くのは難しいのでしょうかね・・・

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買い物

2007-11-11 | よしなしごと
昨日NHKのTV番組「解体新ショー」というのをみて、けっこうためになりました。

ひとつは「小脳化」
若者はなぜ携帯メールを早く打てるのか、を解明しようとする企画です。
ちなみに「達人」を探すための例文を打つのに最速の子は27秒だったのですが、僕は90秒かかりました。
そもそも両手の親指で打ってる時点で、片手の僕とは次元が違いますw

そしてその達人を調べると、メールを打っているときに大脳の前頭葉をほとんど使っていないことがわかりました。
つまり、入力作業は小脳で処理ができるようになっているため、いちいち大脳の前頭葉まで信号を送らずに短時間で目で見た情報を指先に伝えることができるということです。

これは「慣れ」とか「熟練」の世界ではありそうなことですね。

グループにペースが合わない人がいるととイライラしたりするし、逆に一旦小脳化してしまった作業を大脳レベルでわかりやすく解説するのは難しい、というのもその反面ということになります。
この、「慣れ」と「素人目」に関連する問題については近いうちに特集するつもりです。


もうひとつ、いろいろなものの中に「顔」を見つけるのはなぜだろう、という話。
人間の大脳には「顔領域」というのがあり、人間の顔に似た形状を認識する部分があるそうです。

たとえばこんな感じ



これはもともとスポンジが顔を模して目と口が開いているのですが・・・


と長い前振りが終わって、

今日買ったのが上のシャンパングラス。
RIEDELがセールをしていたので買ったのですが、さすがに「飲み物の個性がグラス形状を決定する」というコンセプトだけあって、泡の立ち方と残り方、口当たりの感じなど、決して高くないイタリアのスプマンテでも十分美味しく感じました。
これなら高いシャンパンに投資するより、グラスに投資した方がお得な感じです。

でも、ボルドーとかブルゴーニュとかシャルドネとか種類ごとにまでそろえるほどの予算も収納場所もないし、そんな高いワインは飲んでないので、ここから先には進まないと思います。


で、飲みながら何をしていたかというと、届いた落語研究会 柳家小三治全集の鑑賞。
小三治は昔気質を残している落語家で全盛期の映像が残っている数少ない一人(あとは立川談志くらい?)なのでなかなか貴重だと思います。
しかもamazonだと定価39,900円が今なら29,526円で買えます(僕が買ったときは31,000だったorz)。


その他、地元の本屋の半期に一度のポイントカードの割引率を上げたセールにあわせまとめ買いをした本も届いたので、なんとなくまったりした週末でありました。

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どん兵衛

2007-11-10 | 飲んだり食べたり
今週どこでだったか「どん兵衛」の味が東西で違う、という話を聞きました。

最近はカップ麺はめったに食べないのでなかなか実感がわかないのですが、日清食品のHPを見たら詳しく書いてありました。


マーケティングして何がわかったの?
3. うどんのスープは東西で違った!!!
東日本と西日本ではうどんやそばのスープの味は違うということから、東西のうどんの嗜好にあわせて東西で味の異なる2種類のスープを開発しました。

東西でスープの味は違うの?
「1964年に新幹線が開通したこともあり、東西の味覚の差はまもなくなくなるのではないか」という意見もありましたが、うどんやそばの歴史的な嗜好の特徴を重視して、どん兵衛は東西でスープの味に変化をつけました。
カツオ、昆布、醤油を基本にしていますが、東日本ではカツオの割合を多くして濃口醤油のスープに、対して西日本では昆布の割合を多くして薄口醤油で仕上げています。そのため東西のどん兵衛のスープは見た目にも色が違っています。
開発当時はスープだけの違いでしたが、今は、具材のおあげも東西で味を変えています。どん兵衛は、全国展開の商品において地域別に味を分けた初めての商品です。

スープの味は東西でどうやって分けたの?
どん兵衛の開発にあたりどん兵衛のマーケティングと研究所の担当者は、東海道新幹線の「こだま」で新横浜から各駅で途中下車をしては駅の近くとその郊外のそば屋に立ちよってはうどんの試食を繰り返しながら、西に向かって進んでいきました。
彼らのニックネームは“ベロメーター”。舌で味覚を調査することからそう命名されました。小田原、熱海、三島…と進みながらうどんの味を舌で調査してどん兵衛の東西の境界線をきめました

東と西はどこで分けたの?
関が原を境界線とし、 ここより東(東:愛知県、岐阜県、三重県を含む)を東日本味、ここより西(福井県、富山県、石川県、を含む)西日本用として 販売しています。
東西の見分け方は、 商品パッケージにある「原材料」の囲み枠下に(E)または(W)と記号を表示していますが、 この(E)と(W)が東西を見分ける記号で、(E)=東日本用、(W)=西日本用という意味になります。


こんな感じだそうです。




関が原を境界線にしたあたりには象徴的な意味をこめているのかもしれませんが、ちょうど「アホ」と「バカ」の境界線にあたる(参照)というのも興味深いものがあります。


「アホ・バカ」については、実は境界の愛知・岐阜に「タワケ」ゾーンがあるのですが、残念ながらどん兵衛には中京バージョンとして「味噌煮込みうどん」が無いのが残念です。

商品ラインナップ(こちら)をみると、中国・四国・九州限定の「ごぼう天うどん」というのもあります。
消費期限や販売数量の問題もあるのかもしれませんが、ポッキー同様「ご当地どん兵衛」のシリーズ化に期待したいところです。
(でもお土産にはかさばるかw)
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刑務所収容者の高齢化

2007-11-09 | よしなしごと

As Japan Ages, Prisons Adapt to Going Gray
(2007/11/3 New York Times)

日本では2000年から2006年の間に60歳以上の人口が17%増に対し、同年代の刑務所の収容者は87%増加し、収容者に占める割合も2000年の9.3%から2006には12.3%に達するそうです。

特徴としては(米国に比べ)窃盗・無銭飲食などの軽罪が多く、生活に困った高齢者の一種の社会福祉の場になっているという問題点も指摘されています。


外国の新聞に指摘されるまでもなく深刻な問題ですね。


比較的近い将来、高齢・軽罪収容者専用の刑務所というのができるかもしれません。
逃亡の恐れがないのでPFIの活用などがいいかもしれません。
ただ、妙に充実させると入所希望者が殺到して犯罪率があがってしまうかも・・・

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宮城産「島豚」、犬が探したトリュフ

2007-11-08 | 飲んだり食べたり

先日食べたイタリアンのメニューに「宮城産島豚」というのがありました。

島豚(アグー)といえば沖縄だろうと思ったら、宮城県の方で飼育しているところがあり、産地としては有名なんだそうです。
確かにこちらによると

『奄美大島在来原種豚 幻の島豚』 は、戦後改良種による急速な雑種化が進み絶滅したと思われたが、一部島民により飼育されていた。絶滅寸前の原種の保護を東京農業大学教授 田中一栄教授託され、絶滅希少品種として子孫の保存に着手する。その島豚は、現在宮城県、久保勇氏(仙台黒豚会・久保畜産代表)よって子孫を残すため保護・育成されている。

「島豚」は品種ですから、島で育ってなくてもいいんですよね。
それに宮城ならドングリもいっぱい取れそうですし(それはイベリコ豚ですねw)、島といえば名勝松「島」だってあります。 



また、季節ものとしてトリュフもいただいたのですが、最近はトリュフ探しにも豚でなく犬を使っているそうです。
犬が見つけようが豚が見つけようがトリュフはトリュフですもんね。


そのときに見かけたのがこんなトリュフのスライサー



写真は別のところから拝借したものですが(トリュフも白トリュフでした^^)、豚の顔をイメージして耳の部分がとがっています。
将来はこういうところにしか豚の名残は残るだけになってしまうのかもしれません。


ところでこれ、どことなくアルフォンス・エルリックに似てませんか?
(って誰も知らんか・・・w)

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旅の恥は隠す手

2007-11-07 | よしなしごと

タイポが面白かったのでそのままタイトルに。 

先日のニュース

買春でPKO要員100人懲戒=国連
(2007/11/03-10:52 時事通信)

【ニューヨーク2日時事】国連は2日、ハイチに展開中の平和維持活動(PKO)、ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)の軍事要員による現地女性の買春疑惑が浮上し、懲戒処分として100人以上を3日に送還すると発表した。いずれもスリランカ軍部隊に所属しており、未成年の少女を対象とした事案もあったという。

何しに行ったんだか、という感じですが、下のような情報もありますので日本人にとっても他人事ではありません。

買春は厳しく処罰されます
(在中国日本国大使館 07.09.07)

最近、中国国内で買春行為により公安に拘留されたケースが増えています。買春行為(含む性的マッサージ)は、状況により「治安管理法処罰法」の適用を受けます。右法律によれば、10日以上15日以下の拘留に加え、5000元以下の罰金に処される可能性があります。また、国外退去となることもあり、一定の期間入国禁止となる場合もあります。当国の法令を遵守し、このような行為を厳に慎まれるようご注意ください。

中国:買春への注意喚起
(外務省渡航情報 2007/10/23)

1.最近、日本人が中国国内で買春行為により公安当局に拘留されるケースが増えています。中国においても売買春は違法であることを十分肝に銘じ、このような行為は厳に行わないようにしてください。
2.なお、買春行為は、状況により「治安管理法処罰法」の適用を受け、10日以上15日以下の拘留に加え、5,000元以下の罰金に処される可能性があります。また、国外退去や一定の期間入国禁止となる場合もあります。
2008年の北京オリンピックに向け、中国当局が風俗取締りを強化している という情報もあります。

8月ごろに中国駐在の知人から聞いた話では、その時点で日本人だけで駐在員など90人近く拘留されていたそうです。
日本人(または日本人が主な客の)を検挙のターゲットにしているとの噂もあるので(専門の店は論外としても「オプションサービス」がある店と単なる女性が接客する店の区別が難しいので)女性の接客する店の利用を全面禁止した日本企業もあるそうです。


「日本じゃできないことを外国で」という時代でもなくなってきたということでしょう。

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『信長の棺』

2007-11-06 | 乱読日記
ベストセラーで、小泉さんも絶賛したらしい『信長の棺』を遅ればせながら読みました。
普段は戦国武将関係の歴史ものはあまり読まないのですが、時間つぶしにはいったBook Offでたまたま見つけたので衝動買いしました。

戦国武将については、子供の頃、まだNHK大河ドラマがしっかりしていた時代に観た知識とその頃何冊か読んだ程度なので、この本のどこまでが史実に即していて、人物像の描写がどこまで通説的なもので、どこからが創作なのかがよくわからない部分もあるのですが、とても楽しめました。

その理由は、信長唯一の伝記『信長公記』を記した大田牛一を主人公にした設定の妙にあります。
信長に仕えた後、紆余曲折を経て隠居し、隠居後の目的を信長の伝記を書くと共に死の秘密を探ることに定めた牛一に、作者は一線を退いた後の人生のあり方のひとつのの理想像を投影しているように思えます。
その作者の主人公への視線の暖かさと、秘密を解き明かそうとする主人公の熱意が、さほど歴史に詳しくない者にも楽しめる所以だと思います。


ベストセラーにはやはりそれなりの理由があるようです。







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大連立あらため大分裂?

2007-11-05 | まつりごと

下半分のエントリをのんびり書いていて、さあアップしよう、としたところが

小沢民主代表が辞意 連立「協議に値した」
(2007年11月4日(日)23:25 朝日新聞)

民主党の小沢代表は4日、福田首相との党首会談をめぐる「政治的混乱にけじめをつける」として、鳩山由紀夫幹事長に代表の辞職願を提出した。小沢氏はその後、緊急会見を開き、2日の党首会談後の役員会で連立政権に向けた政策協議入りを全員一致で拒否されたことは「不信任を受けたに等しい」と説明した。小沢氏の突然の辞意表明で、同党の混迷は必至だ。小沢氏は会見で離党は否定したが、小沢氏が安保政策での一致などを理由に与党との連携を目指すのではないかとの見方もあり、政局は政界再編含みの展開になりそうだ。  

小沢氏は記者会見で、首相が党首会談の中で「わが国の安全保障政策について、極めて重大な政策転換を決断した」ことを受け、「政策協議を始めるべきではないか」と役員会に提案したことを初めて明らかにした。

小沢氏としては、総選挙で勝ったとしても政権政党としてのインフラ自体簡単には作れないから、大連立のなかでRNAウイルスよろしく自らの勢力を逆転写して増やしていけばいい、と考えていたのかもしれませんね。


********(以下が上のニュースを見る前に書いたエントリです)********


党首会談 「国民軽視」「まさか…」 「大連立」識者ら反応さまざま
(2007年11月3日(土)07:51 産経新聞)

報道をみるだけでは福田さんが急いだのか、「つり球」を投げる意図があったのかよくわかりません。

これ自体はいきなり感もあるのですが、民主党(小沢氏)としてもNoばかりでなく次の展開を期待されることになったという意味ではちょっとした波及効果はあるのかもしれません。
民主党の「あくまで政権奪取」という掛け声も、連呼しすぎると「掛け声倒れ」といわれかねないので注意が必要だと思いますが。

また保守合同を実現した鳩山一郎の孫の鳩山由紀夫氏が「大政翼賛会だ」と批判したあたりも趣き深いです(弟の法務大臣はこんな状況ですが)。
ちなみにこちらの本によれば、大政翼賛会は当時既成政党も無産政党も党内対立が激化する中で、各政党が強力な戦時体制の確立を目指して大連立の新党を結成する動きがあった中、擁立された近衛文麿は一国一党制のような「ファシズム」体制は天皇の政治的立場に優越する党を作り出すことであり明治憲法に違反する(*1)という考えもあり、すべての政党が解党して大政翼賛会が成立した、いわば紆余曲折を経たデモクラシーの結果だったようです(*2*3)。

*1 明治憲法についてのこの理解はこちらこちらを読む限りではちょっとナイーブすぎるようにも思います。
*2 最初の本によると、社会大衆党の解党大会の最後の報告には「上下心を一にする資本家も労働者もない新政治体制」を目指すのとうたわれています。
*3 また、大政翼賛会になったからといって従来の党派的対立がなくなったわけでもなかったそうです。

一方今回は単に政党の合従連衡のひとつで、もし合同しても次の選挙で国民の支持を得られずに結局分裂することになると思うので、その意味では大政翼賛会の頃よりは政治状況は健全だと思います。

ただ、連立→自民+民主の再編成になったときに、「勝ち組与党と負け組野党」という分裂の仕方をすると、今より悪くなるということもあります。
小泉ブームの前の民主党ブームに乗って民主党から立候補した議員の中にはさほど民主党自身に愛着を持っていない人も多いのではないかと(小沢さんが一番か?w)。


PS
連立政権が実現した場合はまだ呼び方は略称で「自民・民主連合」でいいと思うのですが、党が大合同したとすると、政党名はあわせただけだと「自由民主民主党」「自民民主党」「民主自由民主党」とかと妙になってしまうのですが「みずほ銀行」のようにまったく新しくするのでしょうか。

「新党たすきがけ」とか・・・


PS2
そういえば安倍元総理が小沢さんに会見を断られなかったら何を話すつもりだったのでしょう?


PS3
上の記事を読むと「識者のコメント」の2番目にやくみつる氏が出ていたのですが、相撲協会に続きうまく取り込まれつつあるように見えるのは、本人の立ち位置として想定内なのでしょうかね?

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こつこつ きちんと

2007-11-04 | あきなひ

最近やたらと生命保険会社のCMが目につきます。
不払い問題の反省のアピールと今後のためのイメージアップということなのでしょうが、今までの安心を売る、逆に言えば不安に訴える路線を変えて、地道さをアピールしているところは共通のようです。

そのなかでけっこういいな、と思ったのが三井生命の広告

こつこつ きちんと あなたのため

こつこつ きちんと みんなのため

こつこつ きちんと 地球のため

こつこつ きちんと 明日のため

こつこつ きちんと ウソはつかない

こつこつ きちんと マネもしない

こつこつ 愛して

こつこつ 生きてるあなたを、

わたしたち三井生命も、

こつこつ きちんと 応援します。


三井生命はこの「こつこつ きちんと」というキャッチコピーをテーマにシリーズでCMをつくっているようです。(参照
ちなみにこれが三井生命のCMキャラクターの「こつりん」w

ところで三井生命のHPを見ているたら、平成16年に相互会社から株式会社に組織変更したんですね

三井生命の株式会社化に関するご案内

こつこつきちんと増資などをしていたようです。
ところで、株式会社化の増資に応じる生命保険会社の株主のメリットって何なんでしょうか?

配当原資は(「死差・利差・費差」でしたっけ)で同じはずなので、それを契約者配当金と株主配当金で分け合うとするとあまりメリットがないのでは(増資資金を運用にまわすことで利益を積むだけなら単なる投資運用業になっちゃいますし)。
あるとすれば今後の契約は会社の利益重視にする、ということなのでしょうか。
でもそれって既存契約者は財務基盤が安定するからいいけど新規契約者は集まるのでしょうか(ってな議論は平成16年になされたんでしょうけど・・・)。


とうような背景から、従来の横並びから脱却して独自商品をこれまで以上に出しながらも、これまでのように商品の多様化に混乱して不払いなど起こさない、という決意が 「ウソはつかない マネもしない」 というコピーになったのでしょう。


でも、改めて読んでみると、「ウソはつかない マネもしない」というのは「あなた」であって、三井生命のことではないんですね・・・

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鳩山法務大臣

2007-11-02 | まつりごと

守屋元事務次官問題とか、テロ特別措置法問題の影に隠れているのですが、鳩山法務大臣が大臣就任早々からコンスタントに物議をかもす発言をしています。
しかもそれらの発言が深謀遠慮に基づくものとは思えないところにそのような人物を法務大臣に抱える日本政府としての深刻さが伺えます。


鳩山また衝撃発言…秘書時代は「米国のスパイ」だった
(ZAKZAK 2007/11/01)

鳩山邦夫法相が31日の衆院法務委員会で、田中角栄元首相の私設秘書時代、米国防総省(ペンタゴン)から、毎月のように接待を受けていたことを明らかにした。事実上、米国の情報収集の協力者(スパイ)だったことを認めたもので、先日の「友人の友人はアル・カイーダ」発言と合わせて、大臣としての資質が問われそうだ。  

衝撃発言は、民主党の河村たかし議員の質問中に飛び出した。河村氏が日本の情報収集について質問していたところ、鳩山氏は指名もされていないのに突然、「委員長!」と手を挙げて立ち上がり、河村氏が「大臣、何ですか?」と驚いている間に、こう語り始めたのだ。  

「思い出を話させてほしい。私が田中角栄先生の私設秘書になったとき、毎月のように、ペンタゴンがやってきて食事をごちそうしてくれた。当時、私は金がありませんから『ウナギが良い』とか『天ぷらだ』などと言ってた。私は1円も払っていない」

邦夫氏は政治家の家系に生まれてきた割には昔から政党や選挙区を頻繁に変えるうえに選挙にも強くないのでいまひとつ大物感がなかったのですが、大臣就任以来の不規則発言での見識のなさに加え、資産家の家に銀の匙を加えて生まれてきたはずなのににウナギと天ぷらで手なづけられてしまうあたり、もはやイロモノとしての風格すら漂います。


民主党幹事長である兄貴も浮世離れ感があるのですが、弟のノーカン具合はかなり上を行っていますね。



ちなみに今までの発言

鳩山法相が「友人の友人がアルカイダ」と発言、その後に修正
(2007年10月30日(火)12:26 ロイター)

鳩山邦夫法相が29日、都内で行った講演で「友人の友人がアルカイダのメンバー」などと発言し、その人物が偽造パスポートで日本に入国したともとれる発言をした。
ただ、断定できる内容ではなかったとして、その後に発言内容を修正した。  

同法相は、入国する外国人に指紋の採取を義務づける改正出入国管理・難民認定法に関する質疑の中で、2002年10月に202人の犠牲者を出したバリ島での爆破事件にも関わったとする人物について触れ、この人物から、安全上の理由からバリに近づかないように警告を受けたなどと語っていた。   

その後、同相は記者会見を開き、爆破事件に関する警告は、事件の数カ月後に人づてに聞いたものだと発言内容を修正。さらに、バリでの爆破事件後、この人物が2─3回にわたり日本へ入国したことを友人から聞かされ、入国管理当局に対して危険だと話したと釈明している。

一時期はやった「六時の隔たり」を地で行っているのでしょうか。
知り合い6人で全世界がカバーできるとするなら2人目でアルカイダにあたってもおかしくないと確率的にはいえるかもしれませんけど・・・


「絞首刑、もっと安らかな方法は」 法務委で鳩山法相
(2007年10月24日(水)20:00 朝日新聞)

法相は執行方法についても言及。「(絞首刑より)もっと安らかな方法はないか、という思いはある」と語った。

憲法36条で禁止されている残虐な刑罰にあたるかどうかという話だとするとけっこう大きな問題提起ですが・・・
「より安らかな死刑」という語句の形容矛盾が効いています。


鳩山法相が死刑執行問題を今度は週刊誌で
(2007.10.16 22:49 産経新聞)

鳩山邦夫法相が死刑執行をめぐり、16日発売の週刊誌で持論を展開した。法相が死刑執行を命令するまでの期間について「刑事訴訟法では(判決確定から)半年以内となっているが、現実は平均7年半。法務省が法の要請に応えていない」と同省を批判。9月25日の会見で「法相が絡まなくても自動的に(死刑執行が)進むような方法を考えたらどうか」と発言したことには「強烈な問題提起をしたつもり」と強調したうえで、発言を批判した死刑廃止推進議連会長の亀井静香・国民新党代表代行について「彼の人権感覚のなさを象徴する話」と切り捨てた。

自分は命令したくないけど法務省が執行しないのは職務怠慢、ということなのでしょうか。
沖縄戦でこういう人が上官にいると、部下に住民の集団自決を暗黙に促したりするんじゃないでしょうか。

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沖縄戦に関する教科書問題

2007-11-02 | よしなしごと

この問題、取り上げるのが遅れていたのですが、また動きがあったようです。

東京書籍と実教出版が訂正申請 沖縄戦集団自決検定
(2007年11月01日19時19分 朝日新聞)

沖縄戦での「集団自決」をめぐる教科書検定問題で1日、東京書籍と実教出版の2社が文部科学省に「日本軍の強制」を明記した訂正を申請した。検定では5社の高校用教科書計7冊から強制の記述がなくなっており、これを受けた訂正申請はこれが初めて。渡海文科相は「真摯(しんし)に受け止め、適切に対応していく」との談話を出した。

 訂正申請はいずれも「学習上の障害になる」との理由から。他の教科書会社も同様の趣旨で訂正申請を検討中で、文科省は今後、教科用図書検定調査審議会に諮り、その結論に従って申請を承認するか否かを年内に決める。

 東京書籍版は、「日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や、集団で『自決』を強いられたものもあった」という記述が、検定を経て「『集団自決』においこまれたり、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民もあった」と修正された。関係者によると、訂正申請では、「日本軍によって『集団自決』においこまれたり、スパイ容疑で虐殺された一般住民もあった」と記しているという。

 一方、2冊を出した実教出版は、「日本軍のくばった手榴弾で集団自害と殺し合いをさせ」「日本軍により、県民が戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり」という記述が、検定で「日本軍のくばった手榴弾で殺しあいがおこった」「県民が日本軍の戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり」となった。関係者によると、日本軍が集団自決を直接引き起こした、という趣旨の記述で訂正申請したという。

もっともこれは想定の展開という感じではあります。
既に
訂正申請あれば「審議会に聞く」 集団自決検定で文科相
(2007年10月2日(火)15:43 朝日新聞)

沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの記述が教科書検定で削除されたことをめぐり、渡海文部科学相は2日の会見で、教科書会社から訂正申請があった場合には、その内容について教科用図書検定調査審議会の意見を聞く意向を明らかにした。訂正を実現させるには文科相の承認が必要だが、渡海氏は「中立公平な判断の必要がある」と述べた。

というように文部科学省は建前は崩さずに、訂正申請は検討するというスタンスを取っていました。

もっとも、検定委員の選定などその手の役職は「政治的にfree」というのはありえないんですが、だからこそより慎重に政治的中立を主張しなければならないのだと思います。
※「教科書検定制度」を検索すると最初にヒットするのがこちらの外務省のサイト(しかもこれがかなりよくまとまっています)であることに象徴されるように、教育の政治からの独立に加え外交問題の火種にすらなりがちな事ですらあります。


ただ一方、この問題でいまひとつ釈然としないのは訂正を求める側も「軍の関与」というリトマス試験紙or踏み絵だけをクローズアップしていることです。

検定内容について比較的冷静だったのが
沖縄集団自決 検定への不可解な政治介入(10月3日付・読売社説)

 沖縄県宜野湾市で開かれた県民集会には11万人が参加し、検定意見撤回を求める決議が採択された。決議は、集団自決が日本軍の「関与」なしには起こりえなかったと強調した。今回の修正は、沖縄戦体験者の数多くの証言を否定し歪曲(わいきょく)するものだとも批判している。

 しかし検定意見は、集団自決への日本軍の「関与」を否定したのではない。

 例えば「日本軍は、県民を壕(ごう)から追い出し、スパイ容疑で殺害し、日本軍のくばった手榴弾(しゅりゅうだん)で集団自害と殺しあいをさせ」となっていたある教科書の記述は、検定の結果、前半部分をほぼそのまま残した上で、「日本軍のくばった手榴弾で集団自害と殺しあいがおこった」と改められた。

 集団自決の際に軍の「強制」があったか否かが、必ずしも明らかではないことが検定意見の付いた理由だった。

これを読むと、実は検定側も「軍は民間人の死亡にまったく関与していない」とは言っておらず、ただ「軍が民間人の自決を組織的に強要した」というのは事実と異なる、と言っているようです。
なので今回の教科書会社の修正も、冒頭の引用のようなちょいと奥歯に物の挟まったようないい方になっているのだと思います。


以下は僕の勝手な想像ですが、多分軍としては「民間人に自決を強制しろ」と参謀レベルから正式な命令としておろしたことはないと思います(そういう指示は合理性がない上に実際にコストもかかりますから)。ただ、現場の分隊長とか小隊長レベルでは、自己保身のためにパニックに陥ったり、集団ヒステリーになって、軍人という権力と武力を背景に、民間人に自決を強制・示唆するようなことはあったのではないでしょうか。


問題はそれを「歴史教科書」としてどのように記述するのが「正しい」か、そしてさらには「歴史教科書」(特に高校生の)において「正しさ」を究極まで求めることが適当なのかということです。

沖縄の方々の心情はある程度理解できるつもりではいるのですが、正直それは想像の範囲でしかありません。
だからあえて言ってしまうと、沖縄戦に関する教科書問題で一番大事なのは「沖縄の民間人が軍の指示により戦争の犠牲になったことを認める」ということではなく

① 軍隊(に限らず)組織の指揮命令系統は末端まで行き届かないことが多い
② 人間は極限状況の中では他者に対して残酷になりうる
③ 特に軍隊のような暴力装置は悲劇的な結果をもたらすことがある
④ 歴史の記述というのは記述者の政治的視点によって変わるものである
⑤ (歴史)教科書というのも、そのときの政治情勢と無縁ではなく、まったくの公正中立な教科書(や教師)というものはない

ということを高校生がきちんと学ぶことなのではないでしょうか。


第二次世界大戦で唯一日本国内で地上戦の舞台になった沖縄の人々の意見には耳を傾けるべきだとは思います。
ただ、検定意見の撤回や訂正申請を求めること自体は「真実を教科書に反映する」ことかもしれませんが、それもひとつの政治的立場であり、「政治的立場で教科書の記述に影響を及ぼす」ことにほかならない、ということについても自覚的である必要があると思います。

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