フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

可憐な日本水仙

2011-12-21 | 日記

今日は、やや暖かいので久しぶりに庭の草抜きやろう。庭のクロガネモチには、びっしりと赤い実がなっていた。ヒヨドリが好きなのでよくこの実をついばみに来る。

その下は、小さなジャングルになっている。ブライダルベールとツワブキが勢力争いを演じているマンリョウやナンテン、ツルニチニチソウも負けじと芽を吹いている。少し湿っぽいところはシダの独占領域だ。

足元には、早くも可憐な日本水仙が花を咲かせている。1時間ほど草抜きをやると、ゴミ袋一杯になった。

庭は、少しすっきりしたかな。

少し休憩して、フルートの練習をする。いつも通り、ロングトーン、ソノリテ、「毎日の練習」NO7、各調のスケールとアルペジオ、トリル練習をやる。その後、アルテ21課のトリル練習曲NO1だ。テンポ138に設定し、トリルの終結部をきっちり入れる練習を繰り返す。やはり中音Aのトリルの終結部が苦手だ。続いてNO2、これはリズムが少しややこしいのと高音のF♯が鳴りにくい。長いトリルをやっていると、拍が分からなくなって、テンポが乱れてしまうので要注意だ。

その後曲の練習をする。ヴァイオリンとの二重奏用に楽譜をいただいているのでそれを練習した。モーツアルトのメヌエット(ディヴェルティメントNO17)とラモーの「リゴドン」を何度か練習した。モーツァルトはTrioの16分音符が難しい。「リゴドン」楽しい曲で、リズミカルになるよう1オクターブ上げて高音で演奏した。ホ長調の高音のファとソが好きり鳴らない。最後は美しい「グリーンスリーブス変奏曲」、テンポをごく落として吹くと、情感が高まる。


どんな晩年を生きるか

2011-12-20 | 日記

久しぶりに映画を楽しんだ。と言っても2年前の2009年の作品「グラン・トリノ」である。
その頃の記憶で「クリント・イースドウッドも大分年を取ったな」とだけ思っていて、結局、映画館では見ていなかった作品だ、クリント・イーストウッド79歳の監督・主演作品である。

朝鮮戦争を体験したウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド演じる)は、長年デトロイトでフォードの自動車工を勤め上げた。男の隠れ家には、ピカピカの愛車72年型「グラン・トリノ」が置かれ、周りの壁にはぎっしりと工具が架かっている。今は、日本の自動車会社に勤める息子夫婦とは離れて、男一人で暮らしている。

家には国旗を掲げ、奇麗に刈り込んだ芝生に人が入り込もうものなら、ライフルを取り出して出ていけと威嚇する。手のつけられない頑固爺さんだ。隣家には、アジア系移民「モン族」の一家が暮らしている。物語は、ウォルトとモン族のタオがふとしたことから親しくなっていくことで進行していく。

ウォルトは、「古き良きアメリカ」を体現したような生活を送っている。壊れた電気製品などは、壁に架かっている工具を使って自分の手で直してしまったり、友人の理髪店の店主や工事現場の所長としゃれた「男の会話」をする。

タオが同じモン族のギャングから仲間に入るようしつこく言い寄られるが、彼はそれを拒否する。すると、一家の住む家は彼らから襲撃受ける。それに怒ったウォルトはタオを置いて、ギャングに報復に向かう。拳銃や機関銃を構えるギャングに向かって、ウォルトは先ずは煙草を吸おうと胸ポケットに手を入れる。
往年のクリント・イーストウッドの拳銃さばきを知っている観客は、私も含めて、ウォルトが目も止まらない早さで、庭に転がりながらギャングを撃ち殺すると思うだろう。それが見事に外されてしまった。目に焼きつくこの場面を見て、「うーん」と唸らざるを得なかった。びしっと胸に刺さる感動である。

映画は、現代のアメリカの状況を語っている。看板の自動車産業のフォードが衰退し、トヨタが席巻していることに象徴されるように、「古き良きアメリカ」が消えていこうとしている。街は荒廃し、住民自身も自信や誇りを失ってきている。それは、生活の展望が見えない若者に顕著に現れている。「お金」が全てのアメリカの空洞化、多人種国家の苦悩、精神の荒廃、気骨の喪失。

この映画は、「物作りを忘れた」アメリカ人に対して、本当にこれでいいのかと問いかけている。それだけではなく、人生の終盤を迎えようとしている年寄りに対して、「若者を育てる役割がある」というメッセージも流している、ともいえる。

私も、世代の断絶を嘆いていたり、同年代だけで集まるのではなく、どんどん若い人とも交わらなければ、と思った。


ケーナの心に沁みる調べ

2011-12-19 | 日記

今日の大阪もいい天気になった。コーヒーを淹れながら、先日の「ケーナ二重奏演奏会」で買ったケーナ奏者RENさんの「約束」というCDをかける。


CDタイトルにもなっている「約束」という曲、心に滲みる美しい曲だ。最後の「明日へ」という曲もいい、何度聴いてもいい。この郷愁を感じさせる響きと旋律は、フルートでは出せない世界かな。これを聴いていると何か大切な物を忘れているのではないかという、気がしてくる。

 余りにいい天気になので、昼から散歩に出る。夏に食べるビワは今頃地味な花を咲かせている。ビワはやはり大阪の様な暖かいところの産物で、八ヶ岳では無理だ。

カエデが真っ赤に紅葉していて、今頃見ごろを迎えている。青空を背景に3メートルはあろうかという皇帝ダリアが元気よく咲いている。


児童公園では、子供はいないで、元気の高齢者たちがグランドゴルフに歓声を上げていた。大阪は、戸外の寒さはほとんど感じないのだが、家の断熱性能が著しく悪いため、部屋に入るとやけに寒さを感じる。


しばし大阪へ

2011-12-18 | 日記

今日の八ヶ岳も快晴だ。外気温マイナス7度、室温10度、湿度16%。湿度がぐんぐん下がってきてカラカラに乾燥してきた。

先ずは、ゆっくりとコーヒーを啜りながら、CDをかけ薪ストーブのガラスを磨く。ここで、寒いからと焦って窓を磨かずに薪を燃やすと、そのまま行ってしまうので駄目だ。薪ストーブは美しく薪が燃える姿を見ると暖まり方が違う。

朝食は、昨日清里駅前の「ブレドール」で買ったパンを食べる。

もっちりしていて、癖が無く食べやすいパンだった。


今日は、しばし、八ヶ岳を離れて大阪に戻る日だ。片づけ、掃除、荷物の積み込みといつもながらバタバタする。N子さんが、忙しい中、安全運転でお帰り下さいと言って睡眠防止飲料「メガシャキ」、ガム「Fit's Link」とおかき「六種彩り」を差し入れに来てくれた。
最後に、水抜きをする。いつも通りの手順でゆっくり確実にやろう。水抜きができたところで、いよいよ出発だ。名残惜しいが、晴れ渡った庭の景色を写真に収める。

青空、白樺。

よく遊んだ庭と炉、

日本第二の高峰北岳。みんなとは、 しばし、お別れだ。

 途中、ペンション「銀の森」さんに寄る。美しくクリスマスの飾りつけがされている。

夏にこちらに来てくれた妻の友達が欲しいと言っていた人形を受け取るためだ。「銀の森」の奥さんはペンション業のかたわら、可愛い人形を作ったり、人形の服を縫ったりしていて、それが、なかなかいい作品なので人気があるのだ。

私は、ご主人から、最近はやりの「Face book」を教えていただく。既にご主人は、「Face book」を愛用されているらしい。説明を聞くとブログとも、twitterとも違う世界のようだ。仲間の限定性、広がり、ブログとの連携などかなり面白そうだ。「来年こちらに来られたら、皆さんと新年をやりましょうか」と言われると、「もちろんやりましょう」とお返事した。

「銀の森」さんを後にして、一路大阪へ。冬の高速は、さすが空いているので、ほとんど渋滞知らずで大阪へ戻ってきた。


アンデスの響き ケーナ二重奏演奏会

2011-12-17 | グルメ・クッキング

日の八ヶ岳もいい天気になった。その分冷え込みは、本格化していきた。外気温マイナス9度、室温9度、湿度18度。午前中、フルートの基礎練習をしておこう。練習をしていると先日フルートでドュエットしたFさんがやってきて、花豆や手作りした野沢菜の漬物、味噌などを樽ごと持ってきてくれた。これで当分美味しい野沢菜を食べることができる。別の笊の花豆は来年、植えてみようと思っている。

昼から、大泉で「ケーナの二重奏」演奏会があるので出かける。途中、清泉寮に立ち寄った。ほとんど観光客がいない牧草地の向こうに富士山が鮮やかに浮かんでいた。いつもの、八ヶ岳牧場にも立ち寄る、八ヶ岳が大きく迫ってきて迫力がある。

演奏会場は、パノラマ温泉から泉ラインを少し入ったペンション「ファミリア」。そこに、音楽ホールが併設されている。

30脚ほどのイスが用意されていたが、ほとんど満席だった。会場には、グランドピアノ、ケーナなどが置かれていた。床暖房されていて暖かい。

演奏メンバーは渡辺大輔、Renお二人のケーナ、智詠のギター、保坂幸恵のチャランゴ(マンドリンの様な2弦楽器)の4人。演奏会は、先ずはおなじみの「El Cindor pasa」(コンドルは飛んでいく)ではじまった。素朴で哀調を帯びたケーナの音色が本当に美しい。間近で聴いたのは初めてだったチャランゴも実にいい響きをしている。

Renさん作曲の「約束」は、恋人が別れるという曲だが、「あの日交わした思いは、いつかどこかで」と説明書きがある。いい曲だった。第1部の最後は「Moloendo Cafe」どんな曲かなと思っていると、コーヒールンバだ。演奏しているメンバーは、西田佐知子は知らないそうだ。これが、原語で歌も入って素晴らしい演奏だった。

休憩時間には、ケーキとコーヒーが出される。ケーキ(アーモンドタルト?)は手作りだが柔らかいいい味だった。

第2部はフラメンコギター独奏で智詠さん作曲の「月下の門」という曲。少し、テクニックを出そうとしすぎの感じかな、その後「ケーナでめぐる世界の風景」と題して、モルドウやロシア民謡を演奏した。「Ollantay(オリャンタイ)」という曲、実は、日本ではマチュピチュ遺跡(インカの王パチャクティ1440年頃建設され、1532年スペイン人に征服された)しか知られちないが、ペルーには沢山の遺跡があり、それの一つが「オリャンタイ」である。「英雄と遺跡、インカの記憶を胸一杯に取りこんで」という説明があった。最後の曲の前に、出演者が会場の皆さんと一緒に演奏したいと言って、「ふるさと」を皆で歌った。


そして最後は「明日へ」というRenさん作曲の曲だ。「前に進もう。僕らにはその力と義務がある」と副題されていて、力強い曲だった。アンコールに応えて演奏してくれたのが「Humahuaqueno (ウマウアケーニョ)」日本では「花まつり」として流行った曲だ。この演奏は手慣れているのか、歌も入って、リズミカルで迫力満点のいい演奏だった。

アンデスの美く、素朴で哀調を帯びた響きを聴いていると、いつの日にか、ボリビヤやペルーに行ってみたくなってきた。

会場から、アダージョの森に戻るとき、黄色い橋からの富士山の眺めが美しかった。今夜の夕食は、冷蔵庫に残っていたミンチを使って、豚まんと麻婆厚揚げを作る。豚まんの皮が今回はかなり上手く出来上がった。