人の体は、栄養過多になると、褐色脂肪細胞によるカロリー消費が活発になるなどして、肥満を防ぐ仕組みが備わっている事が分かっていた。この仕組みが機能すれば、過食による肥満は起きないはず、しかし肥満者は増加している。また肥満者は褐色脂肪の働きが悪くなっているという研究報告もあるが、そのメカニズムは解明されていなかった
東北大学大学院医学系研究科代謝疾患医学コアセンター代謝疾患学分野・山田哲也准教授、突田壮平助手(NM-GCOE助手)、片桐秀樹教授らのグループは、岡芳知教授(NM-GCOE拠点リーダー)らと共同で、過食により肝臓で糖代謝が高まると、これによって発せられる神経シグナルが褐色脂肪によるカロリー消費を低下させ、肥満を引き起こすことを発見した。この仕組みが、太りやすさの違いにも関与していることも見出した。(2012年12月5日 発表)
研究はマウスを使ったもので、マウスに高脂肪食を与えたら肝臓でタンパク質「グルコキナーゼ:GK」が増加した。 GKには脂肪燃焼を抑える働きがある。このマウスでは、脂肪細胞で脂肪を燃焼させるための神経細胞の数が少なくなり、脂肪が蓄積されて脂肪細胞が大きくなっていた。脳から脂肪燃焼を促進する信号が伝わらず、脂肪が蓄積されて肥満の原因となっていた。
この成果は、「メタボリックシンドロームの診断法や予防法の開発につながる重要な成果」と博士らはのべている。
◆褐色脂肪
カロリー消費を行う脂肪細胞。
肥満になり易さと関係が深く、皮下脂肪・内臓脂肪などのカロリーを貯める白色脂肪と性質が異なる。褐色脂肪の量は体重や体脂肪量と逆相関の関係にある。
◆グルコキナーゼ
肝臓で糖の代謝を高める酵素。
グルコキナーゼの活性化は糖尿病患者の血糖値を低下させる効果があるとされる。
また、グルコキナーゼの上昇を抑えると褐色脂肪細胞の働きが活性化する。
住宅地の道沿いの空き地で小さなタネツケバナが咲いていた。茎に沿って鋭角に細長い棒状の実(長角果)が付き、小葉は小さく楕円形から円形なのでミチタネツケバナ(多分)。
ミチタネツケバナ(道種漬花)は、道(路傍)などのやや乾燥した所で育っているタネツケバナ(種漬花)だからと言う。タネツケバナ(種漬花)は種籾(たねもみ)を水に浸ける頃に花が咲くからとの説と、実が熟すと種を四方に飛ばして発芽させて繁殖力が強から(種付花)の説がある。花は小さく(径7mm位)白色で、アブラナ科特有の四弁花(十字花)。
ミチタネツケバナ(道種漬花、路種漬花)
アブラナ科タネツケバナ属
越年草または一年草
ヨーロッパ原産の帰化植物
渡来した時代は新しく、1970年代と言われる
タネツケバナ(種漬花)は江戸時代に渡来したと思われる