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朝食の欠食が糖尿病の血管硬化に悪影響を与える

2020-03-11 | 食・レシピ
 順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学の三田智也准教授、綿田裕孝教授らの研究グループは、朝食の欠食が2型糖尿病における血管硬化に悪影響を与えることを明らかにした(3月5日発表)。今回、生活習慣が血管の硬化に与える影響を明らかにすることを目的に、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントの既往のない患者さんを対象に様々な生活習慣と血管硬化との関連性を調査した。その結果、朝食の回数が少ないほど血管の硬化が続くことがわかった。これらの結果は、2型糖尿病患者さんにおいて朝食をしっかり摂ることが血管硬化の抑制に繋がることを示唆している。本研究成果は、英国の医学専門誌「BMJ open Diabetes Research& Care」に掲載。
 背景
 糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントの発症を増加させる。従って、糖尿病の治療では、血管の硬化を予防し、硬化がさらに進まないように維持することは重要な課題である。
 これまでの報告では、2型糖尿病患者さんでは高齢であること、血糖のコントロールが悪いこと、糖尿病の罹病期間が長いこと、血圧が高いことなどが血管の硬化を進める危険因子であることが報告されている。しかし、2型糖尿病患者さんにおける生活習慣と血管の硬化の関連性は十分に明らかになっていなかった。そこで、今回、生活習慣が血管の硬化に与える影響を明らかにすることを目的に、心血管イベントの既往のない2型糖尿病患者さんを対象に様々な生活習慣と血管硬化の指標であるbaPWV(brachial-ankle pulse wave velocity)の関連性を調査した。
 内容
 順天堂医院等の外来に通院中の心血管イベントの既往のない2型糖尿病患者さん736名を対象に質問紙などを使用して生活習慣を調査し、研究開始時、2年後、5年後にそれぞれbaPWVを測定することで、生活習慣と動脈硬化との関連性を解析した。生活習慣に関しては、朝型あるいは夜型などの生活パターン、睡眠時間、睡眠の質、うつ状態、食事のカロリー、身体活動量、飲酒量、喫煙の有無、朝食の欠食や夕食の時間などを調査項目とした。
 結果、朝食の欠食回数が多い人は毎日朝食を摂る人に比べ、baPWVの値(血管の硬さの指標)が5年に渡って高く出続けることを発見した。さらに、年齢、性別、血糖コントロールや血圧などオーソドックスな動脈硬化の因子を調整しても、朝食の欠食回数は、baPWVの持続高値に関連していた。さらに、1週間の朝食の回数によりグループに分けて、各群の特徴を比較をしたところ、朝食の回数が4回未満のグループの患者さんでは、夜型の生活パターン、睡眠の質が不良、うつ傾向、アルコールの摂取量が多い、夕食時間が遅い、中食や外食の頻度が多いなど他の悪い生活習慣が集積していた。そのような患者さんでは、5年に渡り、BMIが高い、HDL(善玉コレステロール)が低いそして尿酸値が高く、さらに、baPWVが高値であることが明らかになった。
 このことから、朝食の欠食が多い患者さんでは、他の悪い生活習慣や動脈硬化の危険因子(BMI高値、HDL低値や尿酸高値)が集積することが、血管の硬化に影響した可能性があるが、さらに詳細な解析を進めたところ、これらの因子とは独立して、朝食の欠食が多い患者さんでは血管の硬化が続くことが明らかになった。
 以上より、朝食の欠食そのものが動脈の硬化に悪影響を与えることが明らかになった。
 今後の展開
 今回、朝食の欠食が2型糖尿病患者さんの血管の硬化に悪影響を与えることを明らかにした。血管の硬化が進行し、心血管イベントを起こしてしまうと、患者さんの寿命が短くなる、あるいは生活の質が大きく損なわれることもあり、経済的な負担も増加してしまう。
 心血管イベント発症の予防策として、朝食をしっかり摂ることが重要である。日本の健常人を対象としたコホート調査では、朝食の欠食が脳卒中の増加に関連することが報告されていますが、本研究では、心血管イベントのリスクが高い2型糖尿病患者さんにおいて朝食の欠食が血管の硬化をさらに促進させる可能性があることを示した。今後は、血管イベントを引き起こす生活習慣を明らかにしたいと考えている。さらに、その生活習慣を改善させることが、動脈硬化や心血管イベントの抑制に繋がるかを検証する予定である。
 ◆用語解説
 〇心血管イベント
 心血管イベントとは、心筋梗塞や脳梗塞などに代表される心血管系の病気のこと。糖尿病患者さんではこのような心血管イベントによる死亡が多いため、心血管イベントの発症を回避することは糖尿病治療において重大な課題である。
 〇baPWV (brachial-ankle pulse wave velocity) 上腕-足首脈波伝播速度
 心臓からの血液が押し出される際に生じる動脈の脈動が末梢へと伝播する波が脈波であり、血管が硬いほど速く伝わる。この原理を利用して、血管の硬化を簡便に検査できるのが脈波伝播検査である。両上腕、両足首に血圧測定カフ(腕帯)を巻いて、血管を流れる血液の脈動の速さ測定する。

 今日の天気は、晴れ、雲が多い。最高気温16℃と温かいが風がとても強いので、体感気温では寒い。
 今日(3月11日)は、東日本大震災から9年となった。この日は小雪が舞う寒い1日だった。沢山の方が亡くなり、沢山の家・施設が壊れた。この災害に対し、沢山の方々から応援・支援を頂いた。ありがとう、感謝しています。
 ◆東日本大震災
 地震発生:2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒
 震源:宮城県牡鹿半島の東南東沖130km、仙台市東方沖70kmの海底
 地震規模:モーメントマグニチュード (Mw) 9.0
 最大震度:震度7(宮城県栗原市で観測)
      震度6強を観測したのは宮城・福島・茨城・栃木の4県36市町村
 津波の発生:場所により波高10m以上、最大遡上高40.1m
 死者+行方不明(2014年3月10日時点)
      :18,517人(岩手県4,673+1,142、宮城県9,537+1,280、・・・)
 建築物の全壊・半壊:40万0,151戸
 東京電力福島第一原子力発電所の原子力事故
      :地震から約1時間後に遡上高14~15mの津波に襲われ
       原子炉の冷却不能となり、3機で炉心溶融(メルトダウン)が発生
       水素爆発により原子炉建屋が壊れ大量の放射性物質が漏洩した

 今日の散歩は、なるべく風が当たらない道を行く。
 見つけたのは、近くの畑、様々な雑草が生い茂り、”ヒメオドリコソウ”、花が咲きだしている。花は”ホトケノザ:仏の座”と良く似ている。両者ともシソ科オドリコソウ属で、同じ仲間だ。葉の形や色などが少し異なっている。
 ”ヒメオドリコソウ”は、五重塔の様に重なった紫がかった葉・葉面の細脈に沿ったしわ・毛が生えた葉や茎が四角形などが特徴である。先端の葉の脇に、小さな唇形をした淡い紅紫色の花を沢山つける。
 名(ヒメオドリコソウ:姫踊子草)の由来は、オドリコソウ(踊子草、シソ科オドリコソウ属、花の形が笠をかぶって踊る人の姿に似る)を小さくした様な花からと言う。花言葉は「愛嬌」。
 ヒメオドリコソウ(姫踊子草)
 シソ科オドリコソウ属
 二年草
 ヨーロッパ原産、明治時代中期に帰化を確認
 開花時期は2月~5月
 上部の葉は赤紫色を帯び密集、その葉腋に淡紅色の唇形花がつく
 花の長さは1cmくらい