歩けば楽し

楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

糖尿病治療の新候補物質を確定

2020-03-14 | 健康・病気
 京都大学の松田文彦教授と島津製作所、フランス、レバノンなどの共同研究チームは糖尿病患者は通常の人と比べ、血液中の有機化合物「4ークレゾール」が少ないことを突き止めた。ネズミの実験で、「4―クレゾール」が膵臓(すいぞう)のベータ細胞の増加を促し、インスリン分泌量を増やしたり血糖値を下げて安定させたりする作用があった。糖尿病の予防や治療に役立つ可能性がある。(2月26日、新聞記事より)
 研究チームは心筋梗塞などを起こしたレバノンの137人を糖尿病患者とそれ以外の通常の人に分けて血液を調べた。糖尿病患者は4―クレゾールの血中濃度が低かった。この物質をマウスの皮下に投与し高脂肪食を与えたり、糖尿病のモデルラットに皮下投与したりする実験をした。 脂肪細胞の状態改善や脂肪肝を抑えるといった作用も確認できた。人は4―クレゾールを体内で直接作れないため、大半は複数の腸内細菌の働きでできたとみており、詳しく調べる。
 ◆日本の糖尿病医療費は世界第5位
 世界で糖尿病人口がもっとも多い国の順位は(1)中国(1億1,400万人)、(2)インド(7,300万人)、(3)米国(3,000万人)となり、上位3ヵ国だけで2億人を超えている。
 日本は2015年の調査では世界ランキングの9位だったが、2017年の調査では上位10位から外れた。日本は65歳以上の糖尿病人口が多く、ランキングでは2017年は世界第6位の430万人となっている。
 糖尿病関連の医療費は約83兆円(7,270億ドル)で、2015年から8%増加し、世界の主な国で全医療費の12%を占めている。糖尿病の医療費の負担は世界的に増大しているが、糖尿病を予防するために費やされる予算は不足している。
 糖尿病の医療費が多い国の順位は、(1)米国(39.5兆円)、(2)中国(12.5兆円)、(3)ドイツ(4.8兆円)、(4)インド(3.5兆円)、(5)日本(3.2兆円)となっている。

 今日の天気は、晴れ~曇り。気温は、最高気温7℃・最低気温2℃。最高気温が昨日より10℃は下がった・・寒い。
 散歩道の横の空き地で、”タンポポ”が咲いている。見慣れた”タンポポ(西洋タンポポ)”と少し花の様子が違っている。チョット失礼して花の下の総苞(そうほう)を見ると、総苞外片は外側に反り返らず立っている。・・なので、在来種の”カントウタンポポ”でしょう・・総苞外片が外側に反り返っているのは外来種の”セイヨウタンポポ”。外来種(西洋タンポポ)は季節を選ばずに咲き、在来種は春に咲く、目にするのはセイヨウタンポポが多くなる。春に在来種を確認できた・・うれしい。
 名(タンポポ)の由来は、種子の冠毛が丸く集まる様子がたんぽ(綿を丸めて布ど包んだもの)に似ていることから”たんぽ穂→タンポポ”となったとの事。蒲公英は漢名から。
 タンポポ(蒲公英)
 別名:鼓草(つづみぐさ)
 学名:Taraxacum platycarpum(関東タンポポ)
   :Taraxacum officinale (西洋タンポポ)
 キク科タンポポ属
 多年草
 開花時期は3月~5月(関東タンポポ)
 花色は黄色で白花もある


電子スピンの自在な操作が可能な積層材料を開発、超高記録密度・省エネ磁気メモリの実現に

2020-03-13 | 科学・技術
 量子科学技術研究開発機構量子ビーム科学部門の李松田主任研究員、境誠司プロジェクトリーダーらは、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の雨宮健太教授、物質・材料研究機構の桜庭裕弥グループリーダーらとの共同研究により、電子スピンを使った情報処理に重要な、電子スピンの向きを揃える性能とスピンの向きを保つ性能のそれぞれに最も優れるホイスラー合金とグラフェンからなる積層材料の開発に成功した。この新しい材料により電子スピンの自在な操作が可能になることで、超高記録密度で省エネな磁気メモリの実現など、日常生活の情報化を支える情報技術の発展に新たな道が拓かれることが期待できる。本成果は、Advanced Materials誌のオンライン版に2019年12月3日(火)12:00(現地時間)に掲載。
 ポイント
 〇電子スピンを自在に操ることができる積層材料の実現により、超高記録密度な磁気メモリの実現など情報技術の発展に新たな道筋
 〇世界で初めて電子スピンの制御と保持の性能に最も優れたホイスラー合金とグラフェンからなる積層材料の開発に成功し、電子スピンの自在な操作が可能に
 研究の背景
 近年、情報機器の高性能化やインターネットの発達など情報化社会の発展に伴い、電子のスピンを利用することで多くの情報を少ない電力で保存できる磁気メモリのさらなる高記録密度化が求められている。磁気メモリは、電子スピンの向きが揃った電流(スピン偏極電流)を生み出す磁性体の層(磁性層)とスピン偏極した電流を伝える非磁性体の層(スペーサー層)を積み重ねた積層材料からなる磁気抵抗素子で出来ている。磁気抵抗素子は、積層材料を流れるスピン偏極電流の大/小が(電気抵抗)がスペーサー層の上下にある電極層の磁気の向き(磁石の方向)に応じて変化する磁気抵抗効果という現象を利用してデジタル情報の0/1を記録する。
 現在のハードディスクやMRAMなどの磁気メモリにはトンネル磁気抵抗素子という種類の磁気抵抗素子が使われている。トンネル磁気抵抗素子には、磁性層として強磁性金属、スペーサー層として絶縁性の酸化物からなる積層材料が用いられている。この素子は、スピン偏極電流に含まれる電子のスピン偏極率の大きさを反映して磁気抵抗比が高いことが特徴であるが、スペーサー層に絶縁体を用いているため電気抵抗が高く、電気抵抗を下げようとして酸化物の厚さを薄くすると、酸化物の質が低下して磁気抵抗比が下がってしまう問題を抱えている。そのため、現在の磁気抵抗素子では、電子のスピン偏極率を反映する磁気抵抗比の高さとスピン偏極電流が流れる際の電気抵抗の大きさを、次世代の磁気メモリに必要とされる領域に合わせることができていない。このように、磁気メモリをさらに高記録密度化するためには、高スピン偏極率の電流を低抵抗で流すことができる、即ち、電流に含まれる電子のスピンを効率良く操作できる積層材料を開発する必要があった。
 成果の詳細
 研究チームは、電子スピンの効率的な操作が可能で、高スピン偏極率の電流を低い電気抵抗で流すことができる積層材料を実現するための新しいアプローチとして、磁性体の中で最もスピン偏極率が高いホイスラー合金と非磁性体の中でスピンの伝達能力に最も優れるグラフェンを積層することを考えた。
 グラフェンと磁性金属の積層材料は、これまでニッケルやコバルトなど一般的で構造が単純な磁性金属を用いて作製されてきたが、ホイスラー合金のように多種類の元素を含み複雑な構造を持つ金属材料とグラフェンの積層化は世界に例がなかった。そこで研究チームは、はじめにグラフェンとホイスラー合金薄膜を積層化する作製技術の開発に取り組んだ。試料の酸化を防ぐために超高真空を保ちながら、マグネトロンスパッタリング法と化学気相成長法という手法を用いてホイスラー合金とグラフェンを順次成長する技術を開発し、試料の作製条件を最適化した結果、ホイスラー合金の一種であるCFGG合金薄膜(組成:Co2FeGe0.5Ga0.5)の表面に厚さが一原子層のグラフェンが完全に覆うように成長した積層材料を作製することに成功した。これにより、世界で初めてグラフェン/ホイスラー合金積層材料を実現した。
 さらに、研究チームは、深さ分解X線磁気円二色性分光という放射光を用いた分析技術を使って、グラフェン/CFGG合金積層材料に含まれるグラフェンとCFGG合金の状態を調べた。その結果、グラフェン/CFGG合金積層材料では、グラフェンとCFGG合金が接する界面と呼ばれる領域でも、CFGG合金が本来持っている磁気的な性質や高いスピン偏極率が失われていないことが分かった。また、グラフェンについても、ディラックコーンと呼ばれる特徴的な電子状態が保たれていることが分かった。これらの結果から、グラフェン/CFGG合金積層材料では、それぞれの材料が本来持っている電子スピンの向きを完全に近く揃える性質とスピンの向きを保ったまま低抵抗で伝えることができる性質が積層した状態でも保たれており、磁気抵抗素子への応用に理想的といえる、スピン偏極電流の効率的操作に最適な状態が実現されていることが明らかになった。
 今後の展望
 今回、電子のスピン偏極率が最も高いホイスラー合金と電子のスピンを伝える性質に最も優れるグラフェンを積層する技術を開発し、スピン偏極電流の効率的操作に最適な積層材料を実現できたことで、磁気メモリの高記録密度化などスピントロニクスによる情報技術の発展に新しい道筋が開かれた。
 現在、研究チームでは、グラフェン/CFGG合金積層材料を用いた磁気抵抗素子の開発を進めている。また、今後も原子スケールの材料の積層化や複合構造による電子・磁気的性質の制御や機能化に注目して研究を行い、スピントロニクス材料・デバイスの高度化による情報技術の発展に貢献する。
 ◆用語解説
 〇電子スピン、スピン偏極率
 電子の自転により生じる磁石の性質をスピンという。スピンには上向きと下向きという2つの状態がある。材料の中で電子スピンの向きの分布が上向きに偏ることをスピン偏極という。また、スピン偏極の度合いはスピン偏極率(P)として表され、上向きスピンを持つ電子の数(Dup)と下向きスピンを持つ電子の数(Ddown)によってP=(Dup-Ddown)/(Dup+Ddown)と定義される。 電子スピン
 電子のスピンには上向きと下向きの二つの状態がある。スピントロニクスでは、例えば、スピンの上向きを0、下向きを1のデジタル情報として演算や記憶を行う。
 〇ホイスラー合金
 ハーフメタルと呼ばれる磁石(磁性体)の一種である。ハーフメタルとは、例えば、上向きスピンが金属的な状態を持つ一方で下向きスピンはバンドギャップと呼ばれる半導体的な状態を持つために、電流として材料の中を流れることができるフェルミ準位付近の電子(伝導電子)のスピンの向きが一方向に完全に揃っている材料を指す。ホイスラー合金は、そのようなハーフメタルの一種であるが、室温より遙かに高い温度まで磁石の性質を保つことができることなど実用に適した特性を持つことから、スピントロニクスデバイスの材料として注目されている。
 〇グラフェン
 炭素原子が蜂の巣状に結合してできた厚さが1原子のシート状の物質である。シリコン等と比較して数桁以上も高速に電子を運ぶことができ、スピン軌道相互作用と呼ばれる電子のスピンの向きに乱れが生じる原因になる作用が全物質の中で最も弱いこと等の特徴を持つことから、スピントロニクスへの応用が期待されている材料である。また、厚さが1原子の状態でも安定に存在できることや軽量かつ高強度であること、化学処理等によりその性質を幅広く制御できることなどの特徴から、スピントロニクスデバイスに限らず、バイオセンサーや電池、飛行機の部材など様々な応用が期待されており、多くの分野で実用化を目指した研究開発が進められている。
 〇磁気メモリ
 微小な磁石(スピンの集合体)を使ってデジタル情報を記録するメモリの総称。磁気メモリは磁性体のスピンの向きにより情報を記録しているので、電源がなくても情報が失われない。磁気メモリの種類には、円盤上に塗布した磁性体の磁気の向き(上向き/下向き)を磁気抵抗素子で検出することによりデジタル情報(0/1)を読み出すハードディスクドライブと、磁気抵抗素子そのものに含まれる磁性体の磁気の向きに応じた素子の電気抵抗の変化(高抵抗/低抵抗)をデジタル情報(0/1)として読み出す磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)がある。
 〇スピントロニクス
 電子のスピンの向き(上向き/下向き)をデジタル情報の0と1のように扱い、これを制御したり識別したりすることで情報の処理を行う技術である。電子の電荷に加えてスピンを情報処理に用いることで、今日の情報技術が直面する電力消費の肥大化などの問題を克服することができる技術として注目されている。
 〇磁気抵抗素子、磁気抵抗比
 磁性体からなる磁性層と非磁性体からなるスペーサー層を磁性層/スペーサー層/磁性層の順に積み重ねた積層材料からなる素子を磁気抵抗素子と呼ぶ。磁気抵抗素子では、上下の磁性層の磁気の相対的な向き(平行/反平行)に応じて素子の電気抵抗が変化(大/小)する磁気抵抗効果と呼ばれる現象を利用してデジタル情報(0/1)を記録する。
 現在、磁気メモリに使われている磁気抵抗素子は、トンネル磁気抵抗素子と呼ばれるもの。このトンネル磁気抵抗素子では、絶縁体の酸化物がスペーサー層に使われており、電流は、上下の磁性層の間をスペーサー層を介したトンネル効果により流れる。磁気抵抗素子の性能の指標として、磁性層の磁化の向きにより電気抵抗が変化する割合を百分率で表したものを磁気抵抗比と呼ぶ。
 〇マグネトロンスパッタリング法
 アルゴンなどの不活性ガスを数百ボルトの電圧をかけながら真空中に導入することで放電を発生させ、それによって生じた電子を磁場により囲い込むことでターゲットの近くに密度が濃いプラズマを生成し、そこから生じたイオンをターゲットに衝突させる事で、ターゲットの表面からたたき出された原子等を基板上に堆積させて薄膜を成長させる方法である。
 〇化学気相蒸着法
 目的とする薄膜の成分を含む原料ガスを供給し、試料表面における原料ガスとの化学反応を利用して薄膜を成長させる方法である。
  〇深さ分解X線磁気円二色性分光
 X線磁気円二色性分光とは、磁性体の試料に円偏光X線を照射するとX線の吸収量が試料の磁化(磁石)の方向に応じて変化する現象(磁気円二色性)を計測することで、試料の磁気的な性質を調べる分光手法である。X線のエネルギーを特定の元素の吸収端付近に合わせて測定することで、試料に含まれる個々の元素の磁気モーメント(磁気の強さ)を調べることができる。
 深さ分解X線磁気円二色性分光は、上記に深さ分解の機能を持たせた手法で、X線の吸収に伴い試料の表面から放出される電子を放出角度により分別して測定することで、放出角度に応じた検出深さの変化を利用して、試料表面からの深さに応じた磁気モーメントの変化を調べることができる。
 〇ディラックコーン
 グラフェンは、炭素原子がシート状に並んだ形態に起因して電子の状態に特徴的な円錐型の構造が現れる。そのような構造をディラックコーンと呼ぶ。ディラックコーンの電子は、グラフェンの中を高速に流れることができる。
 グラフェンの中の電子は、ディラックコーンと呼ばれる円錐型の運動量(速度)の分布を持つ。

 晴れ。気温は高く、最高気温17℃、でもあまり温かさを感じない・・風が強いからかな。
 駅に向かう道沿い畑で、”ネコヤナギ”の蕾が大きくなり、半分位は開花している。花穂が銀白色で柔らかく、猫の尻尾の様に見える。葉はない・・花(尾状花序)の後に出る。
 ヤナギ(柳)は、ヤナギ科ヤナギ属 の樹木の総称である。世界に約350種あるとされ、日本でも30種以上はあると言う。日本では、柳と言えば”シダレヤナギ(枝垂柳、落葉高木)”を指すことが多いが、”ネコヤナギ(猫柳、落葉低木)”もある。
 名(ネコヤナギ:猫柳)の由来は、花穂が銀白色で柔らかく、猫の尻尾の様に見える「猫の尾をした柳」からである。別名には、「猫の尾」ではなく「小犬の尾」に例えて”エノコロヤナギ(狗尾柳)”とある。
 因みに、”ネコヤナギ”の花言葉は、率直・自由・思いのまま。
 ネコヤナギ(猫柳)
 別名:川楊(かわやなぎ)、狗尾柳(えのころやなぎ)
 学名:Salix gracilistyla
 ヤナギ科ヤナギ属
 落葉性低木
 雌雄異株
 原産地は日本・中国など
 早春、葉が出る前に大きな花穂を付ける
 開花時期:3月~4月
 花は尾状花序


金属並みの熱伝導性のゴム複合材料を開発

2020-03-12 | 科学・技術
 産業技術総合研究所先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリタフコンポジット材料プロセスチーム伯田幸也ラボチーム長、後藤拓リサーチアシスタント(東京大学大学院新領域創成科学研究科大学院生)と東京大学大学院新領域創成科学研究科寺嶋和夫教授(産総研先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリ特定フェロー)らは、カーボンナノファイバー(CNF)とカーボンナノチューブ(CNT)の2種類の繊維状カーボンと、環動高分子のポリロタキサンを複合化させて、ゴムのように柔軟で、金属に匹敵する高い熱伝導性を示すゴム複合材料を開発した。
 従来、高分子への分散が困難であった繊維状カーボンを、水中プラズマ技術で表面改質して分散性を高め、さらに、高分子と複合化する過程で交流電界をかけてCNFを配列させた。その結果、CNFの配列方向では14 W/mKという高い熱伝導性を示し、柔軟性を併せ持つゴム複合材料を実現した。今回開発したゴム複合材料は、フレキシブル電子デバイスの熱層間材や放熱シート、放熱板などへの応用が期待される。この技術の詳細は、2020年2月14日に国際誌Composites Science and Technologyに掲載。
 ポイント
 〇2種類の繊維状カーボンでネットワークを構築し、金属に匹敵する高い熱伝導率を実現
 〇ゴムの原料に環動高分子を用いることで、繊維状カーボンを大量に添加してもゴム弾性を維持
 〇フレキシブル電子デバイス用の熱層間材や放熱シートなどの熱マネジメント材料として利用可能
 開発の社会的背景
 近年、フレキシブル電子デバイス用の熱層間材や放熱シートなど高い放熱性を示す柔軟な熱マネジメント材料が注目を集めている。これらには、高い熱伝導性に加えて、低ヤング率、高引張強度、高靭性などの機械的特性が求められるため、次世代の熱伝導性フレキシブル材料として、柔軟なゴム素材と熱伝導性の高いCNFやCNTとの複合材料が精力的に研究開発されている。しかし、CNTの熱伝導率は2,000 W/mKを超えるにもかかわらず、複合材料の熱伝導率2 W/mKを達成するのに、10 wt%の添加が必要とされる。また、多量のCNFを添加すると複合材料の柔軟性が失われて脆くなる。一般に、繊維状カーボンは凝集性が強く、複合材料中に一様に分散しにくいため、繊維状カーボン同士が互いに接触してつながった熱伝導のネットワークを複合材料全体にわたって形成するのは困難であった。また、大きな繊維状カーボン凝集体とゴム素材との界面が変形時の破壊の起点となり、脆化の要因のひとつとなっている。
 研究の内容
 今回開発したゴム複合材料は、ポリロタキサン中に、フィラーとしてサイズの異なる2種類の繊維状カーボン(CNFとCNT)を分散させた。CNFは太さ200 nm、長さ10 ~ 100 μm、CNTは太さ10~30 nm、長さ0.5 ~ 2 μmであった。ゴム材料への繊維状カーボンの分散性の改善と、複合材料中の熱伝導ネットワークの形成が高い熱伝導性のカギと考えられている。分散性改善のためCNFとCNT(CNF:CNT重量比9:1)を塩化ナトリウム水溶液に分散し、独自に開発した流通式水中プラズマ改質装置を通して表面改質を行った。次に、表面改質したCNF/CNT混合物を溶媒(トルエン)中でポリロタキサン、触媒、架橋剤と混合したのち、交流電界処理用容器に入れ、交流電界をかけながら架橋反応させてゲルを作製した。得られたゲルをオーブンで加熱して溶媒を取り除き、フィルム状の複合材料を得た。
 開発した複合材料内部の電子顕微鏡像、表面改質により、まゆ状の凝集体がほぐれ、加えた電界の方向にCNFが配列していた。さらに、配列した大きなCNFに小さなCNTが巻き付き、CNF間をつなぐように分散していた。この少量のCNTがCNF同士をつなぐことで複合材料全体にわたる熱伝導のネットワークが形成され、高い熱伝導性が実現したと考えられる。
 今後の予定
 今後は、CNFの配向条件や改質条件を最適化して、熱伝導性と柔軟性の向上を図ると同時に、フィラーの3次元構造の観察や解析を通して、複合材料の構造と特性との数理的関係の解明を進める。さらに、企業との共同研究により、部材、デバイスへの展開、実用化を図る。
 ◆用語の説明
 〇カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)
 CNFは直径がナノメートルサイズの繊維状炭素。CNTはシート状の炭素が同軸環状になった物質。機械的特性や熱伝導性・電気伝導性に優れており、プラスチックなどさまざまな材料の機械特性・機能性の強化に利用される。
 〇環動高分子、環状分子
 環動高分子は、環状分子と直鎖高分子(ポリエチレングリコールなど)で構成された高分子で、環状分子が直鎖高分子に沿って「動く」ため「環動」高分子と呼ぶ。環状分子とは、穴の開いたドーナツ状の構造の分子のことで、代表的な環状分子に、シクロデキストリンがある。
 〇ポリロタキサン
 直鎖のポリエチレングリコールと複数個の環状のシクロデキストリンからなるネックレス状の環動高分子の一種。大阪大学原田明教授らにより開発された。東京大学伊藤耕三教授らはこれをベースにゴムのように伸び縮みするゲルを開発した。
 〇複合化
 2種類以上の材料(例えば、金属とゴム)を組み合わせて、材料に単独素材にない機能や性能を持たせること。
 〇水中プラズマ
 水溶液中に設置した電極間に高電圧をかけたり、パルスレーザーを照射したりして水溶液中に発生させたプラズマ。無機フィラーを水中に分散させて水中プラズマにより水中に分散させた無機フィラーの表面に水由来の水酸基を付与できる。
 〇熱層間材
 2つの材料(例えば、発熱デバイスとヒートシンク)の接合部に使用し、材料間の熱伝導性を高める材料。材料間のわずかなギャップや凸凹を埋めて、効率よく熱を伝えるため、高い柔軟性、加工性、熱伝導性が求められる。
 〇ヤング率
 材料の硬さの指標。材料の応力-ひずみ曲線の弾性領域の応力とひずみの比例定数であり、大きいほど材料が硬いことを意味する。
 〇靭性(じんせい)
 材料の粘り強さ、壊れにくさの指標。材料の靭性は破壊試験や応力-ひずみ曲線の面積値から評価することができる。
 〇脆化(ぜいか)
 金属やプラスチックがその粘りや伸びがなくなり、脆く、壊れやすくなること。
 〇超分子
 複数の分子が共有結合以外の相互作用(水素結合、配位結合、ファンデルワース力など)によって結合して形成される集合体。
 〇フィラー
 プラスチック、ゴム、塗料などに機械強度や機能性の向上のために添加される物質。[参照元へ戻る]

 今日の天気は晴れ。雲が多く、風が少し強い。気温は最高気温12℃、少し暖かいかな。
 花が咲きだした”オウバイ”。玄関のアポローチの石垣にかかる”オウバイ”でカーテンの様だ。
 名(オウバイ:黄梅)に梅と付くが、梅(バラ科サクラ属)ではなくジャスミン(モクセイ科ジャスミン属)の仲間である。ジャスミン属ではあるが花に香りはない。
 名の由来は、黄色の花が梅に似る、咲く時期が梅と同じ頃、からと言う。”オウバイ”は落葉樹、花期には葉はまだ出ない。花・姿が良く似ているものに、”ウンナンオウバイ(雲南黄梅)”とか”オウバイモドキ”と呼ばれるのがあるが、これらは常緑樹。
 オウバイ(黄梅)
  中国では、迎春花(げいしゅんか)と呼ばれる
   旧正月(2月)頃に咲き出すから
 学名:Jasminum nudiflorum
 モクセイ科ソケイ(ジャスミン)属
 落葉性半つる性低木
 中国北部原産、15世紀末(1488年、1666年説もある)に渡来
 開花時期は2月~4月、花期には葉はまだ出ない
 花色は明るい黄色、花径は2.5cm位
 花の形は高杯形で、梅に似る
 花には一重と八重がある


朝食の欠食が糖尿病の血管硬化に悪影響を与える

2020-03-11 | 食・レシピ
 順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学の三田智也准教授、綿田裕孝教授らの研究グループは、朝食の欠食が2型糖尿病における血管硬化に悪影響を与えることを明らかにした(3月5日発表)。今回、生活習慣が血管の硬化に与える影響を明らかにすることを目的に、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントの既往のない患者さんを対象に様々な生活習慣と血管硬化との関連性を調査した。その結果、朝食の回数が少ないほど血管の硬化が続くことがわかった。これらの結果は、2型糖尿病患者さんにおいて朝食をしっかり摂ることが血管硬化の抑制に繋がることを示唆している。本研究成果は、英国の医学専門誌「BMJ open Diabetes Research& Care」に掲載。
 背景
 糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントの発症を増加させる。従って、糖尿病の治療では、血管の硬化を予防し、硬化がさらに進まないように維持することは重要な課題である。
 これまでの報告では、2型糖尿病患者さんでは高齢であること、血糖のコントロールが悪いこと、糖尿病の罹病期間が長いこと、血圧が高いことなどが血管の硬化を進める危険因子であることが報告されている。しかし、2型糖尿病患者さんにおける生活習慣と血管の硬化の関連性は十分に明らかになっていなかった。そこで、今回、生活習慣が血管の硬化に与える影響を明らかにすることを目的に、心血管イベントの既往のない2型糖尿病患者さんを対象に様々な生活習慣と血管硬化の指標であるbaPWV(brachial-ankle pulse wave velocity)の関連性を調査した。
 内容
 順天堂医院等の外来に通院中の心血管イベントの既往のない2型糖尿病患者さん736名を対象に質問紙などを使用して生活習慣を調査し、研究開始時、2年後、5年後にそれぞれbaPWVを測定することで、生活習慣と動脈硬化との関連性を解析した。生活習慣に関しては、朝型あるいは夜型などの生活パターン、睡眠時間、睡眠の質、うつ状態、食事のカロリー、身体活動量、飲酒量、喫煙の有無、朝食の欠食や夕食の時間などを調査項目とした。
 結果、朝食の欠食回数が多い人は毎日朝食を摂る人に比べ、baPWVの値(血管の硬さの指標)が5年に渡って高く出続けることを発見した。さらに、年齢、性別、血糖コントロールや血圧などオーソドックスな動脈硬化の因子を調整しても、朝食の欠食回数は、baPWVの持続高値に関連していた。さらに、1週間の朝食の回数によりグループに分けて、各群の特徴を比較をしたところ、朝食の回数が4回未満のグループの患者さんでは、夜型の生活パターン、睡眠の質が不良、うつ傾向、アルコールの摂取量が多い、夕食時間が遅い、中食や外食の頻度が多いなど他の悪い生活習慣が集積していた。そのような患者さんでは、5年に渡り、BMIが高い、HDL(善玉コレステロール)が低いそして尿酸値が高く、さらに、baPWVが高値であることが明らかになった。
 このことから、朝食の欠食が多い患者さんでは、他の悪い生活習慣や動脈硬化の危険因子(BMI高値、HDL低値や尿酸高値)が集積することが、血管の硬化に影響した可能性があるが、さらに詳細な解析を進めたところ、これらの因子とは独立して、朝食の欠食が多い患者さんでは血管の硬化が続くことが明らかになった。
 以上より、朝食の欠食そのものが動脈の硬化に悪影響を与えることが明らかになった。
 今後の展開
 今回、朝食の欠食が2型糖尿病患者さんの血管の硬化に悪影響を与えることを明らかにした。血管の硬化が進行し、心血管イベントを起こしてしまうと、患者さんの寿命が短くなる、あるいは生活の質が大きく損なわれることもあり、経済的な負担も増加してしまう。
 心血管イベント発症の予防策として、朝食をしっかり摂ることが重要である。日本の健常人を対象としたコホート調査では、朝食の欠食が脳卒中の増加に関連することが報告されていますが、本研究では、心血管イベントのリスクが高い2型糖尿病患者さんにおいて朝食の欠食が血管の硬化をさらに促進させる可能性があることを示した。今後は、血管イベントを引き起こす生活習慣を明らかにしたいと考えている。さらに、その生活習慣を改善させることが、動脈硬化や心血管イベントの抑制に繋がるかを検証する予定である。
 ◆用語解説
 〇心血管イベント
 心血管イベントとは、心筋梗塞や脳梗塞などに代表される心血管系の病気のこと。糖尿病患者さんではこのような心血管イベントによる死亡が多いため、心血管イベントの発症を回避することは糖尿病治療において重大な課題である。
 〇baPWV (brachial-ankle pulse wave velocity) 上腕-足首脈波伝播速度
 心臓からの血液が押し出される際に生じる動脈の脈動が末梢へと伝播する波が脈波であり、血管が硬いほど速く伝わる。この原理を利用して、血管の硬化を簡便に検査できるのが脈波伝播検査である。両上腕、両足首に血圧測定カフ(腕帯)を巻いて、血管を流れる血液の脈動の速さ測定する。

 今日の天気は、晴れ、雲が多い。最高気温16℃と温かいが風がとても強いので、体感気温では寒い。
 今日(3月11日)は、東日本大震災から9年となった。この日は小雪が舞う寒い1日だった。沢山の方が亡くなり、沢山の家・施設が壊れた。この災害に対し、沢山の方々から応援・支援を頂いた。ありがとう、感謝しています。
 ◆東日本大震災
 地震発生:2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒
 震源:宮城県牡鹿半島の東南東沖130km、仙台市東方沖70kmの海底
 地震規模:モーメントマグニチュード (Mw) 9.0
 最大震度:震度7(宮城県栗原市で観測)
      震度6強を観測したのは宮城・福島・茨城・栃木の4県36市町村
 津波の発生:場所により波高10m以上、最大遡上高40.1m
 死者+行方不明(2014年3月10日時点)
      :18,517人(岩手県4,673+1,142、宮城県9,537+1,280、・・・)
 建築物の全壊・半壊:40万0,151戸
 東京電力福島第一原子力発電所の原子力事故
      :地震から約1時間後に遡上高14~15mの津波に襲われ
       原子炉の冷却不能となり、3機で炉心溶融(メルトダウン)が発生
       水素爆発により原子炉建屋が壊れ大量の放射性物質が漏洩した

 今日の散歩は、なるべく風が当たらない道を行く。
 見つけたのは、近くの畑、様々な雑草が生い茂り、”ヒメオドリコソウ”、花が咲きだしている。花は”ホトケノザ:仏の座”と良く似ている。両者ともシソ科オドリコソウ属で、同じ仲間だ。葉の形や色などが少し異なっている。
 ”ヒメオドリコソウ”は、五重塔の様に重なった紫がかった葉・葉面の細脈に沿ったしわ・毛が生えた葉や茎が四角形などが特徴である。先端の葉の脇に、小さな唇形をした淡い紅紫色の花を沢山つける。
 名(ヒメオドリコソウ:姫踊子草)の由来は、オドリコソウ(踊子草、シソ科オドリコソウ属、花の形が笠をかぶって踊る人の姿に似る)を小さくした様な花からと言う。花言葉は「愛嬌」。
 ヒメオドリコソウ(姫踊子草)
 シソ科オドリコソウ属
 二年草
 ヨーロッパ原産、明治時代中期に帰化を確認
 開花時期は2月~5月
 上部の葉は赤紫色を帯び密集、その葉腋に淡紅色の唇形花がつく
 花の長さは1cmくらい


加齢に伴う聴力低下、たんぱく質が劣化

2020-03-09 | 健康・病気
 順天堂大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学の神谷和作准教授、田島勝利大学院生らの研究チームは、老人性難聴の初期に起こる新たなメカニズムを明らかにした(2月28日)。研究チームが内耳の「ギャップ結合」という分子の複合体に注目して解析したところ、この分子が老化に伴って崩壊・減少し、老人性難聴の進行に関与する可能性が示された。このメカニズムの解明により、当研究チームが現在開発中の内耳ギャップ結合を標的とした薬剤や遺伝子治療が老人性難聴にも適用できる可能性がある。本研究はネイチャー系列誌「Experimental & Molecular Medicine」に掲載。
 本研究成果のポイント
 〇老人性難聴の初期に起こる新たなメカニズムを明らかにした
 〇老化に伴って内耳の「ギャップ結合」という構造体が疎水化・断片化し、タンパク質量が低下していた
 〇ギャップ結合の異常は遺伝性難聴の原因と共通しており、同じ治療法が適用できる可能性
 背景
 老人性難聴(加齢性難聴)は老化に伴う進行的な聴力障害で、場合によっては40代で補聴器がを必要になる例も少なくない。最近では、認知症の発症リスクを高める最も大きな要因に中年期以降の聴力低下(老人性難聴)が含まれるとのデータが報告され、老人性難聴への早期予防が認知症予防の最重要項目の一つであると考えられている。
 今回着目した内耳ギャップ結合は内耳のイオン環境を整える重要な分子構造であり、遺伝性難聴では、検出される遺伝性難聴の半数程度はギャップ結合遺伝子(GJB2遺伝子など)の異常によるコネキシン26遺伝子変異型難聴であることがわかってきた。
 研究チームでは2014年に内耳ギャップ結合構造の崩壊による遺伝性難聴の発症メカニズムを解明、2015年にモデル動物の遺伝子治療実験によりギャップ結合の修復と聴力回復に成功、2016年にはiPS細胞から内耳ギャップ結合を作る基盤技術を開発し、内耳ギャップ結合を標的とした創薬や遺伝子治療の技術開発を進めています。その中で老人性難聴にもこれらの新しい治療法が役立つ可能性があると考え、メカニズムの解析を進めた。
 内容
 研究チームは、老人性難聴の初期の変化が病態進行のメカニズムや治療法を探る鍵となると考えた。まず、モデル動物(マウス)を用い聴力が急激に低下する時期を特定し、その際に内耳に起こる遺伝子やタンパク質の変化を観察した。従来の報告では、老人性難聴は内耳の有毛細胞と呼ばれる感覚細胞の脱落が主な原因という説があったが、病態初期には有毛細胞はまだ正常に存在していた。しかし、内耳の重要な分子構造であるギャップ結合の複合体とその構成成分であるコネキシン26とコネキシン30を解析したところ、若年期に比べてギャップ結合複合体の構造が著しく崩壊しており、構成成分であるコネキシン26とコネキシン30タンパク質の量も大きく減少していた。そこで、ギャップ結合複合体の構造を詳細に解析したところ、老化初期の内耳(32週齢)ではこの構造は分断され、2マイクロメートル程度と若年期(5マイクロメートル程度)に比べて大きく減少していた。さらにタンパク質量を測定すると老化初期の内耳では若年期の約40%に減少していた。次に、ギャップ結合タンパク質の生化学的な特性を調べたところ、老化の影響でギャップ結合は脂質に取り囲まれたり共存するようになるという性質の変化があることが分かった。
 以上の結果から、この現象が安定したギャップ結合複合体を維持することを妨げて分解されやすくなり、タンパク質量が低下することでギャップ結合の劣化・老化につながっていることが考えられた。さらに、ギャップ結合機能の低下は、内耳が活動するためのリンパ液の電位の低下や、内耳の感覚細胞である有毛細胞の活動低下を伴うため、老化による聴力の低下に大きな影響を与えることが考えられる。
 今後の展開
 研究チームは内耳のギャップ結合を修復するための医薬品や遺伝子治療ベクターの開発を進めている。現在、老人性難聴の根本的治療法や治療薬はないが、将来的には、研究チームが開発中のギャップ結合タンパク質を安定化する薬剤やコネキシンを補充する遺伝子治療の開発によって老人性難聴の予防や聴力の回復が期待できる。
 ・ ・ ・
 因みに、国立国際医療研究センターなどの調査でわかった、「喫煙は耳の聞こえにも悪い影響をもたらすらしい。」
 追跡より、年齢や高血圧、糖尿病の有無などを踏まえて分析すると、たばこの本数が多いほど聴力低下の傾向がある。
  〇1日21本以上吸う人は吸わない人に比べて高音域で1.7倍、低音域で1.4倍だった。
  〇調査時に5年以上禁煙していた人は、聴力低下のリスクは吸わない人とほとんどかわらなかった。
  〇中年期の聴力の低下は、認知症にかかるリスクを高めることも指摘されている。
 ◆用語説明
 〇老人性難聴
  加齢性難聴(老人性難聴)は、加齢によって起こる難聴で、「年齢以外に特別な原因がないもの」である。加齢性難聴は誰でも起こる可能性がある。
 一般的に50歳頃から始まり、場合によっては40代で補聴器が必要になる例も少なくない。65歳を超えると急に増加するといわれる。その頻度は、60歳代前半では5~10人に1人、60歳代後半では3人に1人、75歳以上になると7割以上との報告がある。
 最近では、認知症の発症リスクを高める最も大きな要因は中年期以降の聴力低下(老人性難聴)であるとのデータが医学誌Lancetで報告され、認知症予防の観点からも老人性難聴への早期予防が最重要項目の一つであると考えられている。
 〇ギャップ結合
 コネキシンは6個の集合体により細胞膜に分子の通り道を作り、隣の細胞の集合体と連結して細胞と細胞をつなぐトンネルを作る。このギャップ結合は分子量約1000以下の低分子やイオンを濃度勾配によって透過させ、細胞間の物質輸送を可能とする。
 〇コネキシン26・GJB2変異遺伝性難聴(コネキシン26遺伝子変異型難聴)
 コネキシン26は遺伝子GJB2(GAP JUNCTION PROTEIN, BETA-2)により合成され、内耳のギャップ結合を構成する主要タンパク質の一つ。最も高頻度に検出される遺伝性難聴の原因因子。 GJB2変異遺伝性難聴(コネキシン26遺伝子変異型難聴)は、我が国では遺伝性難聴の50%以上もの割合を占めるとされており、常染色体劣性と常染色体優性の遺伝形式を持つ感音性難聴。

 晴れ~曇り。気温が昨日より高くなった。昨日の最高気温は10℃以下で、今日は14℃で最低気温は8℃・・春の気温だよ。
 畑に行った。梅に花が咲き出している。花色は白~桃色だ。ひと月前に榴岡天満宮の梅の開花を見たが、畑での開花を見ると感激。
 ”ウメ”が満開となると、次の開花は桜(吉野桜)だね。”ウメ””サクラ”、どちらも花見は良いね・・桜が咲くころに病が収まってくれ・。
 奈良時代に「花」と言えば梅(の花)。別名も、風待草(かぜまちぐさ)・好文木(こうぶんぼく)・春告草(はるつげぐさ)・・などと多い。平安時代中頃から、梅より桜(の花)が好まれるようになり、江戸時代以降は花といえば「桜」となる。
 ウメ(梅)
  梅の果実も梅と言う
 学名:Prunus mume
 バラ科サクラ属、落葉高木
 原産地は中国、奈良時代の遣隋使か遣唐使が持って来たと言う
 開花時期は1月~4月
 種類により開花期が異なる
 梅には300種以上の品種があり、野梅系・紅梅系・豊後系の3系統に分類される


ニホンミツバチは外来ダニ(アカリンダニ)をうまく払い落とすことができない

2020-03-08 | 農業
 国立環境研究所生物・生態系環境研究センター坂本佳子研究員等の研究グループは、近年ニホンミツバチの気管で増殖し、甚大な被害をもたらしているアカリンダニが、なぜニホンミツバチだけで重症化し、セイヨウミツバチでは問題とならないのかについて、行動学的な視点からの要因究明を試みた。結果、セイヨウミツバチと比較して、ニホンミツバチではアカリンダニをうまく払い落とすことができないことが明らかになった。本成果は、令和元年11月22日付で刊行された学術誌「Insectes Sociaux」に掲載。
 背景・目的
 数年前から、飛べなくなったミツバチが巣の周りを徘徊するという現象が日本各地で報告される。この異常な行動を引き起こしている原因の一つが「アカリンダニ」による寄生だと言われている。アカリンダニは体長0.1mmのとても小さなダニで、ミツバチの胸部気管内で繁殖する。気管の中がアカリンダニでいっぱいになったミツバチは酸素不足になり、飛翔や温度調節ができなくなる。また、気管の中で成熟したダニが別のミツバチの気管に侵入し繁殖するという寄生が繰り返されるため、巣内のミツバチ全体にダニが蔓延し、やがてコロニーが死滅する。
 日本には、古来より生息するニホンミツバチ(トウヨウミツバチの一亜種)と、養蜂のために海外から輸入しているセイヨウミツバチがいる。アカリンダニが猛威を振るっている対象はニホンミツバチだけで、セイヨウミツバチではほとんど被害が報告されていない。なぜニホンミツバチだけで、アカリンダニが流行しているのでしょうか?これまでに、我々の研究グループはアカリンダニがセイヨウミツバチと比べてニホンミツバチの気管に侵入しやすいことを実験室内での観察により突き止めている(Sakamoto et al. 2016)。そこで、アカリンダニが気管に侵入する前にミツバチがダニに気付いて払い落とすことが出来るかどうかが、ダニの寄生率を左右する要因ではないかと考え、本研究ではミツバチの「グルーミング」に着目して調査した。
 方法
 ニホンミツバチおよびセイヨウミツバチのそれぞれの胸部背面(=背中)にアカリンダニを付着させた後、ミツバチがダニを払い落とそうとする行動(=グルーミング)を一定時間観察し、ダニを付着させなかった場合(コントロール)の行動と比較した。また、観察終了後にダニが胸部背面から除去されたかどうかも記録した。
 実験成功のポイントは、①0.1mmの微小なダニを操作するために、楊枝の先にヒトのまつげを付けた特殊な「まつげブラシ」を用いたこと、②動き回るミツバチにダニを付着させるのは困難なため、暖かい場所に集まる習性を利用して、脚元を温める床暖房(Floor-heating method:床暖房法)を考案したことにある。
 結果・考察
 ダニを付着させなかった場合(コントロール)では、両種ともグルーミングをした個体の比率が約20%であった。ダニを付着させた場合では、両種ともグルーミングが誘発されたが、セイヨウミツバチ(69%)よりもニホンミツバチ(45%)の方がその比率が低い結果となった。両種においてグルーミングがダニの除去に効果的であるが、グルーミングを行った場合でも、ニホンミツバチの方がダニを除去する能力が低いことが分かった。全体でみると、ニホンミツバチは、セイヨウミツバチの約半数のダニしか除去できないことが明らかになった。
 今後の研究展開
 本研究より、ニホンミツバチはセイヨウミツバチよりもアカリンダニを払い落とす能力が低いことが明らかになった。
 今後は、なぜそのような能力の差が生じるのかについて、生理学的・形態学的なアプローチも取り込んで詳細に分析し、その結果に基づき、将来的にニホンミツバチがアカリンダニに対して抵抗性を獲得する可能性を予測する。また、このような新しい病気の流行を未然に防ぐために、ミツバチを含むハナバチ全体に潜在する病原生物の網羅的探索も予定している。
 ◆アカリンダニ
 アカリンダニ(Acarapis woodi)は、ミツバチの体内に寄生するホコリダニ科のダニである。クモの仲間で8本の脚を持つ。アカリンダニはハチの気管内で生活し、繁殖する。メスは気管壁に5個から10個の卵を産み、孵化した幼虫は2週間から3週間で成虫になる。
 アカリンダニは、これまでにヨーロッパや北米・南米のセイヨウミツバチで分布が確認されている。日本では、ごく最近の2010年に見つかっていることから、このダニは人間によって意図せず持ち込まれた「外来生物」ではないかと考えられており、我々の研究グループの遺伝子解析からも、それを支持する結果が得られている。
 本来、宿主と寄生者は、生態系の中で互いに対立しながらも安定した関係を築いている。ところが人間活動によって生き物を移動させることで、寄生者もまったく新しい地域に持ち込まれ、対抗策を持たない新しい宿主にとりつき、病気の大流行を引き起こす。
 今回の事例でも、セイヨウミツバチはアカリンダニを効果的に除去する行動を獲得しているのに対し、ニホンミツバチはこの外来ダニへの有効な対抗手段を持ち合わせていないため、ダニの寄生が進行して深刻な被害がもたらされていると考えられた。ニホンミツバチは、我が国において多様な植物の受粉を担う重要な送粉者であり、ニホンミツバチが減少すれば、これらの植物の多様性にも影響がでる恐れがある。

ホウ素と水素のみからなる導電性を持つ新たなナノシート材料を開発

2020-03-07 | 科学・技術
 研究
 NIMSと筑波大学を中心とする研究チームは、ホウ素と水素のみからなる導電性を持つ新たなナノシート材料を開発した。またJASRIと共同で、ナノシートを構成する水素原子が特殊な配置を取っており、その構造が原因で分子が吸着することにより導電性が大きく変化することを明らかにした。軽量かつフレキシブルで、導電性を制御できる本材料は、ウェアラブルな電子デバイスや新しいメカニズムのセンサーなどへの応用展開が期待できる。本研究成果は、「Chem」誌にて現地時間2019年12月9日午前11時 (日本時間10日午前1時) にオンライン公開。
 共同研究チーム
 本研究は 、国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA)ソフト化学グループ 冨中悟史主任研究員と、国立大学法人筑波大学数理物質系近藤剛弘准教授、公益財団法人高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 尾原幸治 主幹研究員、国立大学法人東京大学物性研究所松田巌准教授および国立大学法人東京工業大学 元素戦略研究センター 細野秀雄栄誉教授らの共同研究チームによって行われた。
 研究の背景
 電気が流れる特性(導電性)は、金属を除くと限られた材料でのみ見られるものであり、分子・原子レベルの厚みを有するナノシート材料では、グラフェンや酸化ルテニウムナノシートなどの限られた材料でのみ報告されている。導電性はキャパシターなどの電子デバイスなどに必須であり、電子・情報化社会において非常に重要な特性である。さらに、1種類のナノシート材料のみではなく、異なるナノシート材料を組み合わせて利用することで、新たな機能の発現が期待できるため、これまでにないデバイスの誕生も期待される。
 ホウ素と水素のみからなるホウ化水素ナノシートはボロファンという通称名で知られ、理論的に多様な原子配置を取りうることや導電性を有することが予想されてきた。新しい水素吸蔵材料や電子材料としての優れた特性が期待されていたが、実際に合成をすることは困難であった。しかし、筑波大学が中心となりNIMSを含む研究機関と共同で、2017年に世界で初めて、そのホウ化水素ナノシートの生成に成功した(参考:新しいシート状物質「ホウ化水素シート (ボロファン) 」の誕生)。
 理論的にホウ化水素ナノシートはさまざまな構造が予想されており、非常に魅力的な材料群の先駆的な合成の成功と言える。しかし、実際に合成した試料は計算による予測とは異なり、結晶ではなっかた。そこで、化学的に合成したホウ化水素ナノシートに関して、「導電性を有するのか?」という問いと、「なぜ非晶質なのか?」という問いに答えることが本研究の学術的な目的である。
 研究内容と成果
 導電性の計測実験では、研究を開始した当初は、計算の予測とは異なり、ホウ化水素ナノシートは絶縁体であった。NIMSが主体となり、前処理を変えた計測を繰り返し、導電性の発現には試料の純度を高めることが極めて重要であることを見出し、筑波大学と連携し、高純度試料の測定を繰り返し行った。試料の合成は筑波大学が中心となり、東京大学、東京工業大学、NIMSが共同で、高純度のホウ化水素ナノシートの合成に成功した。その試料をNIMSが繰り返し測定し、導電性が発現する前処理を発見した。微量ではあるものの合成に用いた有機分子が残存し、その吸着により導電性が発現しないことが分かり、適切な前処理を行うことで、安定して高い導電性(ホウ化水素としては最高レベル、0.13 S/cm)が得られるようになった。
 残存分子は微量であり、通常の導電材料の評価では問題になるものではなかった。興味深いことに、残存分子が存在する時には導電性が発現していても、温度上昇とともに30 ℃付近で絶縁体に変化する現象が見られた。この現象は可逆的であり、温度の低下で元の導電性が回復した。そこに化学的に重要なことが隠されていると考えられた。
 詳細な理解のためには、原子の配置を明らかにする必要があるが、この材料は非晶質であり、構造解析の一般的な手法の回折法が利用できない。X線散乱データから得られる二体分布関数であれば、非晶質であっても構造に関する情報が得られるため、NIMSとJASRIが共同で、大型放射光施設SPring-8のBL08WにてX線散乱実験を行い、二体分布関数の導出を行った。非常に複雑なデータであり、通常の手法では解析は困難ですが、NIMSが実験データを機械的に解析するベイズ最適化を用いたプログラムと、結合電子も含めた全電子状態を解析する全電子二体分布関数解析法を世界で初めて開発したことで、水素が特殊な配置を取っていることが明らかとなった。これらの解析により、特殊な水素原子の配置により微量の有機分子の吸着が可能となり、結果的に導電性が安定していなかったことが分かった。
 〇ホウ化水素ナノシート
 ホウ化水素ナノシートを化学的に合成。分子レベルの厚みのシート状物質で、特殊な水素の配置を有する。電気が流れ、その導電性は分子の吸着に敏感。
 今後の展開
 軽量かつフレキシブルなホウ化水素ナノシートは、ウェアラブルな電子デバイスへの応用が期待できる。さらに、ホウ化水素ナノシートの大きな特徴の1つとして分子の吸着性を考えると、分子の吸着で導電性が大きく変わる材料として使うことが可能である。実際に30 ℃以上で、6桁も抵抗が大きくなる現象が見られた。分子応答性のセンサー材料の開発に繋がる基礎特性と考えられる。また、特殊な水素の配置により、酸点と塩基点が存在するため、触媒材料への応用も期待できる。
 現在、研究チームは、さまざまな応用を目指して、この新しい材料の研究を続けている。これまでにはない特性を持つ材料の開発により、全く新しいデバイスの誕生が期待できる。
 ◆用語説明
 〇二体分布関数
 原子ペアの距離と密度の関係を表すヒストグラムである。結晶にのみ有効な伝統的な回折データとは異なり、全ての物質の指紋に当たる情報として近年、物質・材料の研究で注目されている。
 〇大型放射光施設SPring-8
 理化学研究所が所有する兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出す大型放射光施設で、利用者支援はJASRIが行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeVに由来。SPring-8では、放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われている。
 〇ベイズ最適化
 データの解析の際に、これまではランダムな試行の繰り返しによる最適化が一般的であったが、近年、機械的に最適な値へと導く手法が検討されている。ベイズ最適化はその中でも広く知られた方法で、ランダムではなく、過去の試行結果を学び、如何に最適値へと導くかを機械的に調整しながら試行を繰り返す手法で、今回は二体分布関数の解析に初めて導入した。
 〇全電子二体分布関数解析法
 二体分布関数の解析は、孤立した原子が分布していることを仮定して解析するのが一般的である。しかし、原子同士の結合を作る結合電子が無視できない場合、従来の手法では解析が困難である。NIMSでは物質の全電子位置と数を計算し、それに対する二体分布関数をシミュレーションして実験データの解析を行う新しい手法の開発を行った。これにより、水素とホウ素、ホウ素とホウ素の結合電子まで考慮した解析が可能になった。

 天気は晴れ、雲が多い。気温は最高気温9℃とか、風が強くないので、お日様が温かい。
 散歩で、小さなお庭で”フクジュソウ”の花を見つけた。春を告げる花の代表である・・春がやって来る。新春を祝う花でもあり、元日草(がんじつそう)とか朔日草(ついたちそう)と呼ばれる。南天(難転)の実と福寿草(招福+長寿)の花とで、”難を転じて福となす”の縁起ものである。
 江戸時代からの古典園芸植物で、多数の園芸品種が作られている。根・茎には毒(アドニンという成分)があり、芽が出たばかりの様子はフキノトウと似ており、間違えて食べると中毒を起こす。花が終わるころ、細かい葉(人参の葉の様)が出てくる。
 フクジュソウ(福寿草)
 別名:元日草(がんじつそう)、朔日草(ついたちそう)
 学名:Adonis ramosa
 キンポウゲ科フクジュソウ属
 多年草
 開花時期は2月~4月
 花色は基本的に黄色(黄金色)、花径は数cm
 開花は光・温度に敏感で、日が陰ると直ぐに花はつぼむ
  花びらの開閉で花の中の温度を下げないようにしている


2種類の有機物の混合で、リチウムイオン電池の特性を劇的に向上する手法を開発

2020-03-06 | 科学・技術
 関西学院大学理工学部の清水 剛志博士研究員、中島謙介氏、吉川 浩史准教授、田中大輔准教授らと大阪大学の北河康隆准教授の研究チームは、有機物を電極材料として用いたリチウムイオン電池で、2種類の有機分子を混ぜ合わせた電極材料の特性が、それぞれの分子を単一で用いた場合に比べて劇的に向上することを見いだした。本研究成果は、2019年11月30日(日本時間)に英国王立化学会発行の科学誌「Chemical Science」オンライン版に掲載。
 ポイント
 〇2種類の有機物を混ぜ合わせた電極材料を用いたリチウム二次電池では、別々に有機物を用いた場合に比べて劇的に性能が向上することを見いだした。
 〇有機物を混ぜることで、リチウムイオンが出入りできる隙間を作り出すことができたためであると考えられる。
 研究の背景と経緯
 リチウムイオン電池は、本年度の吉野彰博士のノーベル化学賞受賞に代表されるように、現代のIT社会を支える基盤技術として広く認知されている。
 リチウムイオン電池の正極の材料には希少元素であるコバルトを用いた物質が使われており、高価なコバルトに代わる、より安価で高性能な正極材料が、現在も広く探索されている。特に、有機分子は軽く安価な電極材料として注目されており、さまざまな有機物が正極材料の候補物質として研究されている。しかしながら、優れた特性が予測される有機物を実際に電極材料として用いた研究では、予想に反して低い電池特性しか示さないことがしばしば起こることが知られている。
 有機分子の電極材料の研究では有機分子を固体の結晶として用いるのが一般的であるが、有機物の結晶の内部にリチウムイオンが入り込む隙間を合理的に作り出すことが難しいことと、結晶が電解液に溶け出してしまい安定性が低いという2つの理由が性能低下の原因として挙げられる。優れた電極材料としてのポテンシャルを持った分子の特性を100パーセント引き出すには、有機物の結晶中にリチウムイオンが入ることができる通り道を作り出し、なおかつ材料としての安定性を向上させる汎用性の高い手法の開発が必要である。
 研究の内容
 田中准教授と吉川准教授の研究チームは、リチウムイオン電池の電極材料として、中心に正の電荷を持つ円盤状の有機分子と負の電荷を持つ円盤状の有機分子2種類の有機分子を混ぜ合わせた電荷移動錯体と呼ばれる材料を開発し、その特性が単一の有機分子と比較すると劇的に向上することを見いだした。
 これは、有機分子が集積した結晶の中に、リチウムイオンが拡散する通路ができたためだと考えられる。単一の有機分子を用いた場合は、分子同士の電荷が反発して密に詰まった構造をとることが知られている。
 本研究では、異なる符号の電荷を持った分子を1:1で混ぜることで、2種類の円盤状分子が交互に積み上がった筒状の構造を形成し、筒と筒の隙間にさまざまな分子を取り込むことができるようになることを明らかにした。さらに、電荷移動錯体が持つこの隙間を利用することで、高速でリチウムイオンが出入りする高い容量を持った電極材料を開発することに成功した。また、正負の電荷間の強い相互作用により、この電荷移動錯体の電解液への溶解が抑制されていることも確認された。
 大阪大学の北河康隆准教授との計算機を用いた共同研究により、この相互作用のエネルギーを見積もることにも成功している。異なる電荷を持つ2種類の分子を混ぜるという本手法は、さまざまな有機分子の組み合わせで応用できるため、これまで高い特性を示さなかった有機分子が本来持っている特性を最大限引き出すことを可能とする新しい手法になるものと期待される。
 今後の展開
 優れた特性を持つ新しい二次電池が開発されれば、スマートフォンやノートパソコンなどの身の回りのモバイルデバイスの性能を飛躍的に向上させることが可能になる。本研究で開発した技術を活用することで、それまで特性が悪いと思われていた有機分子2種類を混ぜ合わせるだけで、その電極材料としての特性を飛躍的に向上させることが可能になる。一方で、そのような有機分子の組み合わせの数は膨大なものになるため、本研究成果は、広大な「組み合わせによる材料開発」の存在を実証した研究成果であるということができるかもしれない。
 今後は、このような膨大な数の候補物質を効率的に探索するために、現在発展が著しい人工知能を活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)の手法を利用した効率的な材料の開発が期待される。

 晴れ、風がとても強い。気温は最高気温9℃、風が強いので、体感気温はもっと低い・・。
 今年は積雪の期間が殆どない・・今日の散歩は枯れ野の散歩。
 近所の畑で、”フキノトウ”が出てた。・・周りには雪がない!!。
 ”フキノトウ(蕗の薹)”はフキ(蕗)の花の蕾で、葉が出る前に花蕾(フキノトウ)だけが地面に出てきた。早春の雪解けの防寒なのか、蕾を苞(ほう)が厚く取り巻いている。
 フキノトウ(蕗の薹)
  フキ(蕗)の蕾
 キク科フキ属
  原産地は日本、樺太・朝鮮半島・中国にも分布する
 多年草
 雌雄異花
  雌花は受粉後に花茎を伸ばし、タンポポの様な綿毛をつけた種子を飛ばす
 蕾の状態で摘み採り、煮物・味噌汁・ふきのとう味噌などで食べる
  ・・花が咲いてしまうと苦い


イチジク近縁種イヌビワのゲノム配列を解読、病害に強い品種改良に

2020-03-05 | 科学・技術
 かずさDNA研究所、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)果樹茶業研究部門、国立遺伝学研究所、広島県立総合技術研究所、福岡県農林業総合試験場は共同で、イチジク (Ficus carica)の近縁野生種であるイヌビワ(F. erecta)のゲノムを解読した。イヌビワはイチジクを枯らす病気に強い抵抗性をもつ。病気に強いイチジクの品種改良に役立つ。研究成果は、国際科学雑誌「The Plant Journal」に1月24日にオンライン公開。
  背景
 イチジク(Ficus carica)の近縁野生種で、日本では関西より西側の地域に自生しているイヌビワ (F. erecta)は、イチジクの生産に大きな被害を及ぼす「株枯(かぶかれ)病」に対する強い抵抗性を持つことが知られている。株枯病は、土壌微生物が原因で起こる病気で、苗木の移植などにより感染が拡大し、発病すると成木でも短期間で枯死してしまうことから、イチジク栽培に大きな被害をもたらしている。そこで、イヌビワとイチジクとを交雑することによってイヌビワのもつ株枯病抵抗性をイチジクに導入する試みが進められている。しかしながら、イチジクとイヌビワとの交雑が困難な上に、たとえ交雑できたとしても耐病性の判定に時間と労力がかかるため、幼苗での早期判別が重要である。さらに、イチジクは雌雄異株なので、品種育成では食用に適した雌株と交配に使用する雄株を早期に選抜する必要がある。
 このため、イチジク株枯病に抵抗性をもつ品種開発の効率化を目指して、イヌビワのゲノム解読を行った。なお、イチジクのゲノムは、2017 年にかずさDNA 研究所、福岡県農林業総合試験場、九州大学の共同研究により解読が完了している。
 この研究成果により、イチジクの株枯病真性抵抗性遺伝子を保持し、かつ、ゲノム背景がイチジクに近い雌株系統を幼苗段階で早期に選抜できるようになり、品種改良の効率化が期待されている。
 本研究でかずさDNA研究所は、研究立案、ゲノム配列の解読と解析、および研究の取りまとめを、農研機構はイヌビワとイチジクの後代の育苗を、国立遺伝学研究所(先進ゲノム支援)はPacBio Sequel を用いてゲノム解読における基盤情報を提供した。
  研究成果の概要と意義
 ① 連続した10,000 塩基以上の長いDNA 配列を一分子レベルで解析できるPacBio ロングリード技術を使用してイヌビワのゲノム配列データを収集し、3 億3160 万塩基対のゲノム配列を決定した。
 ② イヌビワのゲノム配列中に、51,806 の遺伝子を見出した。
 ③ イチジクとイヌビワの戻し交雑第1世代を用いてゲノム上の同じ領域の塩基配列の違いを容易に比較することができるddRAD-Seq 法により検出したDNA 多型を使用して遺伝地図上にゲノム配列を位置付け、株枯病真性抵抗性の候補遺伝子を同定し、DNA マーカーを開発した。
 ④ 塩基配列の違いをゲノム全体にわたって調べることができる全ゲノムジェノタイピング分析により、イヌビワの持つ株枯病抵抗性を保持し、かつ、ゲノム背景がイチジクに近づいた系統を幼苗段階で選抜できるようになった。
  将来の波及効果
 ① ゲノム情報をもとにした育種が可能になり、株枯病抵抗性をもつイチジク新品種の育成が加速される。
 ② イヌビワは株枯病抵抗性の他にも様々な病害虫に対する抵抗性を持つことが知られており、本ゲノム情報が基盤となってイチジク育種に役立つ遺伝子が今後も見つかることが期待できる。
 ◆用語解説
 〇ゲノム
 生物をその生物たらしめるのに必須な最小限の染色体のひとまとまり、またはDNA全体のことをいう。
 〇真性抵抗性遺伝子
 病害に対する抵抗性をもつ遺伝子は、病気に侵されない真性抵抗性と、病害の程度が状況によって異なる罹病性に分けられる。
 〇DNA 多型
 ゲノムDNA 中の塩基配列にみられる配列の差異(変異)。
 〇DNA マーカー
 遺伝子の目印となるDNA 配列。導入したい形質に関わる遺伝子をDNA マーカーの有無で確認して個体を選抜することができる。

 曇り、時々日が差し、時々小雨・・変化が大きい・・でも寒い。
 散歩での寂しい景色。枯れ木に採られずに残っているイチジクの実。
 実と言ったが、壺の形をした果嚢(かのう)である。”イチジク”(イチジクの仲間も)は、若いものの中で花が咲いて外からは花は見えずに実となる。このため、”イチジク”を漢語では”無花果”の字をあてた。日本語名の”イチジク”は中国語の「映日果」での音読”エイジツカ”の転訛とする説、1ヶ月で熟す(一熟:いちじゅく)からの説がある・・よく分からない。
 イチジク(無花果、映日果)
  樹、その果実も言う
 別名:伝来時に、蓬莱柿(ほうらいし)、南蛮柿(なんばんがき)、唐柿(とうがき)
 学名:Ficus carica
 クワ科イチジク属
 落葉高木
 原産地はアラビア南部。不老長寿の果物とも呼ばれる
 栽培は6千年前からと言われ、旧約聖書にも登場する果物
 インドから8~9世紀ごろに中国へ、中国から日本に17世紀に渡来した
 渡来したのは葉の切れ込みが浅い品種。明治以降のは葉の切れ込みの深い品種で、これを洋種として区別する
 雌雄異株だが、日本で栽培されているのは雌株のみ。受粉しなくても果嚢が熟す単為結実(たんいけつじつ)の品種である。
 実が熟すのは8月~9月頃


光を照射し、水を分解して水素を発生させる新たな多孔性物質を開発

2020-03-04 | 科学・技術
 関西学院大学理工学部の鎌倉吉伸氏、田中大輔准教授らの研究チームと大阪大学および大型放射光施設SPring-8の共同研究グループは、光を照射することで水を分解して水素を発生させる新しい多孔性物質の開発に成功した。本研究成果は、2019年12月24日(米国東部時間)に総合科学誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン版に掲載。
 ポイント
 〇従来合成が難しいことが知られていた硫黄を含むMOFの合成に成功し、この新材料が光を照射することで水を分解して水素を発生させる触媒特性を示すことを見いだした。クリーンな太陽エネルギーによる水素発生は、燃料電池の原料供給のための重要なテクノロジーにつながる。
 〇この触媒特性は、硫黄を用いることで光を吸収する効率が上がり、さらに吸収した光エネルギーを反応に利用することができるようになったためであると考えられる。
 研究成果
 田中准教授らの研究チームは、炭素と窒素を含んだ硫黄化合物を用いることで鉛を含む新しいMOFの結晶を開発することに成功した。これは、窒素が硫黄の反応性を低下させることで、結晶化に最適な反応条件を実現できたためであると考えられる。また、開発したMOFの分子サイズの細孔の構造を高輝度光科学研究センター(JASRI)の杉本邦久主幹研究員とのSPring-8のビームライン(BL02B1)の放射光を用いた実験から明らかにすることに成功した。さらに、関西学院大学 理工学部の吉川浩史准教授との共同研究から、その細孔には水のみが取り込まれて、アルコールなどの有機分子は入らないことも明らかにした。
 関西学院大学理工学部の玉井尚登教授と片山哲郎助教のチーム、大阪大学の佐伯昭紀教授と正岡重行教授との共同研究から、この新たに開発したMOFが光を吸収することで電気を流し、さらにそのエネルギーを利用することで水を水素に変換する触媒としての能力を持つことを実証した。また、関西学院大学 理工学部の小笠原一禎教授と西谷滋人教授との計算機を用いた研究により、鉛と硫黄の原子が作るネットワークが触媒反応に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
 今後の期待
 半導体特性を持つ材料に分子サイズの無数の穴を自在に開けることができれば、さまざまな触媒反応や電池の電極材料などへの応用が期待される。本研究の詳細な解析から、開発したMOFの優れた特性は、硫黄を含むことで発現したことが明らかとなった。
 今後はこれらの知見を生かして、さまざまな種類の硫黄を含んだMOFが合成されることとで、より優れた特性を持つ材料の開発が期待される。特に、水から太陽エネルギーによって水素を発生させる触媒は、燃料電池によるクリーンなエネルギー源に応用できるため、さらなる高性能材料の開発が求められる。
 一方で、そのような硫黄を含むMOFを合成することは難しく、合成のための反応条件の探索には膨大な試行錯誤が必要となる。今後は、このような合成の難しい材料を効率的に探索するために、人工知能を活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)の手法の活用が期待される。
 ◆用語説明
 〇多孔性物質
 多孔性物質とは、分子サイズの小さな穴が無数に開いた構造を持つ材料で、活性炭が代表的な物質として古くから知られている。近年は、金属-有機構造体(MOF)もしくは多孔性配位高分子(PCP)と呼ばれる新しい多孔性材料が、水素や温室効果ガスの貯蔵や分離、各種触媒反応などの環境エネルギー問題の解決に有用な材料であるとして、世界中で盛んに研究開発されている。
 多くのMOFは絶縁体で電気を流さず可視光を吸収しないが、もしMOFが電気を流し、光エネルギーを吸収するような半導体としての特性を示せば、高い比表面積を利用した触媒や太陽電池などのエネルギー変換材料への応用が可能になるため、半導体特性を持つMOFの開発が現在求められている。
 これまで、硫黄を含んだMOFは半導体特性を示すことが知られていたが、結晶性の高い良質な硫黄を含むMOFの合成は難しく、その特性は十分に検討されてこなかった。
 〇大型放射光施設SPring-8
 兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出す理化学研究所の施設で、利用者支援などは高輝度光科学研究センター(JASRI)が行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeV(ギガ電子ボルト)に由来する。
 放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、指向性が高く強力な電磁波のこと。SPring-8では、この放射光を用いて、ナノテクノロジーやバイオテクノロジー、産業利用まで幅広い研究が行われている。

 曇り、午後から小雨。今日の散歩は、雨が降る前の午前、風が穏やかだけど、寒い。
 散歩道沿いの塀越しの”ロウバイ”、花が咲いている。花は、正月の半ば位から咲きだし、3月には終わる。
 この花は、”ソイシンロウバイ(素心蝋梅)”である。花の中心の色は花びらと同じ黄色。”ロウバイ”には主に、2種類ほどが知られている。”ロウバイ(蝋梅)”と”ソシンロウバイ(素心蝋梅)”である。”ロウバイ”は中央部が暗紫色で、花弁は黄色。”ソシンロウバイ(素心蝋梅)”は、中央部の色も黄色、花弁も花中心も同じ(黄色と同色)。
 咲いた花と一緒に、昨年からの果実が見える。果実は、長径数cmほどの楕円形で、中に数個の種子がある。・・この数個を頂き、鉢に植えてみた・・芽が出るかな?。
 名(ロウバイ:蝋梅)の由来には、「蝋細工の様な梅に似た花」説、「花色が蜜蝋(みつろう)に似ている」説、「臘月(ろうげつ、旧暦の12月)に、梅に似た香りの花」説がある。
 ロウバイ(蝋梅)
 別名:唐蝋梅(とうろうばい)、唐梅(とうばい、からうめ)
 学名:蝋梅 Chimonanthus praecox
    素心蝋梅 Chimonanthus praecox f. concolor
 ロウバイ科ロウバイ属
 落葉低木(丈は2m~4m)
 原産地は中国、17世紀頃に渡来
 開花時期は1月~3月
 花径は2cm程
 果実の種子は、抑制性神経伝達物質の放出を阻害して痙攣を誘発する有毒物質「カリカンチン」を含む


ウイルス検出法開発、1分程度にまで短縮させる計画

2020-03-02 | 科学・技術
 産業技術総合研究所・コニカミノルタなどと共同で微量のウイルスを簡単に検出するシステムを開発した(2020年2月24日新聞記事より)。空港や病院、学校などへの導入を見込んでいる。今のところ検出に10分ほどかかるが、改良を重ねて2023年度までに1分程度にまで短縮させる計画。新型コロナウイルスの検出にも応用できるようにしたいという。
 このシステムは唾液などの検体にウイルスに凝集して蛍光を発する「凝集誘起発光物質」と磁気微粒子を混ぜる。発光物質と磁気微粒子はウイルスに結合し、磁石を動かしながら検体を観察するとウイルスがいれば動く光のように表示される。従来の技術では難しかった、ウイルスと不純物を簡単に見分けられる。
 基本的な技術はすでに確立している。高い感度と短時間でウイルスを検出できるようにする条件を探っている。使いやすいシステムにするため実際の現場での試験を検討している。

新型コロナウイルス「スパイクたんぱく質」の立体構造解明

2020-03-01 | 医学
 米国のテキサス大と国立アレルギー・感染症研究所の研究チームが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が人の細胞に侵入、感染するのに使う「スパイクたんぱく質」の立体構造を解明した。2020年2月19日付の米科学誌サイエンス電子版に発表。
 コロナウイルスは遺伝情報を担うリボ核酸(RNA)が入った粒子の表面に「スパイク」と呼ばれる突起があり、人の細胞表面にある受容体たんぱく質と結合して侵入、増殖する。新型ウイルスのスパイクたんぱく質が結合する受容体たんぱく質は、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスの場合と同じ「ACE2」であることが分かっている。研究チームが新型ウイルスのスパイクたんぱく質をACE2と結合させる実験を行ったところ、SARSより結合力が強く、人の細胞へのくっつきやすさが10~20倍強いことが分かった。新型ウイルスの感染が拡大する要因となっている可能性があると指摘している。
 この分子の働きを妨げる化合物が薬の候補になる。人の免疫システムに攻撃対象と覚えさせて発症を抑えるワクチンや、侵入を阻害する抗ウイルス薬の開発に広く利用されることが期待される。
 因みに、新聞記事より
 新型コロナウイルス(2019-nCoV/SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)を対象とした治療薬の開発が本格化してきた。米国立衛生研究所(NIH)は2020年2月25日、COVID-19を対象に、抗ウイルス薬である「レムデシビル」の医師主導治験を始めたと発表した。同治験は、NIH傘下の米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主導し、米Nebraska大学と協力して実施する。また、同治験などを補完する目的で、開発元の米Gilead Sciences社が企業治験(第3相臨床試験)を開始。日本もこれらの治験に加わる方針だ。現在、COVID-19に効果があると正式に認められた治療薬は無い。治験の結果次第では、レムデシビルがCOVID-19に対する治療薬として、世界で初めて承認される見込みとなった。
 ◆アメリカ国立アレルギー・感染症研究所
 アメリカ国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID; National Institute of Allergy and Infectious Diseases) は、アメリカ合衆国の国立衛生学研究所(NIH)を構成している27の研究所及びセンターの一つ。

 天気は晴れ。雲が少なく、雨は降りそうでない。でも、風は少々強い。
 今日も畑に行く。そろそろ、”ダリア”球根の植え付けを準備しなくては。
 畑の片隅で、黄色の花”クロッカス”が咲いている、”キバナサフラン”と呼ばれる。色々な花色の中で、生き残ったのは黄色い花である・・黄花品種は強いのかな。花被片が6枚、雄しべが3本、中央の雌しべは柱頭が糸状に3つに分かれている。
 ”クロッカス”は、アヤメ科クロッカス属の総称で、世界に75種程ある。園芸上、春咲き種をクロッカス、秋咲き種をサフランと呼ぶのが一般的のようだ。”サフラン”を秋咲きクロッカスと呼ぶこともある。
 キバナサフラン(英: crocus)
 学名:Crocus vernus
 アヤメ科サフラン属
 開花時期は2月~4月
 色々な花色の品種がある、黄・白・青・紫・藤など
 葉は細長く、真中に白い筋が入っている