まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

まだ蕾 雨に打たれる 菊花展

2013年10月20日 | たまには真剣な研究なども

 さぬき市地方は気圧の谷や湿った空気の影響で雲が広がり、雨が一日中降っていた。明日の21日は、高気圧に覆われて、概ね晴れる見込みらしい。今日の気温は16度から18度、湿度は92%から90%。肌寒い一日だった。風は1mから3mの北の風が少し。寒いと言うほどでもなかった。

 

 今日はさぬき市主催の「おへんろつかさ養成講座」の三回目。四国霊場86番札所の「志度寺」での実地研修。受講生22名とサポート・OB・OG・主催者が20名ほど。志度寺の山門で受付。

 

 今回は、お寺さんの都合で受付が10時からというので、塔頭の「自性院」に寄って、「平賀源内」さんのお墓を見学してきた。私はこういうお墓にお参りする習慣はない。ただの見学である。

 

 雨の中、OBさんの案内で境内の研修。「奪衣婆堂」と「五重塔」、「閻魔堂」の特別開帳を見学した。

 

 ここの閻魔さんは頭に十一面観音が乗っているという珍しいもの。奪衣婆とか閻魔とかいうものは真宗には見掛けないので、「ふむふむ・・」みたいな感触だった。

 

 その後は、バスで「真珠島」という所に移動して、「弁天さん」の秋祭りを見学した。志度寺には海女の玉取り伝説があって、面向不背の玉を取り返した海女が引き上げられた所ということで、志度寺さんがここで読経をし、お神輿を担いでにぎやかな祭だったというが、例に漏れず、担ぎ手がいなくなったのと雨のために御輿渡御はなし。

 

 こういうお堂に入って、真言宗のおつとめにも参加。一応のお経は読めるが、「般若理趣経」は難しすぎる。弁財天はインドの神さまらしいが、それが仏教に入って仏様になったというのだが、ここはお宮さん形式。聞けば、神仏混交時代からの名残で、お宮さんにお坊さんがお参りしてお経をあげてお神輿が出るという、なんともファジーな信仰だなぁと思った。

 

 12時丁度にお寺に戻って休憩。雨の中、お遍路さんがたくさんお参りに来ていた。お昼はパンとコーヒーがサービスされた。たまにはこうした食事もおいしいものか。

 

 書院に通されて眺める「無染庭」という枯山水のお庭。この中央の石が「真珠島」をイメージして作られたものだとか。海女の玉取伝説がここにも息づいている。

 

 これがその「海女の墓」といわれるもの。伝説では1、000基も作られたというが、凝灰岩でできているもので崩壊が激しく早急な対策が必要だとか・・・。いつ、崩れるか分からないので周囲に柵をして人が入れないようにしてある。

 

 午後からは、おへんろつかさの会の渡邊副会長が、志度寺縁起のうちの「海女の玉取り縁起図」の絵解きをしてくださった。こんな片田舎にしては立派な縁起図であった。

 

 その後、副住職の十河陽之助氏による講義があって、歴史や縁起のほか、四国霊場を世界遺産登録する手順などについて、内容の濃い講義になった。とりわけ、納得したことは、「あれはダメ、これは間違い」という考え方でなく、「こういう伝承がある」「こういう縁起がある」「こういう民俗伝承がある」という総論並記の考え方を持って欲しい・・・と言う言葉には大いに納得した。とかく、私たちはAかBかで判断して、ここはAだからBは間違いだと決めてかかってしまう。Aもいいし、Bもあるし、Cもあるぞ・・ということで学んでいかねばと思った。

 

 きょうの掲示板はこれ。「晴れた日と雨の日があって一つの花が咲くように 悲しみも苦しみもあって人生が深くなる」というもの。

 「悲しみの意味」

   冬があり夏があり
   昼と夜があり
   晴れた日と雨の日があって
   ひとつの花が咲くように

   悲しみも苦しみもあって
   私が私になっていく
                   星野富弘

 

じゃぁ、また、明日、会えるといいね。


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