天気 晴
昨日は、10日前には思ってもいなかった横浜DeNAベイスターズの日本シリーズ優勝に巡りあえた。生き延びて良かった~である。26年前は西武ライオンズ相手だったので、所沢の球場で見ることが出来た。あれから26年・・感慨深い。
帰ってきた主砲のホームランを見た時、今日は勝った!と確信した。
しかも一昨日は夫の命日だった。そして、考えると、生まれた時から「ジャイアンツフアンだった」野球少年で東京生まれ東京育ちの夫が、良く解らないうちにベイスターズフアンになっていったのも、26年前の優勝のあとからだった。
横浜の地には母の妹が住んでいたが、それ以外は縁もゆかりもない私が、中学生の頃から横浜フアンになったには深い訳が・・
と、それを語ると長くなるので省略。夫がなぜ「天下の巨人フアン」から私と同じマイナーなチームを応援するようになったかは、プライドがあるらしく自分からは何も言わなかった。でも少し解る。本人は詳しく語らかったものの、さすがに金積んで選手を集める・・という目に余る方針がイヤになったらしい。
さて、その夫が命日の翌日の早朝、つまり昨日、帰ってきた。
せめて夢にでも出てこないかなあ、と5年間ずっと思っていたが、一度も夢にすら現れなかった。もっとも、私は夢をあまり見ないので、そのせいもあるかもしれない。でも、亡兄姉は時々出てくるのに・・
登場した最初の場面はよく覚えていないが、紺のストライプのお気に入りのYシャツに相変わらずのジーンズを着ていた。乗っていた車は最後の愛車のトヨタ。車から降りて「これからロシアへ行ってくる」と言う。「何しに?」「ドライブするだけだよ」「私も行きたい」「帰りがいつになるか解らないから一人で行く」みたいなやりとりがあって、さっさと運転席に乗ってしまった。
「あ、ビザはいらないの?」と訊こうと思ったら、もう車は見えなかった。なぜか私はその時、(どうせ生きていないのだからビザなんか必要ないのかも)と思った。
目覚めてから、一緒に行かなくて良かった、とぞっとした。亡くなった人に着いていったらもう帰れなくなる、と言うらしい。昔、手術の最中に麻酔の眠りの中で亡母が手招きしていた。見たこともないような鮮やかなお花畑の中だった。追っても追っても母との距離は縮まらず・・
という話を亡長姉(当時は元気だった)にしたら、「着いていったら帰れなくなるのよ」と言われた。
多分夫は、私を迎えに来たのではなく、ベイスターズの優勝を見たかったのだろう。前回手に入れたシリーズ第三戦のチケットは西武ドームで、無論夫と見に行く筈が、雨天順延になり夫の遠距離出張と重なってしまい、夫は見損なったのだ。
どんな事情が彼の世にあったのかは知らないが、まだ運転免許は返納していかったので彼の世まで持たせた。正解だったかも。
忘れゆく思ひ出増えぬ鰯雲 KUMI