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シリア/慈善団体寄付金がテロリストへ?

2013年10月05日 11時53分50秒 | 日記

英の慈善団体機構(Charity Commission)によれば、難民キャンプに収容されている主として子供たち向けとい目的で送られた慈善団体からの募金の一部が、疑いもなく過激組織に渡っているという。英国赤十字を含む14の慈善団体で構成されるDEC(Disaster Emergency Committee)が始めたシリア難民救済募金Syria Crisis Appeal fundsの総額はこれまでに2000万ポンド(約30億円)に上る。

現在のシリアの状況では慈善団体からの支援金が実際どのように配分されているかを確かめる術はないが、Charity Commissionは各慈善団体に対してテロリストに資金が渡る可能性があるとの警告を行っている。受取人を確認してテロリストにカネが渡らないようにすべきだとしているが、現地の受け入れ窓口に過激派が潜り込んでいたり、もっと悪質なケースでは、テロリストが受け入れ組織を設立している可能性もあり、これらを完全に排除することは不可能だと言う。

DECが調達した募金総額2000万ポンドのうち、960万ポンドは慈善団体により支払われ、1040万ポンドがシリアの受け入れ窓口に支払われている。また、シリア難民救済募金では最初の3か月で129,000人が援助を受け取っている。このうち、80%はシリア国内に居住している。

慈善団体からの支援の一部が過激派の資金源になっていることはつとに知られており、問題は、それをどのようにして最小限に抑えるかという事だろう。そのためには各国情報当局間の連携が欠かせない。時として慈善団体は国家機関と距離を置こうとすることがあるが、過激派各勢力入り乱れてのシリア内戦においては、そのような考えは過激派テロリストを利するだけとなる。

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