イスタンブールは西洋と東洋の架け橋と自賛しているが、昨日開通したMarmaray Link(マルマラ鉄道)プロジェクトのトンネルによりこの2つは文字通り一つに結ばれた。このトンネルは地震の多いこの国の事情を考慮して、マグニチュード9.0までの地震に耐えられるように設計されている。なお、日本とトルコのこの共同プロジェクトは遺跡の発見(出土した4万点に及ぶ古代の工芸品により、イスタンブールの歴史はそれまでより2500年も古い、今から8500年前まで遡ることが出来た)などで当初計画より完成が4年遅れたが、そのおかげで開通式に参加できるとは、安倍首相はよくよく運の良い人である。
東京と2020年の五輪開催都市を争ったイスタンブールだが、今回の鉄道開通により、インフラおよび国家経済の飛躍的な発展が期待できるのではないか。EU加盟がはるかに遠のいた現状、やはり東西の接点にある国として独自の道を歩むのが至当だろう。最初にイスタンブールを訪れたのは1988年だったからもう四半世紀も前のことになる。バハレーンに移動する際、イスタンブール空港で絨毯商からトルコ絨毯を強烈に売りこまれたことを思い出した。その時遂に根負けして購入した絨毯は今でもその鮮やかな色調を保っている。