バングラデシュで主に女性を対象に超小口の起業資金を融資(”マイクロファイナンスあるいはマイクロクレジット)するグラミン銀行が政府と、イスラム教を背景とする政党により組成されたデモ隊とにより、攻撃対象となっている。2006年ノーベル平和賞を受賞したこのマイクロファイナンスの創始者で経済学者でもあるMuhammad Yunus はすでに政府によって金融事業から追放されている。
あたかも大阪辺りで横行している貧困ビジネスと同じ、というマイクロファイナンスに対する非難は、全く当たらない。億円単位の濡れ手に粟の報酬をかすめ取っている銀行の役員が、銀行と大口取引先のために一般預金者から搾取するのとは異なり、マイクロファイナンスのカネは零細貧困層のなかで循環しているので、たとえ無担保融資で30%の利息を取ろうとも、持続可能なシステムなことは明らかだ。一般銀行とは棲み分けの違いしかないにもかかわらず、金融資本が過剰反応しているだけの話だ。
5000万人のバングラデシュの利用者が、一部銀行の私欲のためにせっかく手に入れた一つの機会を取り上げられることのない様に望みたい。むしろ、この際、バングラデシュ政府の理不尽な弾圧に日本をはじめ世界の金融機関は声を上げるべきだろう。