つい先日、線路に倒れこんだ男性を助けようとして命を落とした神奈川県の女性の勇気が話題になったが、たまたまBBCの電子版を見ていたら、1996年米国ミシガン州で10代の黒人女性ケイシャ・トーマスが、白人至上主義をとなえるKKKのメンバーとみられる白人の男がKKKに反対するデモ隊に追われ、転倒して群衆から棍棒で殴られるところをこの男の上に覆いかぶさり文字通り体を張って助けたという話が掲載されていた。殺気立った群衆心理を考えれば、このような場面で男を救う事には尋常ではない勇気がいる。さらに言えば、救おうとした相手は白人以外を蔑視する、許しがたい思想の持ち主である。
もちろん彼女の行為は人道的あるいは博愛(非暴力)主義として高く賞賛された。また、後日、この男の息子がコーヒーショップで彼女に謝意を表したと言う話だ。この記事は、ケイシャの勇気と博愛はいまでも人々に感銘を与えているということで締めくくっている。
神奈川県の女性の場合は自らの命を犠牲にしてまで命を助けたことでは真に勇気ある行動だと改めて感じないわけにはいかない。そしてこのような行為が永く記憶され、ますます非寛容になりつつある現代に人間性を取り戻させる契機としなければならないと思う。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-24653643