アップルが個人向け販売立て直しのため、バーバリーのCEOを、新設する上級副社長で社長のテイム・クックの直属の部下として招聘することになった。インディアナ州出身のアンジェラ・アーレンツ Angela Ahrendts は、2006年からCEOとしてバーバリーの老舗高級衣料品としてのブランド価値を回復した実績をもつ。早ければ来年春から、最近の新製品で苦戦の続くアップル製品のシェア回復及び、さらに重要な使命だが、アップルのブランド強化を受け持つことになる。
アンジェラがバーバリーで成し遂げたのは、あまりに大衆的になりすぎて金持ちが購入をためらうようになったバーバリーというブランドを、店内改装と販売戦略の見直しによって、再び金持ちを引き付ける最高級の、かつ、他を寄せ付けないブランドとしての輝きを取り戻したことだった。したがって、アップルにおいてもかつてのような独特の魅力をもったブランドとして、最廉価版のiPhoneのような商品においても他の商品との差別感を出すことにある。
前の販売担当者によって、アップルは大衆を相手とする市場に参入した結果、あまりに一般的なブランドに変容してしまった。すなわち、過剰に露出することによるアップルのブランドイメージの低下をいかに食い止めるかが今や喫緊の課題となっている。アップルのブランドイメージとして、「手の届くところにありながら、依然進化しようとしている」ことを如何に確立するかが今求められているのだ。 アンジェラによってアップルがふたたび革新的で野心的なブランドとして復活できるのか、その手腕が見ものだ。