缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

S&W® チリビーンズ

2004-07-10 13:56:58 | インポート
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 今回もまた、スタンダードな缶詰さんがいらっしゃった。チリビーンズである。
 アウトドア生活を愛するお方なら、一度は食べるやっつけ料理。それも西部劇やカウボーイといった何か男っぽい雰囲気を楽しめる料理だ。
 この缶詰を暖めて食べるだけでクリント・イーストウッドになったような錯覚を味わえる。さらに上級志向の御仁には“鉄のフライパン”によって焚き火直火で暖め、“スプーンで直接すくって食べる”方法をオススメする。こうなるとジョン・ウエインの世界も堪能出来ること請け合いである。
 ただし、全て妄想であるが。

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 かくのごとし。乱雑なる男の一人暮らしの一コマであるが、お目汚しにどうぞ。豆だけじゃあ味気ないかなと冷蔵庫に転がっていたズッキーニさんを輪切りなで切りにした。この時点でワイルドなカウボーイとはとても言えないことに気づき、被っていたテンガロンハットを投げ捨ててブーツをゴミ箱に放り込んだ。
 こちらは無論、ジョン・ヴォイトの真似である。
 このS&W CHILLI BEANSの内容物はうずら豆、トマトペースト、砂糖、食塩、チリペッパー、玉ねぎなどであった。439gの量。冷蔵庫を買ったとはいえ、またしても一気に開けてしまった大バカものである。おかげで昼、夕、夜食と全てうずら豆であった。

 こいつにブタさんを入れるとそれは即ちポーク&ビーンズになる。調理中ちら~りとそんな甘い誘惑があったのだが、ここは缶詰ブログだ。ポーク&ビーンズはちゃあんとそういう缶詰さんがあるのである。そいつを紹介すればいいのである。
 ちなみにチリビーンズもポーク&ビーンズも、こういうたぐいの缶詰の味付けは必ず甘い。どこの国産でも、どのメーカーでも、必ずそうなのだ。だから赤唐辛子を入れてやらないと途中で甘さにうんざりすることになる。これは缶詰ブログ管理人として断言しておきますぞ。

 こいつは『**国境を越えて**』「pork & beans」~にトラックバック。


リビーコンビーフ

2004-06-29 00:13:52 | インポート
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 今回は大変にメジャーな缶詰さんにご登場いただいた。コンビーフーcorned beefである。cornedとは塩漬けという意味。片岡義男に影響を受けた世代のお方はキチンとコーンド・ビーフと発音するのも宜しいと思うが、英語でも単にcorn beefという言い方が存在する。

 今回はブラジル産、Libby社のものであった。毎度お馴染み近所の大丸ピーコックで340g缶が何と今月のお買い得価格で315円。そこを更に10%offで283円。国産のK&Kニューコンビーフも真っ青の安値で購入したものだ。ちなみに『ニューコンビーフ』は牛肉と馬肉をミックスした独特の風味で、この製法のものはニューコンビーフと明記することが義務づけられているらしい。 
 とにかく安くあげようと画策している私にとって、国産超高級品のノザキのコンビーフなんか一生買うことはないのかもしれない。一抹の寂しさを憶えるが、ごく平凡に生きてきたことがあるいは幸せと言えるのかも知れない。思えば実にいい人生であった。合掌。 

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 デジカメさんがまだお戻りにならないので、携帯電話のカメラを使用した。それにしても、コンビーフに付属する愛すべきくるくる切りの道具、巻取鍵はいつ使っても楽しいものだ。子供の頃は使用した後にもらい受け、大事に宝箱に仕舞っておいたものである。デザイン上も鍵の形を意識して作られたに違いないこの巻取鍵を使った開け心地は、全缶詰さんの中でもトップに君臨するほどの悦楽を伴うものであろう。そしてなぜか“豊かな国、米国”、“いつでも肉が食べられる国、米国”というトンチンカンな発想まで甦ってくる。コンビーフは元々米国のご出身である。

 この料理方法は、知人に教わったペンネ料理をアレンジしたものだ。コンビーフを炒めたのちにリコッタチーズ(Ricotta)を加えてさらに加熱し、最後にイタリアンパセリを散らしたところにアルデンテさんのペンネを絡ませている。胡椒、オレガノ、バジルも始めに加えてある。コンビーフの塩気があるのでハーブとスパイスだけで充分であった。またリコッタチーズは個人的に好きなので、最後に上にも盛りつけてみた。
 しかし一口頬張ってみると、やや調理を失敗したのが分かった。コンビーフをもっと炒めるべきであったのだ。一寸カリカリになりそうだぞ、というところまで炒めると、脂っこい匂いがとれてうっとりと香ばしいものになるのである。また今回は手元になかったのだが、ペパーミントを少々加えたほうが良かったと思う。リコッタに合うはずだ。

 コンビーフは肉をボイルしたのちに細かくほぐして、そこに少々のブロックも加えて缶に詰められる。加熱しても赤色を保てるように、発色剤として亜硝酸Naが添加されているのだが、この残存量は食品衛生法で定められた70ppm以下という数値のさらに1/14から1/5という量であるらしい。これが胃の中でアミン類と反応してニトロソアミンを生成し、これが発ガン性があるという説もあるのだが、実際の残存量から勘案すると今のところ大丈夫らしい(参考資料(社)日本缶詰協会)。

 そしてまたまた大量に作ってしまったが、今回からは悩むことなどない。昨日我が家には冷蔵庫さんがやってきたのである。これで臆することなくどんどん缶詰さんを開けていけるのである。現在冷蔵庫さんの中はスッカラカンだが、近い将来は食べ残した缶詰の中身で満たされることだろう。
 思えば実にいい人生を歩んでいるようである。ブログ仲間のみなさんに多謝多謝なのである。合掌。
 
 


パルミット

2004-06-18 16:20:24 | インポート
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 今回はパルミットだ。これは椰子の芯の柔らかい部分。コロンビア産である。椰子と言えばやはり子供の頃に夢見た南の島を連想してしまう。どこの国とは限定しがたいがやはり「ばななんばななん♪」といった歌が唇から自然と流れ出るのを止めることが出来ない。
 ところで二、三日前にデジカメさん(ニコンCOOLPIX885)が一部壊れてしまった。ホワイトバランスとかを調整出来なくなったのだ。使えないわけではないが、所謂バカチョンさんになってしまった。このブログは食べ物を撮るわけだから、なかなか厳しい状況だ。それ以前に私はカメラの腕がへっぽこなので、今回以降はあまり美味そうに撮れないかも知れない。ステレオからもなぜか『亡き王女のためのパヴァーヌ』が悲しく切なく流れ、明るく楽しい「ばななん♪」は消え去った。合掌。

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 かくのごとし。これは今時珍しい紙ラベル巻き缶詰だ。前号でこの紙ラベルが海水で破れてしまったイギリス青年の航海記をご紹介させていただいたが、ここでもう一つ、あるマンガを想い出したのである。『少年アシベ』という愛らしいゴマフアザラシの子供と少年のお話だ。こちらではある凶暴な小鳥が缶詰の紙ラベルをみんな剥がしてしまういたずらをしたエピソードがあった。あの大変な人気を誇ったマンガも奥付を見ると第一刷が89年とある。前世紀のものである。こうして時代は巡る。

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 輪切りにする。大変に柔らかく、縦方向の繊維にそってどんどんほぐれていく。ちょいとつまむと食感は貝柱に似ている。歯触りがいいのである。アーティチョークの水煮と同じく食塩とクエン酸を使用しているのでやや酸味があってしょっぱい。少しの間水に浸しておくことにする。
 それにしても今日は暑い。画像で少しだけ底部の見えている『銀河高原ビール』が早く飲みたくて調理と撮影を急ぎ、部屋の中をむやみに水浸しにしている。誰も見ている者がないのが嬉しい。

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 湯剥きトマト一個乱切り(というのか? テキトーカット)、半額だったマリボーチーズそぎ切りとともに輪切り終了したパルミットを器に入れて、純玄米酢とエキストラバージンオリーブオイルを垂らす。黒胡椒を挽いて、塩を軽く一振り。これはトマトとモッツァレラチーズのサラダのときによくやるドレッシングだ。写真を撮ってから大きく一口。なかなか美味い。パルミットの酸味が酢で打ち消されて良かったようである。定番のドレッシングがあれば怖いものはないのである。嬉しくてばくばくと犬食いする。やや腹が膨れてきたところで突然ビールがあったことを想い出した。すっかりぬるくなったビールをグラスに注ぐと泡だらけである。誰も見ている者がないのが嬉しい。

 ちなみにこういう古いタイプの缶詰には、上下に数字がやや乱暴に印刷されている。今回は上面に“281102”、底面に“281105”だった。上面が製造年月日で、02年11月28日(反対に読んでいく)、底面が賞味期限で同じく05年11月28日ということになる。

 ビールがぬるくて苦い。せっかく高級ビールだったのになあ。少しやけになりイッキ飲みしてみると実はそんなにビールが得意ではなかったことに気付いた。胸元にだらだらとこぼしてうなだれる。誰も見ていないのが本当に嬉しい。
 
追記:初トラックバックが嬉しくて反射衛星トラックバックを撃つのである。パルミット繋がりの出来た『チャイディーな世界』“パルミット”~なのである。
 


アーティチョーク・ハート

2004-06-14 20:36:47 | インポート
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 当初は、アクセス解析を眺めて「わははは誰も来ないではないか!」と笑っていたこのブログだが...。
 ここ最近は、笑顔も凍りつきココロ穏やかではなくなってきた。やはり誰にも読んでもらえないのは、さむしいものである。
 このままでは私は、一方的に人間不信を抱く、迷惑千万な人間になるやも知れぬ。健康な社会人としてそれは許されないであろう。
 従って今回も、やはりトラックバックをやってみるのである。日本沈没地図の『地元でしか食べられない~』というやつだ。
 我が缶詰さんたちは、どこが地元なのか見極めるのが困難なお方々である。しかしそいつを開けて食う段階ではこの家(事務所)でしか食べられない味には違いない。妙なトラックバックは本家ブログでいつもやっているコトだ。

 これはサンヨーという会社で出しているアーティチョークの水煮の缶詰である。
 “ハート”というのは、“芯の部分”という意味らしい。
 アーティチョークはあざみの一種で、その蕾を食するのである。新鮮なやつを食べると、少~し昆虫の匂いがする。と私は感ずる。無論、嫌な匂いではない。
 缶側面の記述によると、“地中海沿岸原産のものを使用”とある。
 沿岸と言われても、いったいどのあたりを思い起こせばいいのか判然としない。
 が、しかし、なんたって地中海である。ロマンチックである。
 筆者の頭の中では、若かりし頃のジュディ・オングが頭の中で歌い始めたのである。だが、缶正面にある“業務用”という文字に、うたかたの夢を破られた。
 私は、幼少の頃からこの“業務用”という文字にヨワい。何か、これを購入するというだけで
「私はプロフェッショナル」
「腕のいい職人である」
「トーシロじゃないぜ、ナメんなよ」
という意識が生まれるのである。
 いつもの大丸ピーコックで、買い物カゴに放り込んだ段階で、高らかに顔を上げ小鼻もふくらむのだ。
 私は恥ずかしい。


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かくのごとし たっぷりと水溶液に浸っている


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 今日はお料理風景を撮ってみた。
 ゴツいナイフが写っているのだが、決して猟奇的な趣味を持っているわけではないので安心されたい。
 独り暮らしである私の住まいには、調理用具が揃っていないのである。何となれば、ほとんどキャンプ道具でまかなっているのだ。
 アーティチョークは歯触りがいいものなので、大きく切ってみた。ちょいとつまむと、けっこうしょっぱくて酸味もある。
 酢を使ったドレッシングは、やめておこうか知らん。


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 ゆで卵をトントン切ってバラまいた。茹でたホワイトアスパラと同じ食べ方である。
 何でもイタリアでは、アスパラは殿方のスタミナの元だそうである。アーティチョークじゃダメだろうか。
 いや、よしんばその方面のスタミナをつけても、だ。
 独身の私はテレビを観て本を読んで、あとは寝てしまうだけである。特に必要性は認められない。かも知れぬ。
 エクストラバージン・オリーブオイルをたらりとやり、胡椒を挽くと、実に美味である。この一皿で、缶400g(固形量240g)の1/3の量である。
「1缶375円だったから、これが125円分で卵は1個が・・・」
 毎度のことだが、こうしてコストパフォーマンスを考えながら食するとまた美味さがUPする。
 UPはするのだが...。
 私は恥ずかしい。


SPAM®

2004-06-10 21:50:37 | インポート

 ひっそりと書いていこうと思っていたのだが、寂しさに耐えられずに『catpaw』“SPAM料理その1”~にトラックバックしてしまうのである。
 まだ2回目というのに、早くも先行きがあやしいブログなのである。

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 本日はスパムだ。昨今はコンピューターウィルスのほうが大活躍をされているようだが、こちらはれっきとした缶詰食品のスパムである(語源は一緒らしい)。
 何でもハワイ料理にはしばしばご登場するらしいが、私はワイハーなぞ行ったことがないから分からない。南国といえば、熱海か伊東だと信じている。そして伊東に行くなら当然ハ・ト・ヤ♪である。
 2回目からこんな豪奢な米国産の缶詰に登場してもらい、現在やや軽い眩暈を感じている。正直に申せば、倒れそうな気もする。
 というのも、ご存じの方はご存じの通り(当たり前だ)、この缶詰は値段が高いのだ。私は地元の大丸ピーコックで通常680円のところを“今月のお買い得”で628円に下がり、さらには明日まで期間限定の“お客様感謝ウィーク”で10%offの565円まで下がったところで購入したのであった。こういうときしか買えない、高級逸材だ。
 だがしかし、缶詰一つの購入によって、手軽に南国の雰囲気を感じることも出来るわけだ。これが缶詰さんの素晴らしいところだ。
 このブログでは、海外の缶詰も積極的にご紹介していこうと決意した。

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 かくのごとし。
 プルタブによる開封方式は、やはり手軽でいい。密封されていた金属を、指の力だけで開けていく行為には、不思議な魅力もあるのである。
 その昔、ガラス入りアンプルを指でパキリと折ったときの感覚とも似ている。ような気がする。
 匂いは若干のレバーペースト臭がある。蓋についた脂を舐めてみると、大変に濃厚な味。
 これこそ、ぶーちゃんの旨みだろうか。

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 スパムというのはハイカロリー&ハイファット製品。そして塩分も多いのだ。
(今回はレスソルトバージョンで、通常のものより60%カットされている)。
 そのまま頬張ってみると、かなり塩辛い。こいつをフライパンで、焦げ目がつくまで焼いてみた。黒胡椒を挽いたほうがいいと思う。
 こうして、サンドイッチをこしらえるのが一般的であるらしい。
 調理に用いるのは、焼くときの油と胡椒、それだけ。間違ってもショーユなぞぶっかけてはならない。本当にしょっぱくなって食えなくなるからだ。
 ところで、都内のカフェでは、こんな感じのスパムサンドイッチを供するところが増えた。
 しかし供すると言ったって、これ一品で600円は取る。実際に使っているハムの量は、缶全体の1/8くらいなのだ(340g缶)。
 そうすると、今の私は4800円分ものスパムサンドイッチが作れるはずである。すごい量である。ちょいとその、商売が出来るかもしれない。
 そうやって卑しく考えながら食すると、より美味に有り難くいただけるものである。ちなみにパンはパスコ製。サラダ菜は千葉東金のご出身であった。



追1:先日の第1回用に開けた「さば水煮」は、今日の夕飯時まで残っていた。つまり本日の晩飯もさば君だったわけだ。そうして記事を書くためにスパムを開けてお料理してしまった。美味かったからいいようなものの、明日以降はよくよく考えなければならないであろう。
追2:素晴らしき料理人の『にしかはのつれづれなるままに』“SPAM”
『ぽんすけ日記』“わしたポーク(今日だけ缶詰ブログ)”~にもトラックバック♪