缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

ニチロ いわしみそ味

2004-08-25 19:41:06 | インポート
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 本日は一寸モダンな缶詰さん。カラフルなデザインのパッケージといい、プルトップ開閉といい、さすが現代の缶詰さんである。側面には「1缶(100g)分の含有量 DHA1,200mg EPA2,000mg」なぞという表記もある。
 しかし本題の前にニチロという会社について少し触れさせていただきたいのである。というのもホームページの会社沿革をふんふん眺めていると、こんな記述があったのだ。

『1913年(大正2年)~その後、現在のロシアに缶詰工場を増設し、サケの漁獲時期に稼動生産した。イギリス輸出用には「day break(闇をやぶる)brand」を使用していた』
『1945年(昭和20年)~第二次世界大戦敗戦により、国外資産すべてを失う』
 原文のまま一部を抜粋

 ああ、何という激動の歩みだろうか。カンナン辛苦を乗り越えて、である。カンナン汝を玉にす、である。会社にも歴史ありと言わねばならない。ちなみにニチロというのは“日露”だとずうっと思いこんでいたのだが、実は“日魯”だった。そこが知りたくて沿革を読んでいたのだった。

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 かくのごとし。けっこう太ったイワシさんが2尾、自身の脂と味噌だれに漬かって収まっている。味付けはやはり濃いめだが魚の風味も失われていない。甘めの味噌はイワシさんに良く合うようだ。ここに一味をたっぷり振りかけると、熱々のごはんにぴったりである。
 同じシリーズでしょうゆ味というのもある。味噌味と比べると一寸物足りなく感じることもあるが、しょうがなんぞを添えるとなかなかいいものである。どっちもあるのが一番好ましいシチュエーションだろう。
 今回は爽やかでモダンなパッケージの向こうに、日本企業の底力、揺るぎない自信というものを垣間見た気がする。合掌。

原材料名:いわし、みそ、砂糖、食塩、増粘剤(グァー)
固形量:70g
内容総量:100g
原産国:日本
追:グァーというのはマメ科の植物で、その胚乳を粉状にするらしいです


マリアーノさんのアンチョビ

2004-08-17 20:34:56 | インポート
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 今回は瓶詰さんの初登場である。缶詰さんと同じ詰め詰め仲間として、こちらの分野も積極的にご紹介していきたいと思う。幸い、いつもお世話になっている社団法人日本缶詰協会さんでも、缶詰さんと同等の立場で瓶詰さんを扱っているようだ。大変に心強いではないか。

『マリアーノさんのアンチョビ』とは商品名である。日本語表記のシールに書いてあるのだ。「素敵ヽ(´▽`)ノ」とため息を漏らさねばならないだろう。「キュートね ヽ(´ー`)ノ」と身悶えねばならないだろう。イタリアはシシリーからお越し頂いたのだが、シシリーといえば“マフィアの発祥地”と私は思いこんでいた。マリオ・プーゾのゴッド・ファーザーしか知らないのである。「マイコー、あんたは兄弟を殺したのよ!」と若きタリア・シャイアが叫んでいるのである。どうもイメージが違うようだ。
 

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 かくのごとし。屈折させられたところを広げてみると、1尾が約8センチほど。こいつが12、3尾入っている。80gで418円であった。
 この丸ごとアンチョビはペースト商品よりも塩っ気が強くて味も濃いようだ。香りも芳醇で食欲をそそる。間違いなく一級品である。
 ピュアオリーブオイルとバターを1:2の割合でフライパンに落とし、それで焦がさないようにニンニクとアンチョビを熱するソースがある。どこで教わったのかすっかり忘れてしまったが、これは茹でたブロッコリーや人参などの温野菜にかけて食すると実に美味いものである。アンチョビは菜箸でつっついているとやがて細かく溶ける。最後に黒胡椒を挽いて味を引き締めて完成。とても簡単で応用範囲も広いのでオススメである。

 ところでこのマリアーノさん、蓋が大変に華奢でいらっしゃる。力を込めて握ったら潰れてしまうほどの薄い金属で出来ているのだ。だからネジ溝を切ってあってもキチンとは閉まらない。ひっくり返したら中のひまわり油がもれてしまう。とても21世紀の製品とは思えない。
 じわじわと“マフィアのシシリー”というイメージが覆されていく。おまけにラベルをよおく眺めたら

alici200.jpg こんなことに

 嗚呼、何と木訥な手法で描かれた絵画であろうか。この二人は親子か、あるいは『老人と海』のようにおじいさんと孫か。持ち帰れるのか心配なほどの大漁だ。というかすでに手前にはみ出でている。しかし若者はおっぺけぺ純朴そうな笑顔でこちらを見詰めている。ご老人も呆けた充足しきった微笑みである。このように激しく魂を揺さぶる作品を私はこれまで観たことがなかった。
 やはりシシリーは油断出来ない。合掌。

内容量:80g
原材料名:かたくちイワシ、向日葵油、塩
原産国:イタリア


Norda® にしんペッパークリーム

2004-08-05 20:42:25 | インポート
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 今日はお魚缶詰さん。ドイツのノルダというところで作っているものである。
 余談だが(文頭から余談かね)、先日テレビ東京ワールドビジネスサテライトで、今年が缶詰生誕200年ということで少しだけ缶詰さんを取り上げて下さった。大変に喜ばしく拝見させていただいたのである。缶詰ブログ管理人としてはこれからますます缶詰さんが市井の人々にとって身近で頼もしい存在になってくれることを願うばかりだ。
注:テレ東さんは8月5日に東証1部に上場したそうである。すごいのである。赤葡萄酒で祝杯をあげるのだ(これを便乗という)。

 

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 かくのごとし。ちょいとペッパークリームというのを舐めてみたら、大変に濃厚でゴージャスなお味。そのためピンクペッパーを散らして大葉を敷いた。葡萄酒はキック力のあるキャンティがいいだろう。もっとも赤葡萄酒といえばキャンティしか知らないのだが。
 魚の缶詰は脂が抜けていてぱさぱさしたものが多い。煮て調理しているからだろうか。
 しかしこのにしんは美味い。脂も乗っているし、クリームがまたとてつもなく濃くてうまく絡んでいるのだ。一寸この季節には不相応なのだが、ボディのしっかりしたキャンティには良く合う。
 内容量は114gで、にしんが5尾入っていた。一度には食べ切れない量である。さすがゲルマン、太っ腹だ(これを短絡という)。

原材料:にしん、植物油脂、クリーム、トマト、パプリカ、香辛料、砂糖、醸造酢、食塩、生クリーム、卵黄、加工でんぷん、乳たんぱく、香料
原産国:ドイツ 


ヘナフ 鴨のムース

2004-07-23 23:55:15 | インポート
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 今回は一寸珍しいものが手に入った。Henaff® MOUSSE DE CANARDというフランス産の缶詰で、鴨のムースだそうである。
 こんな缶詰を入手すると、缶詰ブログをやっていて本当に良かったと思う。フランス料理なぞ縁のない筆者も、セーヌ川左岸に住むゲージツ家の気分になれるのだ。

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 かくのごとし。ずいぶん盛りがいい。というか、開缶した途端はみ出してますけど。
 見た目がどうもこの、食品とは正反対のシロモノにも見える。
 勇気を出して(?)ナイフですくい、舐めてみる。
 むっ...。甘さやら塩っ気やら、やたらと味が濃い。原材料を見ると
~豚脂、鴨レバー、牛乳、鶏レバー、鴨脂、食塩、ポートワイン、砂糖、香辛料、発色剤(亜硝酸Na)~
 とある。ポートワインの香りあくまでもキツく、砂糖はふんだんに使用しているようである。さて、こいつは困った。

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 軽くパンが焼けたところでムースを塗って、さらに加熱。要するにムースを炙ってみたのである。
 黒胡椒をたっぷりと挽いて食してみると、まあまあイケる。
 ついでにBest Foodsというところのサンドイッチスプレッドを塗ってみた。タルタルソースみたいなやつなのだが、濃い味同志で打ち消し合って、さっきよりは良い。ゲージツ家には奇抜な発想も必要とされるのだ。
 


レバー・パテ

2004-07-14 18:46:08 | インポート
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 ついに梅雨も明けた。もっとも明ける前から明けていたような、あるいは最初から梅雨なぞなかったかのような今年の夏である。ここ芝浦でも毎日セミさんが鳴くようになった。
 連日の猛暑に私もヤラレてしまい、一度に食べる量がめっきり減った。少し食べては息をつき、少し経ったらまた食べるのだ。やはり祖先はネコか知らんと想像しながらも夏バテせぬように苦労して食べ続ける。こんなときにはパン食が都合がいいのだ。そこで今回は、ノルウェーはStabburet社の『GREEN PEPPERCORN PATE』を開封することにした。ブタさんのレバー、いわゆるレバー・ペーストの缶詰である。原材料はポーク、ポークレバー、スターチ、オニオン、トマトピューレ、スパイス、塩、砂糖、亜硝酸Na(発色剤)、アミノ酸であった。

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 かくのごとし。ソーセージ屋さんで売っている瓶詰めレバー・ペーストと変わらない味だ。上記材料を見るともっと複雑な味がするかと思ったが、やはりレバーは相当お強いお方のようである。オニオンの匂いはさほど感じられないし、トマトピューレが入っているなんて想像も出来ない。もっとも舌触りとか色合いに必要なものかも知らん。商品名のグリーンペッパーもしっかりとレバー味に浸透されて歯ごたえしか残っていないので、黒胡椒をたっぷりと挽いて食した。これもやはり通常のレバー・ペーストと同じ味わい方となったのである。
 ちなみにこれ一缶で100g、三分の一ほどパンに塗りつけて食したところで満腹になった。こいつは別容器に移すのが面倒だなあと思っていると(柔らかいパテだから)、缶側面に「開封後はラップして保存」と書いてあった。宜しい、実に宜しい。
 こんな缶詰さんとパン、水だけを持って、近郊の低山一泊旅行に行きたいなあと思った。いよいよ本格的に夏が始まったのである。