缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

マリアーノさんのアンチョビ

2004-08-17 20:34:56 | インポート
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 今回は瓶詰さんの初登場である。缶詰さんと同じ詰め詰め仲間として、こちらの分野も積極的にご紹介していきたいと思う。幸い、いつもお世話になっている社団法人日本缶詰協会さんでも、缶詰さんと同等の立場で瓶詰さんを扱っているようだ。大変に心強いではないか。

『マリアーノさんのアンチョビ』とは商品名である。日本語表記のシールに書いてあるのだ。「素敵ヽ(´▽`)ノ」とため息を漏らさねばならないだろう。「キュートね ヽ(´ー`)ノ」と身悶えねばならないだろう。イタリアはシシリーからお越し頂いたのだが、シシリーといえば“マフィアの発祥地”と私は思いこんでいた。マリオ・プーゾのゴッド・ファーザーしか知らないのである。「マイコー、あんたは兄弟を殺したのよ!」と若きタリア・シャイアが叫んでいるのである。どうもイメージが違うようだ。
 

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 かくのごとし。屈折させられたところを広げてみると、1尾が約8センチほど。こいつが12、3尾入っている。80gで418円であった。
 この丸ごとアンチョビはペースト商品よりも塩っ気が強くて味も濃いようだ。香りも芳醇で食欲をそそる。間違いなく一級品である。
 ピュアオリーブオイルとバターを1:2の割合でフライパンに落とし、それで焦がさないようにニンニクとアンチョビを熱するソースがある。どこで教わったのかすっかり忘れてしまったが、これは茹でたブロッコリーや人参などの温野菜にかけて食すると実に美味いものである。アンチョビは菜箸でつっついているとやがて細かく溶ける。最後に黒胡椒を挽いて味を引き締めて完成。とても簡単で応用範囲も広いのでオススメである。

 ところでこのマリアーノさん、蓋が大変に華奢でいらっしゃる。力を込めて握ったら潰れてしまうほどの薄い金属で出来ているのだ。だからネジ溝を切ってあってもキチンとは閉まらない。ひっくり返したら中のひまわり油がもれてしまう。とても21世紀の製品とは思えない。
 じわじわと“マフィアのシシリー”というイメージが覆されていく。おまけにラベルをよおく眺めたら

alici200.jpg こんなことに

 嗚呼、何と木訥な手法で描かれた絵画であろうか。この二人は親子か、あるいは『老人と海』のようにおじいさんと孫か。持ち帰れるのか心配なほどの大漁だ。というかすでに手前にはみ出でている。しかし若者はおっぺけぺ純朴そうな笑顔でこちらを見詰めている。ご老人も呆けた充足しきった微笑みである。このように激しく魂を揺さぶる作品を私はこれまで観たことがなかった。
 やはりシシリーは油断出来ない。合掌。

内容量:80g
原材料名:かたくちイワシ、向日葵油、塩
原産国:イタリア