今回は自分で瓶詰を作ることについて考察してみよう。“学研の科学”風の楽しい実験になること請け合いだ。
まずは瓶。BORMIOLI社は傘下にフランスのデュラレックス社などを持つキッチンウエアの大企業。カラフやグラスなどでもおなじみだが、ここで出しているジャーが堅牢で使いやすい。
ガラスジャーでの保存の歴史は大変古く、冷蔵庫がない時代から重宝されてきた。熱い料理を入れて密封すると常温でも数週間、ものによっては数ヶ月の保存が可能なのだ。その驚異の仕組みは使い方にある。まずは瓶と蓋を熱湯で殺菌しよう。
煮立てることはない。沸騰した湯を上からかけてもOKだ。注意すべきは瓶の内側、蓋の内側をまんべんなく殺菌してやること。そして自然乾燥させたのちに熱々の料理を入れ、蓋をきっちりと閉める。あとは室温で徐々に冷めていくのを待つのだ。やがて中の空気は冷えて収縮し、金属で出来た蓋の真ん中がへこむ。この内外の気圧差が高い密閉作用を作り出すのだ。だから蓋を開けるときにはペコッと小気味良い音がする。こうしておくと缶詰と同じで、非常に長い期間の保存が可能だ。ただし一度開けたら食べきること。
酢漬けのピクルスやゆで卵ならば、何度も開け閉めしても大丈夫。いろんな大きさのジャーに食品を入れて並べておくと楽しいキッチンになるだろう。
ちなみに一番上の画像を良く眺めていただきたい。蓋が盛り上がっているのがお分かりだろうか。これは使い方を失敗した例なのだ。中身はキムチ。良かれと思って入れてみたら、キムチは生きて発酵し続ける食品だから、中の空気が膨張してしまったのだ。さしものボルミオリさんも発酵パワーに負けて蓋が歪んでしまった。恐るべしキムチパワー!
教訓:発酵食品は密閉容器に入れないこと♪