読者諸賢よ!
ここに、一つの物議をかもした缶詰さんを、紹介させていただきたいのであります。
それは、ある雑誌が企画した対談で起こったのでありました。
『魅惑の缶詰たち』(仮題)というタイトルのもとに、内外の缶詰さんが数十種類集合したのであります。
対談は銀座の缶詰バー(仮名)で行われ、著名な料理研究家Kさんと、エッセイストのYさんが集ったのであります。
物議は、この蓋部分について起こったのでした。
この缶詰さんは、下部はアルミ缶でありながら、蓋はアルミ箔のような薄い素材を使用しているのであります。
その形態に疑問を抱いたYさんは、声も高らかに追求したのでした。すなわち
「一寸待って。これは缶詰の範疇に入れていいの?」
Yさんの疑問はもっともなことでありました。缶詰と言えば、固い金属で覆われているのが普通のお姿ではあります。
そこで私はどう答えたかというと、
「はい、缶詰ですね。缶詰ブログで紹介したことがあるので、缶詰です」
我が缶詰ブログにおいては、缶詰さんの定義はすごく広いんであります。
過去においては、こんなものも缶詰として扱っております、はい。
かくのごとし。
不意に弾劾が起こった対談でありましたが、結末はじつにまあ、何と言うか、丸く収まったのであります。すなわち
「このサラダ、すごく美味いね!」
Yさんのこの一言で、存在の定義に関する問題はどっかに行っちまったのであります。
かなり酸味が利いているけど、それをオリーブオイルが中和しているという味付け。
パラパラの米と、程良い歯ごたえを残す野菜類(イタリアでは通常、野菜をくたくたになるまで加熱する)。
バジルを主とした、過不足のない香り付け。
ああ、読者諸賢よ。美味い缶詰さんは、イデオロギーやレーゾンデートルを超越するのでありますなあ。
内容量:160g
原材料名:あれれ、表記がないけどコーン、インゲン、パプリカ、ツナ、米が入ってます
原産国:イタリア
追記:一昨年の記事でも、違うメーカーのものを紹介しております。