ゴージャスな紙箱入りツナ缶だ
「先輩。シーチキン1個買ってきて、炊ぎません?」
これは、およそ二十年前の、筆者の台詞である。
学生時代に、男ばかり四人で暮らしたことがあった。
そこではおかしな事柄がいくつも起きたのだが、
(興味を持たれた御仁は『桜町荘セレナーデ』シリーズを読まれたし)
食生活となると、いかにも貧しげであった。
この四人が格別にビンボーだったわけではない。しかしそこは若さゆえ、食事にはまるで無頓着なのである。
何となれば、実にいい加減なものばかり、喰っていた。
ちなみに言うと、上記の台詞の「炊ぎ」という濁音、私のお国訛りである。
私は東北の出身である。上京して、すばらぐのあいだは、この訛りが抜げねがったんだわ(語尾上がる)。
海の神ポセイドンとは畏れいる
さて。
当『缶詰blog』の開始は、2004年の6月のごどであった。
いつのまにか、丸三年が経過すたわげだ。三年つうのは、はあ、実に長い時間だべ。
あっ、いけない。元に戻さねば。
かつて、歌手のちあきなおみが、名曲『喝采』の中でも
「♪あれは三年前...」
と歌っていたくらい、三年というのは感慨深いスパンなのである。
それはともかく。
本日は四年目突入記念のエントリー記事である。
ここは昔に立ち返り、青春時代によく食べたメニューを、再現してみたいのである。
すなわち、ビンボーシーチキンご飯なのである。
今回はイタリア産のツナ缶である
ブロック肉がいかにも美味そうだ
磨いだ米の上さ、ツナっこを乗せで...
こうっと、ショーユを垂らすて
若ぇ頃は、ショーユたっぷりだったなや
かくのごとし。
米と、ツナと、ショーユのみ。当時のレシピを忠実に再現してみた。
本当は、
「せめて米を昆布で炊こうか」
「別の調味料も加えようか」
など、いろいろと迷いも生じたのであった。
若かったからこそ、こんなものをがつがつと食べたものの、今となっては不味いだろうなと思ったのである。
そこを、あえて、ビンボーレシピのままにした。
昔の自分と、向き合ってみた。
ところが、これを一口食べてみて、驚いた。
実に美味いのである。
もう、すっかり喰い飽きたはずのツナが、ふくいくたる香りで迫ってくる。
まぐろの旨味が米に移り、そこにショーユがほどよく絡んでいる。
炊飯器の底の、ショーユの焦げついたあたりの飯が、もう、たまらない。
これは昔のように、思いきって4合炊いでも、いがったかも知んね。
そうすて、がつがつと、器にかぶりつくようにすて喰っても、いがったかも知んね。
ともあれ、読者諸賢よ。4年目に突入の我らが『缶詰blog』、これからも乞うご期待!
内容量:200g(固形量150g)
原材料名:マグロ、オリーブオイル、塩
(おお、オリーブオイルであった。だから美味かったのかも)
原産国:イタリア
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