給食の話って、盛り上がりますね。
とくに、自分と近い世代の人と話すと盛り上がる。
「小学校のときの牛乳はテトラパックだった」
「ちょうど米飯給食が始まったときでねぇ」
「小麦粉のたっぷり入ったカレーが美味かったな」
と、想い出話は尽きない。
給食こそが、学校での一番の楽しみだった、という人も少なくない。
かくいうワタクシが好きだったメニューはというと。
いろいろとあるけれど、その中でも鯨肉の竜田揚げとケチャップ和えを挙げたいと思う。
ケチャップ和えというのは、鯨肉を一度唐揚げ(竜田揚げだったかも)にして、ケチャップを絡めて炒めたものだったと思う。
いつの時代も、揚げ物は子供の大好物なのであります。
鯨肉缶詰もプルトップ式になった
この缶詰は、先週浅草に桜を見に行ったおり、鯨肉専門店で見つけたもの。
鯨の缶詰といえば甘辛い大和煮がほとんどなので、この焼き肉というのは珍しい。
そもそも、今では鯨肉自体が珍しいものとなった。
1缶300円ということで迷わず購入。
(鯨肉って、何年も食べてないなー)と、指折り数えてみると、少なくとも5~6年は食べていないことが判明した。
かくのごとし。
焼き肉というよりは煮肉という風体である。
ともあれ、なつかしの鯨殿である。
「どんな味だったかなァ」と、期待を込めて一口...。
やっ、これはどうしたことか、カレー味がするではないか。
パッケージには“カレー味”なぞと書いていない。店員さんも「鯨本来の味が楽しめます」なんておっしゃっていたのだ。
渋い顔つきとなったのが自分でも分かる。せっかくの鯨殿にカレーをまぶすとは、大胆というか、斬新というか。
「ンナローッ! せっかく久しぶりだったのに」
悔しかった。
「オレの青春を返せ」
激昂のあまり、理不尽な怒りも沸き上がる。
泣きながら食していくと、歯ごたえはやはり鯨肉特有のもの。みっしりと繊維が満ちた肉質で、合間に入っている脂身がそれを緩和している。
わずかに獣臭いところも、あのなつかしの鯨殿であった。
「それにしても、ンナローッ...」
うなりつつ、背を丸めながらも、しっかりと堪能してしまう。
そして食後のお茶を飲んでいると、思いがけないところでノスタルジーが顔を出した。
鯨肉の線維が、歯の間に挟まっていたのであります。
懐かしさに嬉しくなって、台所から楊枝をもってきて歯の間をしきりにせせった。
このシーハシーハが味わえるのはやはり、クジラ缶ならではの魅力なのであります。
固形量:55g
内容総量:85g
原材料名:ヒゲ鯨赤肉、砂糖、しょうゆ、でん粉、豚脂、カレーパウダー、食塩、香辛料、調味料(アミノ酸等)、糊料(グァーガム)
原産国:日本(丸水札幌中央水産)