閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

良い本 というのはまだ在るもんだ。

2012-10-22 21:27:26 | 日記
倉庫の整理でくたびれた腕や方は何とか回復しつつある。不良在庫に悩まされていても、なお本を処分したいという言う話はやってくる。ここ数件続いたが そのうちの一件、レンタカーを使ってよかった、わが愛車では積めない嵩。重さはソウでもない、そうです、和本の一口。思いがけなかった品で、ほとんど見ず転で「○○円で頂きます」といってしまって、それでも了承してもらったのだが、比較的大型のダンボール箱数杯という量はこのごろめったにあるものではない。
何とかなるさ、何とかしよう と思ってのことだが、今回は「当り」でした。
 数年前の例はホボハズレ、いまだに触る気にならなくて今回の移転でも隅の方においたまま。一般的に漢籍はともかくも、和本は初めて手にするものがほとんどだが、今回は直大変そう。しかし2階の北側の壁においてあっただけに湿気が無く幸いに保存は良好。まだ一箱しかあけていないが、すでにこの本はいった い何よ? いくらくらいするの? というのが出てきている。移転した倉庫の本ははじめに「ムフフ」というのがあっても後がダメだったけど、これらの本は「ムフフ」でもあるし「ムムム!?」でもある。しかし楽しんでばかりはいられない、「元を取り戻」さなければならない。別件、本日伺って見せてもらった一軒のほうもすごくよい品物多数。 本の類はたいしたことは無いが、肉筆物が結構なものと量。全部一気に買い取れ、と言われたらた金額的にもちょっと困るもの。また今 買ったとしても小生の生きているうちに捌けるか? 家に伺って買うのを業界用語で「宅買い」というのだが、古い家に伺うのはなんとなく楽しい。未知、未見の本に出会う楽しみはちょっとほかにたとえようが無い。3~40年前くらいの本は見るのもいやになってきた。
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倉庫の話・続き

2012-10-01 19:15:11 | 日記
 やっと 移転の目鼻が立った。 腕の疲労は限界に近くどうなることかと思っていたが かろうじてセーフ。 前便から多量の在庫について「売れない」話をしたけど、何故溜まってしまったかについて もう一つわかった。 以前は 一軒の処分を引き受けると目に付いた物、およそ書籍の形をした物は何でも引き取っていた。其の頃は店の均一でも、即売会でもなんとか捌けたし、組み合わせを変えて市場に出せばそれなりの金額になって「元」は取れていた。然るにある頃から買い込んだ品が捌けないうちに次が来てさらに又積み込んで というわけで「溜まって」しまったというわけだ。ではこれらの本が 今「活きて」いるか?
 衣料品屋さんは シーズンごとに仕入れた品は、早めに定価で3割 シーズンに2~3割引で3割売り 残った品は半額でセールして、シーズンごとに在庫0にしてしまう。  かつては古本屋も似たような状況であったのだ。定価1000円の品を売りに来られれば300円前後で買受、5~600円で売る。若し店でダメなら少しまとめて交換市に出せばいくらか回収できる、という「伝統的システム」がまったく崩れてしまった。此れについては前便で書いた。もっとも東京、大阪などの大都会の大市場を控えている本屋さんでは 今でもこのようなことが可能で、在庫なんて・・。という方々が健在と聞いているが 田舎ではそうはいきませんよ。
 片づけで出てくる品々にこれは「覚え有り」というものが多くて やっと「何故在庫が多い?」について、このような判断にいたった。 面白そうだな と一応は思って持って帰った品だけに、それぞれに小さな個性があって とても今になって「処分」する気にはなれない物が多い。かくなる上は セッセと「ニホンの古本屋」なりH.P.で一点一点紹介して嫁入りさせなければならない。一点ごとの金額は知れた物で 其の「手間」に見合うかどうかはわからないが、「掌中の小鳥」みたいな気分です。 一方で ある研究機関の報告書・創刊から揃って・全重量60㎏超なんていうものもある。 果たして買い手があるかどうか、ゴミになるか と一か八か・・  悲しいです。
 「本」の中身の話を するつもりではじめたブログが商売の「愚痴」ばかりになっているのはいけない。 今後、なるたけ「本」の話が出来るようにしないといけませんね。 
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