一般的に古本屋は「オシャレ」とは縁のない人種だということはお分かりの事と思う。時にはかなり汚れた品物も扱う基本的に「肉体労働」が多い、組織の一員ではない、時間も自由という状況だからだとも(骨董・道具店もそう)いえるけれど、そもそも古本に関心を持つ人はお客さん方々も「見てくれ」に構う人は少ない(ごくまれに、あるいは高級品扱いの店は別です)。
先日久しぶりにある市場に行きました。大きな公園の脇で回りに人家は少ない、昼時になって さてどこで食べようかと思案していたら、「近所に街中中華料理店があっっておいしいですよ」というお誘いで連れだって行きました。すでにかなりのお客、チキンカツ定食が早くできるというので注文しました。本当に早くできてきて「えっ!」でしたが、その姿に二度びっくり。カツも付け合わせのレタス・キャベツ、それにご飯の盛も大きい。ごはんは小生には多すぎるとは思ったけれどそのまま食べました。周りは夫々に肉乗せ焼き飯だの何とかチャンポンだのばらばら。値段も安い。次々と来客が絶えず、作業とセールスの男性ばかり。さもあらんと納得したのです、が、後がいけなかった。おなかは持たれて胃散が欲しい、さらに夕方家の食事の時分になってもまだ油の澱がたまっている感じ。多分油が良くないのです、安い理由の一つでしょう。身になりに構わない人たちは食事にも構わないということを思い知らされました、彼らの言う「うまい」には「安くて・多くて」という前置詞が付くのです。そういえば普段の会話でも身なりはもとより「グルメ」というのは話題になったことがないような。 肝心の市場の方はわが店としてはあまり収穫無しでした。今風の流行りの品に??というのが増えたし、骨董的品々は今のわが店はお客さんがいない。石炭関連の品はほとんど出てこなくなった。先行き見込みは明るくはありません。 話は別ですが、「柳田國男全集」と「白秋全集」どうやって処分したものか、 思い切って捨てる決断の時かなあ。