閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

大量の「本」でしたが・。

2019-12-09 07:52:22 | 日記

先だって、「亡くなった人の片づけで、本が沢山あります」というので出かけたお家の事。
外見から「大きな家だなあ」と興味を持って入ってみてびっくり。まず玄関が2間×3間、まるで三和土を兼ねた農家のような広さ、左右に伸びた廊下は幅4尺、左に入って、台所兼居間は囲炉裏があって24畳大、ほかに6畳の部屋が三つ、いずれもしっかりした板張り。それに囲まれた唯一畳敷は12畳、床の間に違い棚付き、柱も梁も太い、壁も本塗という戦前からの古い家というならまだしも建ててまだ20数年というのだからなおびっくり、なかなかお目にかかれないのでしばし見とれました。 さて肝心の本ですが小部屋と其の押し入れ、廊下迄はみ出した書棚に一杯の本。おそらく千冊どころかもっとある。ところが一見、息を呑んでしまったのですがほぼ全部が「ブックオフ」で買われたもの。函入や堅い表紙の本はほとんど、というより全く無し、聞けば雑誌の類はすでに捨てたとのこと。当然ながらわが店の目から見る「古い本」は全くなし、手ぶらで帰るのは癪なので一応目を通したけれど結局手間賃稼ぎに十数冊抜いただけ。あとは「廃品回収へ」と伝えざるを得なかった。お分かりと思うけれどごちゃごちゃあるのは当然ながら本だけではない。小生が来る前にすでに少しは捨てたそうであるが、オーディオ関連も一体何軒分あるのか、扇風機・暖房機・除湿器・健康運動器、その他もろもろの道具類が壊れたものもそのままで、いくら広い家で置くところがあったにせよ・・・まさしくガラクタ屋敷そのもの。不思議なことに衣類はキチンと整理されていた。30年ほど前にいわゆる「紙フェチ」の家を片付けたことがあるけれど(この時はある傾向の「コレクション」といえる一山があって片付けがいがあった)物を捨てきれないというのは「病気」ではあろうけれど残された方にとっては迷惑どころか「犯罪」のようなもの。「終活」は大事(他人事ではないけれど)です。
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ブログって・・・。

2019-12-07 23:04:52 | 日記

熱心にほぼ毎日書きこんでいるある古書業者が「馬鹿な事、愚痴バッカ書いていい加減で止めんね」とある仲間から言われてちょっとがっかりしたということだ。 小生も始めたのがすでに「流行り」を過ぎていたころで、今や「ささやき」とかいうものが「当たり前」なのだそう。 わずかな閲覧者しかなく、しかも反論・返信不可では「あんたなんばしよっとね」といわれるのもむべなるかな、ではあります。しかし「余計なお世話だ、俺は書きたい、言いたいことを書くだけ」ともいえるのもお分かりでしょう。
 話変わって、知人から「古雅書店」を検索したら色々書いてあって、中に「本は自分で探せといわれた、偏屈オヤジだ」とあるそうである。小生はその記事を見つけていないのだけれど、そう書かれるについて心当たりはいくつもある。
 以前にも書いたことがあるが、店に入ってくるなり「○○はないかね」という人は相変わらず多い。数日前も表の百均・特価台を20分くらい見ていた人が店に入るなり例の「○○はないかね」というセリフ。当方はその本を知らないので「わかりません」というと「無いかね」と、「いや、その本を知らないのでわからないのです、どうぞ自分で見てみてください」というと「探せというのか」「分類は?」という決まり文句である、「これくらいの本で昔出たのでココへ来ればあるかと思ったのだが」「私はその本を知らない、大きさなど知っているのなら
あなたが一番わかるはずだから、棚をご覧になってみてください、ここになくてなおお探しなら相談には乗ります」とここまで言うとほぼ全員店を出ていきます。その間一分もかからない、均一を見るに20分かけた人が、たった8坪の店の棚を見ようともしない。「昔の本だから・・」という人の「昔」も問題で、早ければ5・6年せいぜい十数年前の本を「昔の本」といい、「新刊でまだあるでしょう」といえば「高いから古本で安く」と、それならばなおの事「自分で探せよ」といいたくなります。 わが店の「悪口」を書いた人もおそらくこの手合いでなんでも思ったことを「してくれる」と思っている。わが店は「自ら輔るものを助ける」主義です。着物のように「これはお似合いで、お勧めしますよ」なんぞ いま顔を見たばかりの人間の読書歴がわかるわけはなく「古本屋のおすすめ」を期待するにはあと10年はかかるだろう。 ここ数日全く来客無し、あったのは上記のようなのがいただけ。商店街の人通りも田んぼの畔道程度。
 複数の市史編纂などの需要が一段落し、閉山20周年の「特需」がなくなったので、とにかく日本の古本屋とAmazonとを頑張る他無し。
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