先だって、「亡くなった人の片づけで、本が沢山あります」というので出かけたお家の事。
外見から「大きな家だなあ」と興味を持って入ってみてびっくり。まず玄関が2間×3間、まるで三和土を兼ねた農家のような広さ、左右に伸びた廊下は幅4尺、左に入って、台所兼居間は囲炉裏があって24畳大、ほかに6畳の部屋が三つ、いずれもしっかりした板張り。それに囲まれた唯一畳敷は12畳、床の間に違い棚付き、柱も梁も太い、壁も本塗という戦前からの古い家というならまだしも建ててまだ20数年というのだからなおびっくり、なかなかお目にかかれないのでしばし見とれました。 さて肝心の本ですが小部屋と其の押し入れ、廊下迄はみ出した書棚に一杯の本。おそらく千冊どころかもっとある。ところが一見、息を呑んでしまったのですがほぼ全部が「ブックオフ」で買われたもの。函入や堅い表紙の本はほとんど、というより全く無し、聞けば雑誌の類はすでに捨てたとのこと。当然ながらわが店の目から見る「古い本」は全くなし、手ぶらで帰るのは癪なので一応目を通したけれど結局手間賃稼ぎに十数冊抜いただけ。あとは「廃品回収へ」と伝えざるを得なかった。お分かりと思うけれどごちゃごちゃあるのは当然ながら本だけではない。小生が来る前にすでに少しは捨てたそうであるが、オーディオ関連も一体何軒分あるのか、扇風機・暖房機・除湿器・健康運動器、その他もろもろの道具類が壊れたものもそのままで、いくら広い家で置くところがあったにせよ・・・まさしくガラクタ屋敷そのもの。不思議なことに衣類はキチンと整理されていた。30年ほど前にいわゆる「紙フェチ」の家を片付けたことがあるけれど(この時はある傾向の「コレクション」といえる一山があって片付けがいがあった)物を捨てきれないというのは「病気」ではあろうけれど残された方にとっては迷惑どころか「犯罪」のようなもの。「終活」は大事(他人事ではないけれど)です。