このところ買い入れが続いています。買い入れ金額は我店の一月の売り上げを上回っている。その内容は玉石混交といってもいいかもしれません。ある研究者からの買い入れは、見たことなかった専門の書物がほとんどで数点は価格のめどが立たない! 良質の良い買い物には違いないであろうけれど、では一体いつ売れるかしら?
一方でこれは良くある例。A4にプリントして「これがあるが、処分したいので買ってほしい」という、実に気の利いた申し入れでしたが!曰く「大和古寺大観・日本古寺美術全集・世界文学全集・世界百科・日本と世界の歴史」いずれもいわゆるバブル期の物、「セールスマンから買われたんでしょう」と聞けばまさにその通り。定価の総額722360円と計算してあって、全品「見ていないので綺麗です」と。けれども、 全部「ゴミ」!!一銭にもなりません! この時期の出版物(に限らないか?)の量はすさまじくまさに壮大な資源の無駄遣いに外ならない。一体何だったのだろうと思うばかりです。
問題はこの人を含め、「本を売りたい」という人の(わが家への依頼人に限ってかもしれないが)十中八九がこの我店に来たことのない、まして店内にどんな品があるか、我店がどんな品を扱っているか、を全く知らない!ということではないか。 眼前の「本の形をした」物をいくばくかでも金に換えられるか、あるいは「捨てるのはもったいない」で、確か商店街の中に古本屋があったぞ、という程度の発想なのだ。 他の品物なら平気でどんどん捨てる人たちが「本」については「もったいない」「本を捨てるなんて」と宣う神経をいまだに良くわからないでいる。
一方で綺麗な文庫を200冊くらい(だけではなく他にもあったけど)、我店ではさばききれまいと思って市場(古書の交換会)に出したら〆て二千円にも届かず丸赤字であった、まさか一冊10円ではお客さんからは買えないではないか。一方でブックオフでは一冊2円3円という引き取り価格でも文句を言う人はいないというのも聞こえている。 本当に「重たい」本を扱うのから脱却したいと思うばかりです。