先だって 市場で買った山の中に「逆説の日本史」の端本があって、中に「鉄砲伝来と倭寇」というのを見つけました。もともと鉄砲伝来に関心があって、ポルトガル人が持ってきたのが始まりという教科書的記述に疑問を持っていたのでどんな内容だろうと思って読んでみました。 大当たり!ご節ごもっとも、これまで断片的に、あるいは少し専門的な記述を通して知っていたのだが、これまで明快に「教科書的記述のウソ」をはっきりと書いたのはあっぱれだと思います。
つられて「文治政治と忠臣蔵」を読んだけれどこれもまた「目からウロコ」は言い過ぎ、ほめ過ぎかもしれないが、大方の「時代劇ファン」程度の人びとにとってはそれくらいの衝撃ではないかと思う。「仇討ち」の定義からの逸脱とそれを「義挙」にすり替えた政治判断と共に、「仮名手本忠臣蔵」のいい加減さを「劇」ではなく世間常識にしてしまった功罪。あれこれ 実に面白いです。
天皇制を維持しようという「保守層」、これまでの文部教科書的歴史をかたくなに守ろうという手合いには全く面白くない記述で、これを広めるのは阻止しようと策動するのではないだろうかと想像します。古代史の方は小生は興味が薄いのだけれど、この調子ではさぞ面白かろうと思ってはいます。
以前にも書いたことがあるけれど、小生は徳川時代の200年に以上に及ぶ全く戦争がなかった「政治」の再評価(朱子学を採用したこと以外)をしなければならないと思っています。明治政府の「徳川憎し」は全く間違い、 天皇が政治の舞台に出た時はすべて戦乱、侵略、混乱であったことを忘れてはいけない。
手元にあと数冊残っているのでこれから読んでみますが、「失敗の本質」と共に世間の人びと多くにぜひ読んでほしいと思っているところです。小生の読む本は「古本屋」ですから「今はやりの」というのは無理で少し時間のずれがあるのはやむをえません。