閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

丸善即売会のことなど

2016-05-21 07:05:03 | 日記
丸善ギャラリーの即売会は期間の半分を過ぎた。 結果は思わしくありません。やはりというか、カストリは一点は売れたものの、俳句関係はホボ全滅。 相変わらず絵葉書・チラシ・パンフットの類が多くて「本」は動かない。これらの古いものは当然ながらそう簡単に手にいるものではない、もしや売れ残っても いずれは売れるというものだけれど、「本」はその逆で いずれまた手に入るので早く吾店から退散してほしいのですがねえ。考えることはお客さんも同じということなのでしょうか。 
 熊本の地震で 早速本を処分したいという 話がかの方面ではあっているみたいだと思っていたら吾店にもそんな話が来ました。しかしいわく百科事典・美術全集等等。「棚から落ちると怖いから」とおっしゃるけれど 引き取りはお断りせざるを得ません。「せっかくの本なのに・・」と恨みがましく言われるのだが、こればかしは同情してあげるわけにはまいりません。  他にも 「引き取りを」という話はちょくちょくあるけれど「どんな本がありますか」と聞いても答えられる人はきわめて少ない。 前にも言った「蔵書二代」の言いそのもので所持者本人はすでにいない話で、まさしく「処分に困って」吾店にを思いついた、という人たちはまず本に関心がまったくない。本の題名・出版社すら「どこにかいてあるっじゃろうか」という、背や表紙に書いてあるはずでもこの発言で、奥付を見てくださいと言ってもてんで通じない。 「車を処分するときメーカーと年式、走行距離くらいは言うでしょうが」というと幾らかわかった様子ではあるのだが「本」もそうしなければ我が方に伝わらないということをわかっていない。「とにかく本です、いろいろあります」と。携帯を持っているので「せめて写真でもとってあるとわかるんですが」と言っても「ではそうしましょう」とは言ってはくれない。「とにかく見に来てくれ・処分したい」 しかも家の片づけなので時間の余裕がない話ばかし。「今日・明日にでも」と言われてもそうはいきません。 そのなかの一件、40年前の大型本、十数冊セット・未読 悪い本ではなく我が方としても捨てるのは忍び難く「引き取らせていただきます、ただしお金にはなりませんよ」 倉庫に運び込んだもののさてはて。日本の古本屋に載せるとしても注文があったらどうしよう。送料だけでも小一万円はかかる。それより荷造り・発送の手間は大変。こまるなあ。
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丸善ギャラリー展近し

2016-05-01 22:52:29 | 日記
このところ5月半ばからの天神・丸善ギャラリー展の準備に係り切りという感じでいます。 この展覧・即売会は今年で4回目になります。我が家はこれまで目玉になる物を各回それぞれに違う顔を見せる工夫をしてきました(少なくともそのつもり) 一回目は幕末の地図、二回目は月形洗蔵の手紙、三回目は朔太郎と白秋の初版本類。そして今度は・・・。「カストリ雑誌」と俳書。1・2回は即、買い手があり、3回目はまあまあの反応だったのですが、今回はどうでしょう。わが方としては毎回違う顔を見せるのをもくろんでいるのですが、今回は片寄すぎかなあ、と少し心配しています。カストリ雑誌などは不思議なことに地方ではまず買い手がないとみてよい。手に入れたのはかなり前、九州でのことだけれども、持ち主は相当な変わり者でした。逸話は結構あって小説を書くなら大変面白そうなお人柄。我店に処分依頼の話があった時はちょっと驚いたことでした。入手した大方の物はすでに片付けたのですがこの雑誌の一塊は 「どうしよう?」というまま塩漬けのままだったのです。 さてこのたびのお目見え、買い手がつくでしょうか? もう一方の俳句関係は古い話ではない。さる旧家からの買い出しですが、当初から「難物」の見込みの品。まず「読めない」「何処の誰の」ということが判らない。九州の明治期の俳人・俳句界の手掛かりが少ない。 ということでこれもさてどなたが手を挙げてくださるか。 だんだん一か八かの「博奕」の様な品揃えになってきて困ったことです。 「○○専門」という看板を立てられない古本屋の典型みたいなもので、「そんなことではとても大きくはなれないね」と昔言われたことを忘れてはいません。おっちょこちょいの浮気者ですから死ななきゃ治らない、そしてもう修正・方向転換する時間もないところまで来ています。変体仮名を読めるように、と思ってはいるのですが、もとより語学については学習障害?という頭ですから、なかなか・・。
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