閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

本への関心を 

2011-12-22 13:03:34 | 日記
先月の終わりまで 三池カルタ歴史資料館の 企画展示のなかに 中村不折が描いた百人一首(の複製)を
出していた。十分に面白いものではあるんだが、これだけでは地味で 少しわかりやすくなるようにと思っ
て小店架蔵の「我輩は猫である」の本物(ただし重版)
を一緒に置き、 漱石と橋口五葉と不折の関係を 説明して置いた。其のなかにこの「我輩は猫である」
は日本の書籍の歴史のなかで「装幀」ということが考えられた 最初の本であることも触れておいたのだが
 来館者の 関心を得ることは出来なかった。幾人かに声をかけて 説明したのだが「我輩は猫である」に
は 「へえ これが本物!?」という反応はあっても 3人が協力して出来た「本」であることには
眼が向かない。 ちょうどこの時期北九州で 「五葉展」があっていたにも関わらずである。
 昔の少し厚めの紙にしっかりと印字された「活版印刷」の本が大好きである。あわせてコロタイプの
挿絵でもあるとなお結構である。今の平版印刷は ただのプリントで 「本」らしい趣が無い。
 潤一郎、荷風、龍之介、春夫、鏡花のさらに其の周辺の「作品」といえる「本」のよさをわかって
もっと大事にして欲しいものだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

記事のタイトルを入力してください(必須)

2011-12-09 18:25:24 | 日記
先だって、福岡市立図書館の 特別展示「サークル村・・」を
見てきた。一応よく集めてある とは思ったものの、何か 物足りない。
筑豊炭坑絵巻が今評判で、其の横に「サークル村」があったことは承知していて
それに沿った企画だというのもよくわかる。 が しかし、筑後の三池炭坑のものが無い! 
 唯一「炉塵」が出ていたがこれは東洋高圧のもの。 もう一点言えば
サークル村以前、「傾斜産業政策」で 大好景気、組合活動も出来る、
と 戦中に鬱積していたものが吹き出て、 戦後すぐから沸き立っていた
時期の炭坑とそれを取り巻く「表現活動」にも、要するに「サークル村」
以前の活動、其の下地ニなった部分にも 光が欲しい と思った次第。
 斯く言う小生は 今、大牟田の「三池カルタ・歴史資料館」であっている
「大牟田今昔 Ⅱ」で 2ケースを使って戦後の大牟田の同人誌21点を
展示をしています。35年のあいだに拾い集めいてきたものです。
おそらく これに匹敵するコレクションは 無いのではないかと
自負していますが、これを超えるコレクションがあれば 撤回する
に吝かでない。また、これを期に補完する情報や「物」が出てくる
 ことを期待している ところです。 このブログを見る人があれば
大いに吹聴していただきたいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする