鴻上尚史:「不死身の特攻兵」軍神はなぜ上官に反抗したか
講談社現代新書 2451 ISBN9784062884518
例によって新刊ではない物しか見ないので2017年刊のこの本は我店としては比較的新しいです。 一か月で4刷出ているので 或る程度の反響の有った本であるらしい。もとより「特攻」という戦術の馬鹿馬鹿しさを知っていたのと、出撃した兵の遺書類にうさん臭さを感じていて、また「美化・賛美」する連中に今の世情からうそ寒い思いがあったところに入手して 一気に目を通した。著者も書いているように実に奇跡のような出会いで書かれた実に貴重な一書。 主たる佐々木伍長のこまごましたことはさておき、読み進むページごとにおこがましいけれど「そうだ!その通り!」と声を出しそうな記述、付箋だらけになってしまった。 参謀部の連中の硬直思想、現場を知らないにもかかわらず机上プランを意固地に押し付け、反省の色なしの様子は今の霞が関、永田町の様子と全く変わらない、前にも書いた「失敗の本質」を全く学習していない。(防衛庁のことはわからないが多分同様なことだろう) 又 マスコミの責任に触れた部分も大事、今の報道を見ていても感情を「あおる」傾向は一向に治っていない、反省をしない、後追い記事を書かないのも変わっていない。
文才のない小生ではうまく伝えられません。ぜひ読んで頂きたいです。
小生は子供の頃より「動く機械」大好きで、数学がまるでダメにもかかわらずいまだに乗り物・機械への関心は高い、軍用の物は機械、兵器、すべてが民間要より頑丈、かつ機能的であるこことは自明、現物はもとより其運用についても同等の関心を持っている。例えば「新幹線」がなぜ欧米で関心が低いか。それは鉄道は大量・重量物の運搬に用するもので、人しか運ばない「鉄道」(ことに電車)は意味がないと思われているからだ。その大量・重量物とはなにか?まず戦車、戦闘車両、そして兵站である。ウクライナの戦闘ではしなくもそれが一般にも見て取れるようになった。いわゆるロジスティック、今民間の流通に使われる言葉だけれど始まりは軍隊用語、タスクフォースもおなじ。(新幹線批判はまた別の機会に、小生は乗る気になりません) かように素人の聞きかじりながら軍・戦闘への関心は大きい。そして今の日本を動かしている連中の見識のなさ、反省のなさに とことんあきれている。
このブログにふさわしくないけれどひとこと、安部晋三の拾年にもなる首相の間、何をしてきたか、プーチンとの事もさることながら国内外に全く成果を上げられず、多量の国費の無駄遣い、しかも民主政治の根幹にかかわる「事件」ばかり起こしたのに責任を取るどころか全く反省の色なし!これこそ戦中戦後の政治家・参謀部のすがたと全く同じである。日本人はもっと賢くならないと、それこそ有事に政府・軍隊を監視・コントロールできないことになる。