閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

文庫 それでいいのかな?

2011-08-25 15:28:32 | 日記
久しぶりに 割と「熱心に」本を見るお客さまがあった。小一時間見た上で
一冊の詩集を持ってきていわく「この人のものの文庫は無いですか?」と。
「我が店には無い。もとより文庫化されてる作品(集)があるかな?」
というと納得できない様子だ。そう人気があって「売れている」詩人ではないし
「この人の詩集が文庫になるとは思えないが」といってもわからない様子。
文庫を出している出版社は最低でも3000部くらいは見込めないと出さないよ、この人の文庫
がそんなに売れると思うかい」というと 「文庫で読みたいのだ」という。
 それ以上の話にはならなかったが、「本」というものの価値観がまったくズレていて
お話にならない感じがした。詩を書くとき、それが本という「作品」になって世に問われる
時 作者は文庫のサイズを想定して文字を刻むだろうか。なぜ初版が必要か という
ことなどおそらく彼には通用すまい。 活版印刷が廃れて久しい。小生は活版大好き。
 執筆者とその友人などの絵描きのセンスと印刷屋の技術とそれを纏め上げる編集者の度量、
この結晶(今で言うコラボレーション)が「本」という作品。 こだわりたいと思っている。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本日も変な天気 | トップ | 自動販売機か? »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
箴言 (Unknown)
2011-09-28 19:41:06
私が分からないような様子になっていたのは、「これくらいも分からんのか」と、言わんばかりのあなたの態度に起因しているのです。あなたの書物に対する知識には敬服いたしますが、その態度がお客を減らしてしまっていると早く認識なさるべきです。第一、私は若くそんなにお金を持っておりません。その人間が安く,且つ良質の書物を求めて、わざわざ遠くからこんな田舎にある書店まで来たことを考慮に入れてもらいたいものです。
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事