閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

音楽の始まり。

2023-06-18 07:09:14 | 日記

先日FMで西洋音楽の始まりは「鳥の声」という番組があった。ながら聴取だったので完全に聞き取ったわけではないがちょっと考えることがあった。

 音の発見は一般的には身の周りにあるものを叩くと出る音を回数や強弱を替えて一種の言語とも共通の通信手段から始まったというのではないか。ジャングルなどでの実際はよく知られている。動物の皮を利用して太鼓ができ、スジを使って撥弦楽器の原型ができたのも知られている。これらはいずれも音を持続させることはできない。一方草笛・葦笛なども相当早くからあったことは遺跡・壁画などで知れる。これに金属の利用が広がって「ラッパ」が現れた。信号ラッパだ。これ等は「持続音」が出せて、いくつかそろえて鳴らすと「和音」ができる。人の声も幾人かが一斉に持続音を出すと和音ができ「和声」の発見になった。

 この和音の発見が西洋音楽の起点だと小生は思っている。東洋・中近東では殆ど関心を持たれなかった分野だ。

 その後、動物の皮の利用で手風琴のようなもの、バグパイプ等が発達し、オルガンになったことも知られている。打楽器はその先「ピアノ」たどり着いた。

 西洋音楽は「鳥」からというのは、例えばギリシャ時代の遺跡・壁画などに描かれた楽器を持った姿の周りに鳥が飛んでいるのをよく見かけるし、キリスト教の色々な逸話のなかにも「鳥」との会話等あって、少なくともこのような「記録」のある時代から西洋では音楽と鳥は相当意識され近親感を持たれていたと察しられる。近代になって、無調や十二音階等の考えが広がると、かえって「音楽の原点」に思いをはせる人が出てきたのはある意味当然のことで幾人もの作曲・音楽理論家が出てきてそこに「鳥の声」が再度注目されることになった。

 しかし、これはあくまでも西洋音楽でのことでしかないと思う。東洋ではついに「和音」が生まれなかったし持続音の楽器も「草笛」が少し上等になった程度の物しかない。中国でラッパ系の物が出来はしたが信号ラッパの程度を超えなかった。雅楽・ガムラン・京劇を見ればすぐに分かる。

 哲学的・思惟的には考えられるとしても、和音・和声のことを思うと如何な物か。モーツァルト・ハイドン・ベートーヴェン・ラベル・等「鳥」を表現・題材にした作曲家がいるけれど、そしてカザルスの「鳥の声」も「名作」と言えるのかなあ?

 というわけで小生にとっては「鳥の声」が原点という説には乗れないなあというお話です。

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入院体験

2023-06-07 22:40:56 | 日記

先だって、新聞に松尾某が(小生はその正体を知らないのだ)連載コラムに自分の入院体験を書いていた。 4人部屋に入るのはちょっとした「異文化」体験で、ある意味贅沢な面白いことだと書いている。それは同室の患者の「生態観察」なのだが、実はほぼ同じことを先々月体験し、妻に話して聞かせていたこととまるで同じ内容で、二人で笑ってしまったことだった。カーテン一枚で遮られているのは想像を掻き立てられてかえって気になる というのはズット以前から思う事だ。斯く言う小生はこれまでに「入院」経験は大小取り混ぜ10回になるのだけれど、「個室」に入ったことは一度しかない。というか小さな病院での小さな手術で個室しかなかっただけ。もとより割り増しを払う余裕もないのではあるが・・。30歳の半ばに肝炎で入院の時は4人部屋で同室の二人がヤクザと其の近親者だった。まずラジオの音を止めてくれと言ったことから始まって睨み合う事数日、小生はズット本を読んだり書きとったりしてまず音を出さないので相手も普通とは様子が違うと思ったのだろう、次第におとなしくなって仕舞いにはごく普通に挨拶や話をするようになった。ほかの入院ではテレビはイヤホンで聞くのが当たり前になっていて「電気仕掛け」の音については問題は無くなっていたが、中にはおしゃべりな男がいて、「談話室」を使うよう看護師を通じてそれとなく注意してもらっても聞かない、というより自分がおしゃべりであることを理解しておらず、自分に言われたことと分からない、という「馬鹿」もいた。これはよくあることで、騒いでいる人に一般的に「静かにしてください」と言っても無駄で「あなたがおしゃべりを止めなさい」と特定して指摘しないと本人には自覚がないのでわかってもらえない。これは大人も子供も同じである。松尾某の話の中に歯磨きの仕方について触れていた。小生も同室の40歳くらいの男の歯磨きにあきれてしまった、朝起きてと就寝前にするのだが、それが「長い!」カシャカシャカシャカシャと10分間近く、一体どこをどうするのか音だけなので余計に気になる。よほど癇性なのかと思うが、かえって歯を痛めるのではないかと心配になってくる。斯く言う小生は歯磨きは一分はかからない、どころかどうかすると数秒で済む、しかも歯磨き粉(今は粉ではないが)はあまり使わない。

 電磁波のことは先にふれておいた。今回気づいたのは「音」 以前は治療用具を載せた「ストレッチャー」(というのかな)がステンレス製、ピンセット、ビーカーのような容器などが全部金属かガラスで、移動の時も付け替え作業の時もカチャカチャ、ガシャガシャとうるさく大変耳障りだった。今回見てみるとストレッチャーはもとよりほかの器具もほとんどがプラスチックやビニール類になっていて実に静か。これは大した進歩だと思った次第です。

 又「本」から離れてしまったけれど、このところ「拾い読み・ちょい捲り」ばかりで感想を書くに至らないです。

 

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