退官前の大学教授の書庫の整理品といって、20~30冊位をきびった(九州の方言らしい、括ったというべきか)物が5・60本以上、軽のライトバンで3台くらいの出品だという。事前にメールで送られてきた写真でも実に大雑把な括りようで玉石混交はわかっていた。買う気は薄かったのだけれど「何かありそう」という感じで出かけました。
全く分類・整理されておらず或る程度の嵩が揃うよう片端から括ったのが歴然。くくりの中に「これは」と思う物のないわけではないけれど、泣き別れになった本も多く、以前売ったことのある本、いまだわが店に鎮座している本も結構ある。そのくくりの他の物を見ると買う気を減退してしまう。結局 場賑わせにいくつかと、これは欲しいな、という物2・3点に札を入れたのだが、結果はタコ。二番札ばかりで、或る業者の儲けの邪魔をしただけで終わってしまった。 片付けの期日の迫った話で整理・分類する時間がなかったそうではある、結局結果はそれなりの金額になったようだけれども、もしわが店にこの話が来たとして、果たして引き受けきれたかどうか?この処分者である「大学教授」はあちこちの古本屋を知っていてわが店の事もご存知であったそうであるが我が方は心当たり無し。 前項で大學関係者の買い物はほとんどないことを書いたそのいとまもなく「大学教授の処分品」という話が飛び込んで来るのは「当てつけ」か、とひねくれてしまうではないか。 それにしても出品の約半分以上の嵩の品を買ったM君は その場に座り込んで括りを片端からほどくとすごい勢いで仕分けを始め、あれよあれよという間に片付け、ホボ6割(軽バン一杯くらい)を「これ捨ててください」。 そうなんです。我が家に持ち帰ってとりあえず倉庫に、なんて考えるからどんどん売れない荷物が増えるのです。 これは見習うべき風景でした。