閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

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2011-10-29 19:32:43 | 日記
このところ 忙しくて ちょっと間が空いてしまいました。
      事件は色々あります、何を書こうか迷うほどです。
 一昨日 関東の大学の教員という方が来訪され、しばらくお話しました。
山本作兵衛の絵が話題になって、 筑豊と三池は一同にはならないことを
言ったら、「まったく知らなかった」とのこと。詳しくは別に譲るが、
三池は「炭丈六尺」といわれた「豊満」坑で 作兵衛の絵に描かれたような
這いつくばって掘るのは江戸時代の話、明治の近代炭坑になってからはどんどん
機械化出来るような 丈の高い炭層で ボタも少ない 優良坑だった 
 と言うことを まったく知らずにいた。
 三池の炭が「強粘結瀝青炭」という「原料炭」であって「燃料炭」ではないこと、
 さればこそ日本唯一の「石炭コンビナート」が形成されたこと を知らない。
 話は飛んで、三池争議も、江戸期の一揆とおなじく、まだ豊だったからこそで
きた争議で、三池は「模範ビルド坑」であって、日本で一番優良な炭坑、
であればこそ、ここがつぶれると他の炭坑は なお悪くなるという認識で 
三池を支援したのだ。貧乏だから、喰えないから、一揆
(争議)を起こすのではない、そうならないためにという「余裕」があればこそ
出来た「大争議」だ。 これらの認識を持っていない「学者・先生」は多い。
 せめて わが店に来ていただいた方にはこのことを伝えてゆかねばならない、
 と 改めて思った次第。
  
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古本屋の 行方は如何

2011-10-22 20:34:29 | 日記
さる古本市場に 参加した。
 地元の有名作家の 物が 目白押し! という状態。
フロアには 一応 面目の立つくらいの品物は 集まっていた。
然るに、其の成績たるや・・・・。
 入札された成果が低い なら(これも困るが)まだしも
札が入っていない! 半数以上の参加者にとって「如何でもよい」
品物としか 見えていないのだ。
 集まった業者のなかで 古株のぼやきは 同じ。「基本的
書物」に誰も眼を向けない。 これは 「古本屋」業界として
危機である という認識、 これが共有されていない。
 自分の専門に はまっている それはそれで決して悪いことでは
無かろうけど、其の「専門」がすでに「時代の子」に過ぎなく
長くやっているのもから見れば 明日にでもだめになるような
ジャンルでしかない。
 古本屋って こんな仕事であったろうか? 
 「不易と流行」という言葉があるが 吾らは間違いなく
「不易」であるものを「確定させる」仕事と思っていたが
今の人たちに 其の重要性なんてことより 「面白」く
かつとりあえず「儲かる」 ことが問題なのだろう。
 古本屋という仕事(あえて商売とは言わない)に夢を
 もてない のは 「文化の破壊」(別途に話をしたい)
と思うのだが・・・・。
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2011-10-16 20:23:20 | 日記
本日は 福岡の某所の即売会の持ち込みでした。期間は 明日16日から30日までホボ2週間です。
震災の影響で 従来使っていた部分が 避難退所のコースになるというので 端に寄せられての開催。
この場所では多分人は寄ってくれない という予測もあっていまいち気乗りにしないスタートになりました。
小生はといえば直前に膝を痛めて 物は運べない、其の前からいろいろ予定外の雑用があって まったく
準備不足でのスタートです。
 有体にいえば 若い人が多く、古書向きのお客さんは少ないところで 我が店向きの場所ではない
のですが それでもいくらかの本は買われて いくばくかの収入につながるのは ありがたいです。
 行きがけ西南学院大学の横を通るとかなりの人が ぞろぞろと入ってゆく、はて今日は何の日?
 帰りにまた渋滞。これは何ぞ?と思えば 「宅検」の試験であったらしい。 それにしてもすごい数の人。
 資格審査だから ある程度の「点数」を獲得出来れば受かるので 「定員選抜」とは違うだろうけど
 そしてまたこのごろ「資格取得」がブームだとは聴き及んではいたけど、こんなに多くの人が殺到するほどの
 人気と重要性のある「資格」とは思はなかった。 「自動車普通免許」しかもっていない小生としては
 世間の智慧 が足りなかった。 あれもこれも取れたのに! と思うことしきり のこの頃であります。
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何しに来たんだろう?

2011-10-10 14:27:33 | 日記
10月10日は「晴」の 特異日で 今年も其の通り晴。 しかも暑い。子どもの頃運動会の朝は寒くて半袖、短パンの腕をさすりながら登校していたように覚える。本当は5月13日のほうがもっと晴れるのにあまり話題にならないのはなんでだろう。
 お客様のことは書かないほうがいい、とは思うけど やはり気になることはある。
 本日 先ほどの出来事なり。
入ってくるなり「××の(著者名)本はありますか」と。小生「さあ、私はその本を知らないし、あるかどうかは覚えません」 彼「無いですか」と、小生「いいえ、作者を知らないし、其の本がどんなものか知らないので、あるかどうかわからないのです」というと彼は「××は何処そこの人で 何何した人で・・云々」しゃべり始める。小生「ちょっと待ってください、私はその人を知りませんが」 彼「(本は)ないですね?」小生「無いとは言っていません。知らない本で、あるかどうかがわからないのです」 彼は「あそう」といってスーッと出てゆきました。 一体彼は何をしに来たのでしょう? そこまでわかっているのなら自分で棚を見てみればいいと思うのだが、まったく見ない。いつも言うようにわが店は高々8坪、見渡せばほぼわかる。しゃべっている間にでも目線でも動かしてみれば良いのに てんで書棚を見ようともしないで「本を探している」という。  彼は「尋ね」ているのであって「探し」てるのではない。「探す」とは手偏でわかるように自分の手足と眼で「探す」のであって 立ったまま口だけ動かすのは「探す」とはいえないと思うが 目の前のお客さんにそこまで言うわけには参らない。
 こんな例はわが店では 実は決して珍しいことではない。  なんと答えれば良いのか 未だにわからん。
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膨大な 資源の無駄遣い?

2011-10-07 12:59:22 | 日記
おそらく 日本中の古本屋 何処も同じ 事と思うが、「百科事典を売りたい、買ってほしい」という電話がかかってくるのだが、それはモウ7・8年いやもっと前から 「買いません」「折角ですがゴミです」といい続けているが、今なおこの手の
電話がかかってくる。 一体全体どれだけ売れたのか 想像も付かない。まるで縁のなさそうな家に英語のアメリカーナがでんと
置かれているのは 寒くなる思いである。 セールスマンたちの凄腕にただただ恐れ入るばかり。 
 平凡社、小学館はまだしも、ブリタニカにアメリカーナそして,
百科事典創りの「基礎」があるかどうかというような講談社、学研、旺文社、etc.よくまあ出したものだ。
今日的に考えると、一体どれだけの「紙資源」とエネルギーが「無駄」になったことか計り知れないではないか。
 もっとも、平凡社の戦前の「百科辞典」は 変体仮名交じりの文章は読んでても楽しいし、説明や引用が
今のものとは違っていてけっこう役に立つ。 今 手元のは戦後の重版で紙の質がよくないのだが 結構なものである。
 辞典も80年たつと なんとかなるのかな?
 ネットの発達で「百科辞典」は「死」に至らされたのだが、今流行のコピペで まともな「学問」が育つだろうか
 昔(100年以上前)紙は高価で、当然本は高価。少ない本を「紙背を抜く」思いで読んでいた。今そうしろとは言わないが
もっと少なくて「大事に」される物であってほしい。 これは「遺物」的思考だろうか。
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