これから述べることは 単なる歴史好きの素人の現在の意見、空想です。
結論・「イスラエルは解体・解消すべし」
イスラエルという国家は第二次大戦後西欧諸国の後押しで1948年に出来たことは知られている。 その思想根拠は「シオニズム」であり政治的にはバルフォア宣言に始まるのも周知のことだ。
もともと住んでいたパレスチナの人々には何の断りもなく「国家外交」の為に
上部の連中の政治取引でまさに「勝手に建国」したことはあまねく知られている、今ウクライナにロシアが武力侵略し「ここはもともとロシアだ」と言っていることと同じである。
一口に「シオニズム」と言っても 歴史あることでその発生後の様子はかなり変化に富み、幾つもの「派」があり一様ではないことも知られている。
細かい事項はそれぞれ別に述べるとしてザっとした「私見」を述べよう。
シオニズム自体の歴史は古い、古代ローマにパレスチナの地を追われてバビロニアに移住した話は有名。 そこで祖国復帰を目指したのがシオニズムの始まりだという。しかしながら「シオンの地」そのものは現実の物理的地上の「領土」を必ずしも指しているとは言えないのではないか。 乱暴な譬だが、それは仏教でいう「西方浄土」キリスト教の「エデンの園」あるいは「シャングリラ」?のようなもので、宗教上の「希望の先の理想の地」というものではないか。
それになんといっても二千年以上前の出来事である。正直言って「何をいまさら」、しかも「伝説・神話的」な根拠でしかないではないか、というのが小生の意見。「それを言い出すなら・・」というのは世界中にいくつもあってイスラエルだけが特別に正当化されるものではないと思う。
ユダヤ人への差別・迫害の歴史も古く(例えばベニスの商人を見よ)、またユダヤ人の拡がりに伴ってロシアを含む西洋社会のどの国でも起こっている。それは「ジプシー・ロマ」への偏見・迫害とそっくりなのだが、いずれも迫害者側の中心になったのは中間乃至貧困層であることを知るべきだ。同類相哀れむのではなく、少し違うかもしれないが近親憎悪のような、宗教・習慣の違い、ジプシーの場合は住居不定(要するに税金を取りにくい、素性が知れない)が大きな理由。世の中の何処にでもあるが、ある種の人たちにとっては自分たちより低く、踏みつけることのできる相手が必要なのだ。(日本のヘイト騒動も同じ)
ユダヤ人の場合は宗教・習慣だけではなく、土地や権威を持たない彼らが自立の為に資産と教養の蓄積・向上に務め、それぞれの社会で上層部の地位を持った、 (全部ではない)それが周囲の特に中・下層の人々の怨嗟の対象になったことも知られている。上部階級の連中が差別した話は殆ど聞かない。
前大戦時のナチスドイツの迫害は有名だが 有名すぎてほかの国や地域、階層での迫害・差別が知られていないのはおかしい。ナチの行為は確かに突出していて、間近の事で世間を驚かせたが、しかし 基督教、ことにカソリックが展開した、またロシヤ正教の元でも行われた差別・迫害は歴史的時間の長さと地域規模・しつこさは 大変なものだが ほとんど知られていない、また報道も教育もしない。
またユダヤ人の中で「シオニズム」に関心・共感をしても「イスラエル」への移住には不賛成という人たちは多く、ことにある程度の社会的地位・資産のある人たちは全く冷ややか、有名人ではアインシュタイン、ロックフェラー等がいる。
前段・考証は書き出すともっと長くなるので ここで小生の全く空想に基づくイスラエル再構築案・結論を 先に述べておこう。
それは 今のイスラエルの沖合(地中海)に大規模な人口の大地を新たに作り、そこを新天地・イスラエルの大地とするのだ。
今の国土は二万二千平方キロだという。それを一気に作れ、というわけではない。初めは数平方キロから始めて徐々に拡大すればよい。 石と砂と土は対岸のパレスチナ本土にまず無尽蔵にある。それを削って沖へ運べば済むことである。建国以来75年、これからさらに75年かけ(あるいは百年もかかるかもしれないが)軍事・戦争での出費・血と汗と涙の努力を考え、その熱量をもってすれば、そして世界中のユダヤ人の資金・智慧・汗を注力すればできないことではない。 水深が多少深くとも相当な面積の陸地が造成可能だし、陸地ができたところへ順次そこへ本土から移転し、少しずつでもパレスチナの人々に返せば世界の世論も 歓迎するだろう。そして、先でたとえ今の国土と同じ二万二千平方キロの土地を完成させたとしても地中海の自然への影響はあまりないはずと思われる。それはキプロスやマルタ島程度の面積の規模だから。
さらに希望的空想を重ねると、できた土地は概ね平坦であろうから、数年たてばまず草が生えるし地面の緑化に励み、初めは牧畜でしばらくすれば耕作・野菜造りも可能。 水は太陽光・風力発電で、また数多くのランビキでの海水からの淡水製造。自然の水をためるためには低い山を築き緑化してため池を設置する。あるいはイスラエルの事だから原発で電源を作るかもしれないし工場・飛行場等はもちろん建設可能。 百年かければある程度の国土ができる。バビロンの捕囚以来の時間を考えればできないことでは無かろう。
いったんここまで を 公表しよう。 まだまだ精査しなければならないことは多い。 しかしイスラエルを支持することにはならないだろう。