昨年暮れから、市内の住宅地の家から本の買い取り依頼があった。亡くなった方の蔵書で家は近々売却するという話。 不動産屋から本は処分しておいてくださいと言われたそうだ。
伺ってまず奥の部屋、相当な量の文庫類、少し古くて池波正太郎や司馬遼太郎
あたりのものがズラリとある、そしてその多くが新刊屋でつけてくれるブックカバー、その上に手製のセット函にきっちりと入れてある。殆どがもらえないと伝え、では次の部屋へ、8畳位の部屋に鉄製の事務用の大きな書類棚、普通の書棚、天袋、等にぎっしり。全部紙カバー、それもご丁寧にテープで止めてある、さらにセットや関連ごとにこれも手製の函、それもポスターなどの硬い紙で全部覆ってある。 そのために本自体はヤケるはずもなく綺麗。 しかし、いかに題名が記されていても我らにとっては表紙を見ないことには、奥付を見ないことには判断できない。 というので全部のカバーを剥し、せっかくの函だが不要なものがほとんどで、捨てる紙が山の様になる。聞けば、持ち主は何か進行性の病気であったそうで進行を止めるいわばリハビリのための作業として好きな本の包造りをしていたそうである。貴重面にきっちりと作ってあるうえに書棚の中も指が入らないくらいきっちりと詰め込んで(当然奥まで2段詰)あって取り出すのも大変。 時代小説や歴史物の一般書だけしかもほとんどがISBN付で、我が方としては触手の伸びる物ではないのでかなり逡巡させられるのだが、何しろ本は綺麗、帯付きの真っ新も多数とあっては捨てられないではないか。
引きはがしながらの作業で時間がかかり、一度ではとても済まない、次にまた片付けに来られるときに回すことにしてバナナ箱6個+αで退散した。
そして今月再度伺ったのだが、今度は全集物が揃うかどうかも問題、ある作家の個人全集は揃っていて綺麗であったので良かったが、単行本が大問題、またしちょうどある市場にかかったので綺麗な四六版の小説類を50冊ばかり出品したが、全く誰も入札しない、持って帰りたくないのでフリに回してもダメ で結局百円で売ってしまった。一冊たったの2円!「文庫ならなんとかねえ」という事。我店でも多分百円均一でも売れないだろうし、数冊の続きものは売り様もないのだ。 要するにこんなものは引き取ってはダメ、という事。 まだかなり残っていてもう一度うかがう事になっているが さてどうしたものか 困った。
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