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SMバーへの支出がなぜ問題なのか

2014年10月25日 09時20分44秒 | 行政
 小渕優子氏の後任に就いた宮沢洋一経済産業相が、政治資金を「SMバー」に使っていたことが明らかになりました。宮沢氏は「本人が行ってなければ問題ない」と言いたげですが、そんなことはありません。なぜ政治資金による不適切な支出が問題なのか、説明したいと思います。

 そもそも政治資金とは、政治家が政治活動のために使う資金のこと。使い道は秘書の人件費や事務所の家賃、交際費など様々ですが、原資は主に税金と政治献金です。

 例えば小渕氏の場合、後援会など小渕氏が代表を務める3つの政治団体が2012年に集めた資金は1億13万円。このうち1000万円は政治団体間の寄付なので、それを除くと実質的に9013万円を集めたことになります。

 その内訳は額の大きい順に政治資金パーティーの収入が4462万円、企業や団体、政治団体からの寄付が2076万円、政党交付金が1780万円、個人からの寄付が619万円。つまり企業や個人から提供されたお金と、政党交付金、つまり税金です。

 パーティー券の購入や献金を通じて資金を提供してくれた人は、「そのお金で秘書がSMバーに行った」と知ったら、どう思うでしょうか。「ふざけんな、もうカネなんて出さねえぞ」と思うのが自然ではないでしょうか。政治資金の不適切な支出は、「政治活動に使う」と言って資金集めをした政治家の「公約違反」にほかならないのです。

 しかも、政治資金の一部は税金。税金でSMバーに行くなど、とんでもない話です。お金に色はありませんからどのお金を何に充てたかはわかりませんが、税金を含んでいる以上は一銭たりとも政治活動とは無関係なことに使うべきではありません。

 今回の問題に関して「なぜこのタイミングで閣僚のスキャンダルが続出しているのか」とか「官僚が増税先送りをけん制するためにリークしたのではないか」の論調も見られるので、このことについても説明したいと思います。

 宮沢氏のSMバーが発覚した理由は単純。前任の小渕氏が資金問題で辞職たので、記者たちが宮沢氏の政治資金収支報告書を徹底的に「洗った」。それだけの話です。



 収支報告書は提出先の総務省や都道府県選挙管理委員会に行けば、誰でも見ることができます。2010年9月6日に広島市のSMバー「マザン」に1万8230円を支払ったのは宮沢氏の資金管理団体である「宮沢会」。総務省のホームページを調べれば、宮沢会の2010年から2012年までの収支報告書が掲載されています。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/111130/1434300070.pdf

 新聞各紙の社会部記者たちはこの報告書を見て、不適切な使われ方をしていないか、チェックするのです。交際費の場合は店名まで書いてあるので、怪しいなと思ったらホームページなどで検索。そうしてSMバーやキャバクラなどといった不適切な店への支出を見つけます。
 それにしても程度の低さに呆れます。こんなくだらないことで政治が停滞し、国益が損なわれていくのは本当に悲しいことです。

山本洋一
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性交渉による感染が99% エイズは一生涯発症させないことも可能に

2014年10月25日 08時58分14秒 | お役立ち情報
 首都圏に住む、近藤智明さん(仮名・58歳)は約20年前、B型肝炎で入院中に主治医がたまたまおこなった検査でHIVに感染していることが判明した。その1カ月後、B型肝炎の治療が終わって退院したのち、国立国際医療研究センター・エイズ治療・研究開発センターに紹介されてきた。

 HIVとは「ヒト免疫不全ウイルス」の略で、一般的にはHIV感染症といわれている。感染して免疫力が低下し、感染症やがんを発症した患者を「エイズ(後天性免疫不全症候群)患者」と呼び、潜伏期の未発症者を「HIV感染者(陽性者)」という。エイズを発症すると、体の免疫力が低下して、ニューモシスチス肺炎やカンジダ症など、さまざまな病気を発症し、治療しないと死に至る病気だ。

 近藤さんの治療を担当した、エイズ治療・研究開発センター長の岡慎一医師はこう話す。

「HIVの感染ルートは主に性交渉、静脈麻薬、母子感染の三つだと言われています。その中でも、日本の場合は性交渉による感染が約99%を占めます。いまだに誤解が非常に多く、日常生活や普通のキスなどでは感染することはありません。ただ、粘膜に傷がある場合は感染する恐れがあるので注意しなければなりません」

 近藤さんも性的接触による感染が疑われたが、特定のパートナーがいなかったため、誰から感染したのかはわからなかったという。感染が判明した約20年前はまだ薬の副作用も強かったため、エイズ発症のギリギリまで治療時期を遅らせ、HIV感染の判明から約3年後に治療を開始した。

「エイズを発症するかどうかの基準にCD4という免疫力を測る指標があります。目安として500以上が正常とされており、CD4値が200を切るとエイズ発症の危険性があります。近藤さんの場合、HIV感染の判明時は340でしたが、238まで低下した時点で治療を開始しました」(岡医師)

 現時点ではHIVに感染してしまったら完治することはない。ただ、1990年代に登場した、複数の抗ウイルス薬を組み合わせて使う「多剤併用療法」によってHIVウイルスを長期間にわたってほぼ抑えることができるようになった。岡医師はこう話す。

「HIV感染で死に至ることはありません。多剤併用療法の登場によって、薬を飲み続けることでエイズを一生涯発症させないことも可能になりました。HIV感染者の平均寿命も、25歳を起点に40~50年まで延び、健常者と遜色ないレベルまできました。だからこそ、HIVの早期発見、早期治療が大切なのです。特に最近では、全国のほとんどの保健所や自治体の特別検査施設で無料、匿名で検査を受けることができるので、多くの人に検査を受けてほしいです」

 この多剤併用療法はここ数年でさらなる進歩を遂げている。かつては1日20錠以上も薬を飲む必要があったが、現在は、2013年に登場したスタリビルドという合剤によって1日1回1錠での治療も可能になった。さらに、吐き気や腹痛などの副作用も、最近の薬では全体の数%の人だけが軽い腹痛などを発症するにとどまるという。

 近藤さんも治療を開始してから服薬を続け、感染が判明してから20年たった現在では年4回の通院と毎日の服薬のみで、CD4の値も500以上とほぼ一般の人と変わらない生活を送っている。

※週刊朝日  2014年10月31日号より抜粋
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