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「賄賂の可能性」 西川公也元農水相受領認める 年200万を6年間

2021年11月16日 06時47分32秒 | 行政

 大手鶏卵業者が吉川貴盛・元農林水産相(71)に賄賂を渡したとされる贈収賄事件をめぐり、西川公也・元衆院議員(78)が東京地検特捜部の今年1月の聴取に対し、農水相や内閣官房参与(非常勤の国家公務員)の在任中を含む約6年間に、毎年200万円程度をこの業者から受け取ったと認めていたことがわかった。「賄賂に当たる可能性がある」と考え、政治資金収支報告書には記載しなかったとも供述したという。

 西川氏は現金受領の疑惑が表面化した昨年12月、「一身上の都合」で官房参与を辞任。衆院選不出馬を表明した今年4月に「私に疑惑はない」と語り、疑惑を公に認めていなかった。

■大臣就任時や選挙前は1回あたり「100万より多い」

 朝日新聞が確認した西川氏の供述内容によると、西川氏は2014年9月~20年7月、「アキタフーズ」(広島県福山市)の秋田善祺・前代表(88)=吉川元農水相への贈賄罪などで有罪確定=から「お盆や暮れに、その都度、100万円程度の現金を手渡された」という。農水相就任時や総選挙前は「100万円より多い金額」で、17年11月以降、約3年間の官房参与在任中は「計500万円程度」を受け取ったと説明した。

 現金は「有権者の冠婚葬祭の祝儀、香典代、弔電代」のほか「私設秘書や運転手などの人件費」「外遊の際に外国要人に手渡す土産代」「会食費」に使ったという。

 現金提供の際などには、秋田前代表から「多種多様な要望」を受けたといい、「私に現金を手渡すのは、アキタフーズを含む養鶏業界に有利になることをしてもらいたい、との気持ちからだったと分かっていた」とも打ち明けた。

■農水省幹部らとの面談を調整

 要望に対して西川氏が行ったことも供述した。

 「アニマルウェルフェア(動物福祉)」に配慮を求めた国際機関の飼育基準案に反対するよう要望を受けた際には、秋田前代表と吉川元農水相との面談の機会を設定。自らも基準案への反対を農水省に働きかけた。鶏卵業者に対する日本政策金融公庫の融資拡大の要望には、同省幹部に電話し面談の調整をしたという。

 一方、特捜部は、西川氏の農水相在任時は単純収賄罪の公訴時効が過ぎ、官房参与時代は職務権限が弱いとして同罪での立件を見送った。

 朝日新聞は今年1月、秋田前代表の供述内容として、西川氏に1500万円超の現金を渡したと報じた。現金受領の見解を改めて西川氏に求めたが、回答はなかった。

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