Pick the Brain:巷では、自分の目標を公言したほうが成功をつかみやすいと言われています。確かに、口にすると責任感が発生します。あなたは、成功に向けた道のりを歩み始めたように感じるでしょう。もう、誰もあなたを止められません。
しかし、この説が間違いであることが判明しました。ある研究で、目標を他人に言うと、達成確率が下がることが示されたのです。
目標を口に出すことで、大きな一歩を踏み出したかのように感じられます。しかし、この感覚(心理学では社会的現実と呼びます)は、あくまでも感覚に過ぎません。実際には、まだ何も達成できていない状態です。
目標を口に出すと、あなたの意図と現状のギャップが広がり、あなたの行動から目標が抜け落ちてしまうわけです。
一方で、目標を秘密にすることで、緊迫感を持って前に進み続けることができます。あなたはきっと、やるべきことの多さを実感して、自制心が倍増します。計画を立て、ToDoリストに落とし込み、行動に移すのです。
あなたの意図など、誰も気に留めていないので、意図と行動のギャップはそれほど大きくならず、ちょうどいい状態を保つことができるのです。
Derek Sivers氏は、TED Talkで、目標を秘密にすることのメリットを語りました。その際、1926年以降に行われた4つの心理学研究を引用しています。
Sivers氏は、Gollwitzer教授が2009年に実施した4つの実験について、こう説明しています。
目標を口に出したグループは、早くあきらめたうえに、進捗の判断を誤っていたのです。一方で、口に出さなかったグループは、モチベーションを維持することができました。
このような結果は驚きですが、心理学的に納得できるものです。
今後、エキサイティングなアイデア、プロジェクト、ビジネスについて公言したいと思ったら、このことを思い出してください。
秘密にしておけば批判者は現れない
Robert Anthony博士は、著書『The Ultimate Secrets of Total Self-Confidence』において、他人に目標を言うことは承認を求めるための不健全な方法であると述べています。やりたいことを口に出すと、それを利用してネガティブな人があなたに話しかけてくるでしょう。
彼は、これを「Secrecy Principle(秘密の原則)」と呼びました。
まだ着手もしていない段階で、批判者にあなたのアイデアをぼろくそに言われる筋合いはありません。
夢を見ることも危険
別の研究によると、ポジティブな未来を空想するだけでも、問題を予測したり不測の事態に対応したりする能力が失われる可能性があるそうです。
成功を空想することと成功を期待することを混同しないでください。ポジティブな成果を期待することは、悪いことではありません。
夢を描くこと、つまり空想することは、必ずしも現実や経験に根差したものではありません。一方で期待とは、それまでに築いてきた行動やスキルに基づいて自信を持てている状態です。
細かいことかもしれませんが、一考の価値ありです。ポジティブな可視化をする場合、非現実的な空想になってしまわないよう、気をつけてください。
ルールの例外
秘密を守るためのルールに例外があるとするなら、それは他人と目標を共有しているときです。たとえば、5kmランに向けたトレーニング・パートナーを必要としているなら、その人には目標を話す必要があります。その場合でも、その他の人々には秘密にしておきましょう。
こちらの研究では、目標の共有が効果的になるポイントがリストアップされています。
筆者自身、目標を秘密にしています。目標を内に秘めることで、自分にしか説明責任がないと知りながら、前に進む原動力を感じることができています。言い訳をすることはできません。
例外として、あなたをサポートしてくれる人の中でも最もポジティブなメンバーだけであれば、目標を口にしてもかまわないでしょう。
Michael Hyatt氏は、目標を秘密にすることは、個人には適しているものの、グループには適さないと述べています。具体的目標に向けたビジョンを構築して組織に刺激を与えるのがリーダーの役割とするなら、秘密は生産性を悪化させるだけでしょう。とはいえ、目標をチーム内にとどめておき、部外者には秘密にするという方法はうまく行くかもしれません。
最後に
いかがでしたか? 次の大きな目標で、この方法を試してみてください。ただ秘密にするだけでいいのです。「最悪どんなことが起こるだろう?」ではなく、「どんなにいいことが起こるかな?」と考えてみてください。成功に向けて加速するための、ひとつの方法になるかもしれません。
Why Keeping Your Goals Secret Is the Best Way To Be Successful | Pick the Brain
Philip Pape(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.
しかし、この説が間違いであることが判明しました。ある研究で、目標を他人に言うと、達成確率が下がることが示されたのです。
目標を口に出すことで、大きな一歩を踏み出したかのように感じられます。しかし、この感覚(心理学では社会的現実と呼びます)は、あくまでも感覚に過ぎません。実際には、まだ何も達成できていない状態です。
目標を口に出すと、あなたの意図と現状のギャップが広がり、あなたの行動から目標が抜け落ちてしまうわけです。
一方で、目標を秘密にすることで、緊迫感を持って前に進み続けることができます。あなたはきっと、やるべきことの多さを実感して、自制心が倍増します。計画を立て、ToDoリストに落とし込み、行動に移すのです。
あなたの意図など、誰も気に留めていないので、意図と行動のギャップはそれほど大きくならず、ちょうどいい状態を保つことができるのです。
Derek Sivers氏は、TED Talkで、目標を秘密にすることのメリットを語りました。その際、1926年以降に行われた4つの心理学研究を引用しています。
Sivers氏は、Gollwitzer教授が2009年に実施した4つの実験について、こう説明しています。
目標を口に出したグループは、早くあきらめたうえに、進捗の判断を誤っていたのです。一方で、口に出さなかったグループは、モチベーションを維持することができました。
このような結果は驚きですが、心理学的に納得できるものです。
今後、エキサイティングなアイデア、プロジェクト、ビジネスについて公言したいと思ったら、このことを思い出してください。
秘密にしておけば批判者は現れない
Robert Anthony博士は、著書『The Ultimate Secrets of Total Self-Confidence』において、他人に目標を言うことは承認を求めるための不健全な方法であると述べています。やりたいことを口に出すと、それを利用してネガティブな人があなたに話しかけてくるでしょう。
彼は、これを「Secrecy Principle(秘密の原則)」と呼びました。
まだ着手もしていない段階で、批判者にあなたのアイデアをぼろくそに言われる筋合いはありません。
夢を見ることも危険
別の研究によると、ポジティブな未来を空想するだけでも、問題を予測したり不測の事態に対応したりする能力が失われる可能性があるそうです。
成功を空想することと成功を期待することを混同しないでください。ポジティブな成果を期待することは、悪いことではありません。
夢を描くこと、つまり空想することは、必ずしも現実や経験に根差したものではありません。一方で期待とは、それまでに築いてきた行動やスキルに基づいて自信を持てている状態です。
細かいことかもしれませんが、一考の価値ありです。ポジティブな可視化をする場合、非現実的な空想になってしまわないよう、気をつけてください。
ルールの例外
秘密を守るためのルールに例外があるとするなら、それは他人と目標を共有しているときです。たとえば、5kmランに向けたトレーニング・パートナーを必要としているなら、その人には目標を話す必要があります。その場合でも、その他の人々には秘密にしておきましょう。
こちらの研究では、目標の共有が効果的になるポイントがリストアップされています。
筆者自身、目標を秘密にしています。目標を内に秘めることで、自分にしか説明責任がないと知りながら、前に進む原動力を感じることができています。言い訳をすることはできません。
例外として、あなたをサポートしてくれる人の中でも最もポジティブなメンバーだけであれば、目標を口にしてもかまわないでしょう。
Michael Hyatt氏は、目標を秘密にすることは、個人には適しているものの、グループには適さないと述べています。具体的目標に向けたビジョンを構築して組織に刺激を与えるのがリーダーの役割とするなら、秘密は生産性を悪化させるだけでしょう。とはいえ、目標をチーム内にとどめておき、部外者には秘密にするという方法はうまく行くかもしれません。
最後に
いかがでしたか? 次の大きな目標で、この方法を試してみてください。ただ秘密にするだけでいいのです。「最悪どんなことが起こるだろう?」ではなく、「どんなにいいことが起こるかな?」と考えてみてください。成功に向けて加速するための、ひとつの方法になるかもしれません。
Why Keeping Your Goals Secret Is the Best Way To Be Successful | Pick the Brain
Philip Pape(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.
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