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地方公務員の退職金の平均は? 国家公務員より高い?

2022年06月26日 07時22分23秒 | 行政

地方公務員の退職金はいくら?

「マイナビ2023年卒大学生公務員イメージ調査」によると、公務員を就職先に考える大学生が微増しています。国家公務員より地方公務員が、地方公務員の中では、道府県庁よりも市区町村が人気です。

 

では、地方公務員の退職金(退職手当)の平均額などを総務省「給与・定員等の調査結果等(令和3年)」のデータをもとに解説します。

 

地方公務員の半数は都道府県の職員

総務省「令和3年 地方公共団体定員管理調査結果のポイント」によると、令和3年4月1日時点の都道府県・指定都市・市区町村(一部事務組合等を含む)の自治体に属する地方公務員は約280万人。

 

 

▼地方公務委員の職員数と構成比

・都道府県:約143万人(約51.1%)

 

・指定都市(※):約36万人(約12.8%)

・市区町村等:約101万人(約36.1%)

※指定都市とは人口が50万人以上の「区」を持つ政令で指定された市で、都道府県とほぼ同じレベルの権限を持ちます

また、部門別の職員数と構成比は、以下のとおりです。

 

▼<部門別>地方公務委員の職員数と構成比

・一般行政:約93.5万人(約33.4%)

 

・教育部門:約106.5万人(約38.0%)

・警察部門:約28.9万人(約10.3%)

・消防部門:約16.3万人(約5.8%)

・公営企業等会計部門:約34.9万人(約12.5%)

 

退職手当の平均支給額は都道府県より指定都市のほうが高い

総務省「令和3年 給与・定員等の調査結果等」から、令和2年4月1日~令和3年3月31日に退職した地方公務員の退職手当の平均支給額を職種別にみてみましょう。( )内は最高額を支給した地方公共団体名と金額です。

 

 

▼都道府県(47団体)

・全職種:約1375万円(栃木県:約1902万円)

 

・一般職員:約1229万円(栃木県:約1867万円)

・一般職員のうち一般行政職:約1531万円(栃木県:約1958万円)

・教育公務員:約1488万円(大分県:約2128万円)

・警察職:約1728万円(徳島県:約2025万円)

 

▼指定都市(20団体)

・全職種:約1405万円(岡山市:約1717万円)

 

・一般職員:約1330万円(北九州市:約1932万円)

・一般職員のうち一般行政職:約1724万円(広島市:約1981万円)

・教育公務員:約1596万円(新潟市:約2062万円)

 

▼市区町村

・全職種(1562団体):約1339万円(大分県由布市:約2292万円)

 

・一般職員(1555団体):約1353万円(埼玉県滑川町:約2292万円)

・一般職員のうち一般行政職(1421団体):約1555万円(群馬県太田市:約2500万円)

・教育公務員(105団体):約766万円(兵庫県西宮市:約2406万円)

 

60歳定年退職者の退職手当の支給平均は都道府県>指定都市>市区町村

60歳で定年退職した人の職種別の退職手当支給額の平均は次のとおりです。( )内は最高額を支給した地方公共団体名と金額です。

 

 

▼都道府県(47団体)

・全職種:約2210万円(愛知県:約2277万円)

 

・一般職員:約2154万円(愛知県:約2291万円)

・一般職員のうち一般行政職:約2191万円(静岡県:約2342万円)

・教育公務員:約2235万円(兵庫県:約2323万円)

・警察職:約2197万円(東京都:約2309万円)

 

▼指定都市(20団体)

・全職種:約2092万円(岡山市:約2239万円)

 

・一般職員:約2052万円(堺市:約2198万円)

・一般職員のうち一般行政職:約2161万円(さいたま市:約2604万円)

・教育公務員:約2162万円(名古屋市:約2364万円)

 

▼市区町村

・全職種(1230団体):約2008万円(東京都瑞穂町:約2677万円)

 

・一般職員(1220団体):約2008万円(東京都瑞穂町:約2677万円)

・一般職員のうち一般行政職(1000団体):約2154万円(群馬県太田市:約2897万円)

・教育公務員(22団体):約2196万円(東京都港区:約2428万円)

 

定年退職手当は国家公務員より地方公務員が高い

国家公務員の常勤職員のうち60歳以上の定年退職手当の平均は約2142万円、行政職俸給表(一)の対象となる定年退職手当の平均は約2128万円です(※出典:内閣人事局「国家公務員退職手当実態調査(退職手当の支給状況)令和2年度」)。

 

一方、地方公務員の一般行政職の定年退職手当は、都道府県が約2191万円、指定都市は約2161万円、市区町村は約2154万円で、国家公務員より高いのです。就職先として国家公務員より地方公務員の人気が高い理由の一つかもしれません。

文:大沼 恵美子(ファイナンシャルプランナー、年金アドバイザー)

大沼FP・LP設計室代表。FPとして2002年に独立開業。「健康は食のバランスから、貯蓄は生活のバランスから」という考えを提唱する。企業や地方自治体等の各種セミナーやFP資格取得講座、福祉住環境コーディネーター資格取得講座の講師も務める。

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