第3 参照支援
マニュアルは、チュ−トリアル(導入用)以外は、最初から最後まで通して読まれることは想定していない。必要なときに必要な情報が得るために使われる。これを支援するのが、参照支援である。
参照支援のための趣向については、マニュアルに限らず、文書一般でさまざまな工夫がなされているので、それらをそのまま使うことになる。たとえば、目次、索引、フッター/ヘッダー、扉、爪である。
しかし、初心者用のマニュアルで参照を支援するには、さらに次のような指針に従う必要がある。
●指針3「目次で使う用語は、ユーザの意図、知識に配慮したものにする」
ユーザの不満調査をすると、「目次から情報を探せない」がトップになる。その最も大きな理由としては、目次が馴染みのない用語で表示されているため、ユーザのしたいと思っている意図と照合しにくいことが挙げられる。「書き出し位置をそろえたい」という意図と、「タブ設定」とが対応していることがわからないのである。
例2は、目次の表示を、日常言葉とダブルにすることで、この点の解決をはかろうとしたものである。
例2 日常用語と専門用語とをダブルで表示した目次 別添
●指針4「マニュアルの構成をユーザのタスク志向にする」
マニュアルの構成は、ともすると、機械/システムの説明になりがちである。しかし、ユーザは、それを道具として使ってタスク(仕事)をしたいのである。マニュアルはユーザが仕事をするのを助けるように構成されていなければならない。そうでないと、一つの仕事をするために、あちこちを参照し回らなければならない。そこで、ユーザのタスク(仕事)を志向した内容構成をすることになる。
たとえば、小さいところでは、「F1キーを押すと電源がつく」ではなく、「電源を入れたい時には、F1キーを押す」とするのが、タスク志向の表現である。マニュアル全体の構成で言うなら、目次が「電源、各種の機能、出力仕様」のような表現で作られているのは機械/システム志向、「文字を表示させる」「印刷する」などの表現で作られているのがタスク志向ということになる。
写真 ロックシティにあった駄菓子屋さん
なつかしいねー