心の風景 認知的体験

癌闘病記
認知的体験
わかりやすい表現
ヒューマンエラー、安全
ポジティブマインド
大学教育
老人心理

高校生のための心理学

2007-10-27 | Weblog
心理学 「わかりやすさの認知心理学」
筑波大学大学院人間総合科学研究科(心理学専攻)
    教授 海保 博之(かいほ ひろゆき)先生



心理学というのはどんな勉強をするとかよくわからなかったけれど、こんな感じかぁというのはつかめたのでよかったです。また、教育学部には心理学の講義があって、必ず先生もいらっしゃるということがわかりました。私は犯罪心理に興味があるので、教育学部でもそれをとれるのかどうか調べてみようと思いました。最近の社会で起きている変な事件でも、その解明のために心理学は生かされていることがわかりました。なかなか心理学部の勉強内容などは調べてみてもわかりにくかったのですが、今日の話を聞くことができてよかったと思いました。                         (女子生徒)

 今まで心理学のイメージは犯罪者の心理とか、人の悩みを聞いたりするなどしかありませんでした。でも今回、人の記憶や物事の伝え方などの話を聞いて、心理学というのはとても面白いと感じました。人の記憶のつながりなどについてや、記憶のしやすさの違いについてわかりやすく教えてもらい、「オレオレ詐欺」の心理的な仕組みなどについても知ることができました。こういう犯罪は心でわかっているだけでは急に対応できるものではないと感じました。心理学というのは、人の心や考え方の不思議について考えていく面白い学問だということがわかりました。         
参考 海保著「心理学ってどんなもの」岩波ジュニア新書

読み手のタイプと文書のタイプと読む状況のタイプ

2007-10-27 | わかりやすい表現
読み手のタイプと文書のタイプと読む状況のタイプ
 
 マニュアルには、一般のドキュメント作りに役立つ豊富な制作技術が作り込まれているということで、マニュアルを素材にして初心者ユーザにやさしいドキュメント作りの指針を提案してみた。
 とはいっても、ドキュメントには、その内容にしても、読み手にしても、またそれを読む状況にしても、多様なタイプがある。それぞれにふさわしい「人にやさしいドキュメント作り」があることも確かである。そこで、最後に、それぞれのタイプ分けの試案を提案して、本稿で提案した指針がもっとも有効なタイプ(「」で示す)はどれかを指摘しみる。
● ドキュメントのタイプ 
  「説明型」vs説得型
●読み手のタイプ(図4参照)
  「機械不信型」VS「流行追随型」vsマニア型VSへんくつ型
● 状況のタイプ 
「時間切迫型」vs時間自由型
「課題解決型」vs知識獲得型
 など

 いうまでもなく、それぞれのタイプにふさわしい、より効果的なドキュメント作りの指針が開発されることが望ましい。その基盤的な指針を本稿では、提案してみたつもりである。

マニュアルの最適設計を考える

2007-10-27 | わかりやすい表現
「マニュアルの最適設計を考える」(15枚)

東京成徳大学応用心理学科教授 海保博之

第1 マニュアルの5つのユーザ支援機能

 マニュアル(取扱っ説明書)の使命は、情報を過不足なく正確に文書にしてユーザに提供することです。しかし、この使命のみに拘泥してしまうと、ユーザにやさしくないマニュアルができてしまいます。
 なぜなら、過不足なく正確に情報を提供しようとすると、あれもこれも説明しなくては、ということになり、情報過剰になってしまうからです。技術を知悉している人が書くとえてして、こういうことになりがちです。これを「正確さ中毒者」の書くマニュアルと呼んでみたことがあります。
 提供される情報が増えれば、正確さも充足性も増すことは確かです。しかし、関連知識の乏しい読み手にとっては、処理できないままの情報が増えるだけで、結局、必要な情報が得られないことにもなってしまいます。コンピュータ(日本語ワープロ)が一般に普及しはじめた35年前頃には、こうしたマニュアルが市場に氾濫したため、ユーザからの苦情がメーカーに殺到してしまったことがありました。
 さらに、1995年に製造物責任法が施行されたのを受けて、マニュアルに書かれていないことによる事故の発生の責任を取らされるのを恐れたメーカーは、想定される危険情報を事細かにマニュアルに記載するようになりました。これも、マニュアルでの過剰な情報提供をもたらすことになっってしまい、ますますマニュアルをわかりにくくしてしまいました。
 こうしたことを克服するには、設計者とユーザの間に、両者をつなぐ書き手としてテクニカル・ライターを使うことが一つの有力な方策ですし、最近では、この方策をとるメーカーが一般的になってきました。さらに、図1に示すように、マニュアルの持っている多彩なユーザ支援機能にも配慮した提供情報の精選も不可欠です。
 本稿では、以下、5つのユーザ支援機能を

無意識、潜在、サブリミナル

2007-10-27 | 安全、安心、
無意識、潜在、サブリミナル この何が人を引きつけるのか

●心の神秘性  これほど自然科学が進歩してもまだ、自然には神秘な部分がある。心の科学の進歩は自然科学の進歩にはほど遠いのだから、心には神秘な部分は山とある。だからこそ人は心に関心を持つ。そして、ある人は宗教に、ある人は科学に関心を寄せる。  心の神秘の中で最も人の関心を引きつけるのは、無意識ではないだろうか。   

は ひ 心理学用語の基礎知識

2007-10-27 | 心の体験的日記



◆パターン認識(pattern recognition)

文字や図形、音声など空間的、時間的な広がりを示す対象が何であるかを認識すること。コンピュータによるパターン認識の性能が向上してくるにつれて、逆に、人間のパターン認識能力の優れている点が注目されるようになった。

機械でも人間でも、認識のモデルには二つある。特徴抽出モデルでは、あるパターンをそのパターンであると同定するのに十分な少数個の特徴との照合が強調される。鋳型照合モデルでは、パターンの定型的な鋳型との全体的な照合が強調される。

● 発達障害(Developmental Disorder)
自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害など、乳幼児期にもっぱらみられる発達の障害のこと。①全般的な知的障害はない、②特定の課題の解決ができない、③集団行動ができない、④コミュニケーションが十分にとれない、という共通点がある。平成16年に発達障害者支援法ができて、早期発見と教育的支援の環境が整いつつある。
なお、広汎性発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群とは診断しにくいが類似した症状を示す障害を言う。

◆パニック神話(panic myth)
災害発生の警報や予知が一般住民にパニックを引き起こすとする、もっぱらマスコミの世界での通説のこと。
しかし、パニックの発生はむしろ稀で、危険からの脱出可能性に関するきちんとした情報が提供されれば、整然とした対応ができることが、いくつかの事例で確認されている。


◆ヒューマン・エラー(human error)〔心理学〕

人は必ずエラーを犯す。エラーは人であることの証であるかのようである。機械・システムの設計は、このことを前提にしないと事故が発生してしまう。事故につながるような行為は努力しないとできないようにするフール・プルーフ(fool-proof)、仮にエラー(故障)をしても、すぐには事故につながらないようにするフェイル・セーフ(fail-safe)といった工夫が必要である。

ヒューマン・エラーには、大きく二つのタイプがある。ひとつはミステイク(mistake)。思い込みや誤解によるエラーである。もうひとつはスリップ(slip)。うっかりミスやしそこないによるエラーである。


◆ヒューリスティックス(発見的方法)(heuristics)〔心理学〕

問題を解くときにはアルゴリズムに従って、理詰めで1歩1歩解決に近づく方法と、失敗するかもしれないが、直観的に解に到達する方法がある。後者のような解き方をヒューリスティックスによるという。人は、このヒューリスティックスな解決を得意とする。ここには、制約された認知機能を有効に活用する知恵が反映されているものと思われる。しかし、ヒューリスティックスも、推論ミスに導く一定の認知的なバイアスの存在が知られている。



●表情(facial expression)
表情は気持ち(情動)のあらわれであると同時に、他者への無言のメッセージ、たとえば、嫌悪の表情は他者を遠ざけるし、喜びの表情は他者の喜びを誘導する機能を果たす。
表情には、幸福、悲しみ、怒り、嫌悪、驚き、恐怖の6つの基本表情があり、その組合せで他の微妙な表情が作り出される。
6つの基本感情は、どの文化圏でも存在するが、その表出の仕方や強弱には微妙な文化差がある。