集中力をたかめるトレーニング より あさ出版
10 大きな目標をときどき思い出す
その日暮らしをしているように見えても、人間である限り何か大きな目標を持って生きているはずである。偉人と凡人の違いは、その目標をはっきりと意識しているかどうか、その目標に向けて毎日の行動をコントロールしているかどうかにある。
図 目標の階層構造 別添
年間目標、月間目標、週間目標、日間目標というように、目標には大きいものから小さいものまで色々ある。そのすべてが、一つの大きな目標へとつながっていれば申し分ないのだが、人間、それほど無駄なく生きられるわけではない。
しかし、我々の毎日の行動はできるだけ自分で設定した目標によって自分でコントロールするようにしたいものである。間違っても、あなたの行動のすべてが、誰か、何かによってコントロールされてしまうようなことのないようにしなければならない。
行動をコントロールするための目標は具体的であるほどよい。「民主主義の社会を作るために生きる」よりも、「今度の選挙に打って出る」の方が、あるいは「人の為に役立つ人間になりたい」よりも、「日曜日ごとにボランティア活動をする」の方が、今何をすべきかが自分でもはっきりとわかる。
毎日を忙しく過ごしていると、ついつい自分がなぜそれほど忙しく生活しているのかが見えなくなる。見えなくとも、結構、充実した生活になっている。それだからこそ、折にふれて大きな目標を思い出してほしいのである。大きな目標から日常の生活を点検してほしいのである。
大きな目標を持っている人の生活は、ただやみくもにがんばっているだけではなく、どこかに迫力を感ずるものである。そして根気もおのずと湧いてくる。
大きな抽象的な目標と小さな具体的な目標との間を往ったり来たりすることのできるような生活が一番望ましいことになる。