親友
遠くの親戚より近くの友
●親友がいない
日本経済新聞の一番裏側に、「私の履歴書」と「交遊抄」の欄とがあります。
「私の履歴書」のほうは、関心のある人の連載の場合以外はあまり読みませんが、「交遊抄」のほうは、記事が短いこともあり、よく読みます。そこには、筆者――多くは偉い方々――が親友を得たいきさつが書かれています。「持つべきものは友」あるいは「友こそ我が命」がよくわかります。
実は、お恥ずかしい話ですが、そして、こうした記事がかける人をとてもうらやましく思うのですが、私には、このような記事を依頼されてもーーそんなことはまずないのですが(笑い)ーー、書くべき親友はいません。
70年の人生の節目では、それなりに仲良しはいましたし、いわゆる友人付き合いは悪いほうではなかったと思いますが、心からの友、いわゆる親友はできませんでした。
内心忸怩たるものがないわけではないのですが、この年にあるといまさらどうしようもありません。その思いをベースに、親友について、心の元気という点から考えてみたいと思います。
●親友と「普通の友」とを分けるもの
ところで、親友とはどういう人を言うのでしょうか。
一般的に言うなら、
・同性どうし(男女の親友的な関係はありうるとは思いますが、ここでは話を単純にするために除きます)
・その人のどこで何をしているかがわかっている
・経済的にも心理的にも相互の支援関係がある
行動面で言うなら、
・連絡が途絶えない
・なんでも話せる
心理面で言うなら
・感情的に一体化している
・上下関係がない
といったところでしょうか。
これらすべてを満たす友をあなたは持っているでしょうか。
そして、そんな親友がいれば、あなたは心元気になれること間違いなしです。
●心を元気にするための親友作りのコツ
自分に親友ができなかった反省もこめて、親友作りコツのようなものを考えてみました。書いてみて気がつきました。結局、男女間の恋愛関係を同性間で作り出すことが、親友作りです。
① 自律する
いろいろの場面でお互いが頼り頼られることはあっても、基本は、経済的にも心理的にも、自律していることが必要です。
そうでないと、べたべたつるんで相互依存の関係となってしまいます。女どうしの「親友」関係に多く見られるように思います。真の親友というより、親友錯覚が親友的な関係を維持しているのだと思います。
② 積極的に自己開示する
自分を相手にどれだけ知ってもらえるかが大事です。それが親密さを作り出すからです。
ここでは、当然、頻繁な情報交換、しかも、対面での情報交換が基本になります
③知的であること
親友には、感情的な一体感はベースにありますが、それだけですと、破綻のリスクがあります。対人感情は、不安定だからです。それを補うのが、知的な交流です。
知的という観点から情報交換に工夫を凝らすことになりますが、もっとも大事なことは、ここでは、対面よりも、手紙やメールなど、文字ベースの交流のほうが望ましいことになります。
おおまかには、自己開示は対面で、知的な情報交流は遠隔でとなります。