05/4/1海保
◎成美堂文庫 6月6日刊
海保博之『ミスをきっぱりとなくす本』
はじめに
実は自分でも、ひそかに「認知的体験」「ドジ体験」としてHPで公開していることもあって、インターネットでの失敗事例の投稿サイトは絶えずチェックしている。
それを本に仕立て上げた「言いまつがい」(糸井重里監修;同事務所刊)も今、手元にある。爆笑ものあり、深刻ものあり、感心ものあり、で退屈しない。
それにしても、人はどうしてこんなにミスばかりするのであろうか。「To err is human」は至言である。
本書では、大きく2つのことをねらってみた。
一つは、ミスについて、それがどんな時にどのようにして起こるのかについての心理学的な知識を提供すること。ミスについての知識が豊かになれば、それだけミスに対して強くなれるからである。
そしてさらに、自分をよりよく知り、自分をコントロールする力をつけてもらうこと。それを支援するチェックリストを本書の随所に用意してみた。自己チェックを手がかりに自分を内省し自分の心と行為の特徴を自分なりにつかみ、ミスに強い自分を作ってほしい。
もう一つのねらいは、そして、これが本書の特色のつもりであるが、ミスとの賢い付き合い方である。
人は誰でもミスをする。そのたびごとに、自分を責め、人から批判されて落ち込んでいては、生きていけない。
ミスすることにもそれなりの意義、意味があるということを理解してもらい、いきいきと生きてほしい、さらに、それを保証する組織、社会を作ってほしい、との願いを込めてみた。
これが、本書の4章以下の後半部分になる。
平成17年3月14日