歌「歌うと気持ちが高揚する」
●歌うと心もからだも元気
自分は、カラオケは、2,3度、酒席で無理やりさせられたくらいの経験しかありませんが、世間では、カラオケは、もはや子どもでも楽しむ娯楽文化の一つのようですね。豪華なつくりのカラオケのお店があちこちにありますから、カラオケ人口は相当な数になっているかもしれません。
ちなみに、カラオケの発明者・井上大佑氏は、2004年にイグノーベル賞(ユーモア一杯の発明発見に与えられる賞)を受賞しています。
カラオケの話はこれくらいにしますが、歌うことは、気持ちが良いし、気持ちを元気にしてくれます。
名前を思い出せないのですが、ある歌謡ショーでこんなことを言っている歌手がいました。
「(小説だと」何百ページもかけて伝えようとする感動を、歌はわずか数分で伝えるのです)
さらに、謡(うたい)を習っている人から、「複式呼吸で声を出すので内臓が鍛えられる」という話も聞いたことがあります。
自分では今はほとんど歌うことはありませんが、若い頃は歌集本を買って大声をあげていたことがあります。そういえば、「歌声喫茶」なんてのもありました。
歌は心もからだも元気にする文化なり、を今更ながら得心しました。ここはその話です。
●歌と心
歌には、歌詞と曲(メロディ)とがあります。それらが気持ち密接に関係しています。
歌詞には、気持ちが陰に陽に込められています。歌詞の意味がわかれば、どんな気持ちが込められているかはかなりはっきりとわかります。
曲にも、気持ちが反映されていることは実感できます。ただ、こちらのほうは、曲単独ではそれほどはっきりとはわからないことがあります。
歌詞と曲とがぴったり、あるいは逆に、そぐわない、ということがありますから、歌詞と曲とは微妙にコラボレーションして気持ちに影響を与えているのだと思います。
したがって、ある歌が好き、ということは、その歌に込められた気持ちにも共感することになります。
気持ち元気になりたければ、ポジティブな感情がこもった歌がよいことになりそうですが、このあたり、なかなか面倒な話があるようです。音楽心理学に詳しい松本じゅん子氏によると、「同質の原理」というのがあって、感情と一致する音楽のほうが、好まれるらしいのです。論文の要旨からさらに詳しく引用しておきます。
「悲しい音楽は,悲しみが弱い時には効果を及ぼさないが,非常に悲しい気分の時に聴くと悲しみを和らげる効果があり,状況によっては気分に有効に働くことが推察された。」
●歌って気持ち元気になるコツ
①聞くより歌う
スポーツと同じで、歌も聞くだけでも気持ちが元気になれことがあります。でも、できれば、歌いたいものです。スポーツと同じで、やるほうが格段に楽しいからです。
何かを自分からすることは、気持ちを前向きにします。たとえ、悲しい歌でも、ともかく歌うことです。歌っているうちに元気になってきます。
なぜかというと、歌うためには、歌詞と曲を思い出す必要があります。そのために注意を集中して頭をフル回転させなくてはなりません。それが心地よいのです。
さらに、歌える歌には、何度も歌った経験がありますから、親密感が湧きます。これも心地よさにつながります。
②歌をストックしておく
カラオケの話を冒頭にしましたが、そのカラオケも、今や自宅で楽しるのだそうです。また,IT技術のおかげで、手軽に安価に好きな音楽を手元にストックすることができるようにもなりました。ありがたいことです。
そんな環境を活用して、歌うことを楽しむことです。そして、なじみの歌のレパートリーを増やして記憶しておくのです。
気持ちを元気にするには、無論、ポジティブな内容のものが良いことになりますが、歌うことの元気づけ効果もありますから、あまり内容にこだわることはないと思います。
③仲間と一緒に
カラオケがすごいのは、仲間と一緒に歌って楽しめる環境を作りだしたことです。昔、いや、今でもあるかもしれませんが、歌声喫茶の現代版とも言える環境を作り出してくれました。
歌うのは気恥かしいところがあります。ですから、ついつい一人歌いになりますし、それはそれで心を元気にする効果があります。放歌高吟なんてこともあります。
でも、時には、仲間と一緒に歌う楽しさも満喫されることもおすすめです。
仲間との一体感を作り出すために歌は極めて有効な手段です。校歌、社歌斉唱ですね。そういえば、軍歌もありました。
歌の内容そのものよりも、仲間と一緒に同じ歌を歌うことで、歌に込められた感情を仲間と共有する心地よさもあります。