◆共時性(synchronicity)
自然に起こる現象も人間に起こる現象も、因果的に説明することが、現代科学のドグマである。しかし、人間の日常的な体験として、「会いたいとふと思った人に偶然町中で出会った」とか「予兆したことが実現した」といったことがあることも確かである。このように、ある心的な状態と外部の出来事とが、あたかも因果的な関係があるかのように、共に起こる(意味をなす)ことを共時性という。C・G・ユング(Jung)の提唱した概念で、共時性の認識の成立が、心的疾患に悩む患者の態度を好ましい方向に変化させることがあるとしている。