- 幸福感(subjective well-being)
広瀬弘忠によると、大災害に遭遇して幸運にも生き延びた人々の中にさえ、打ちのめされた心の回復初期の一瞬に、安堵感と自分だけが助かったことを感謝する至福感(災害後ユートピア感)に満たされることがあるらしい。あるいは、交通事故による脊椎損傷で車椅子生活を余儀なくされた人でも、経過年数が長くなるにつれて幸福感が増すということを示すデータもある。幸福感は、このように、その人が置かれている厳しい現実によってよりは、心の特性や持ち方によって規定されているところがある。そこを強調して「主観的」幸福感と呼ぶこともある。自尊心が満たされている、外向的である、信仰心が厚いといったような人々は高い幸福感を感じており、また、社会的な活動をしているほど幸福感も高い。