アッサリ辞めれば?と言われ、自信を失ってしまいました
現在の会社で8年間保険の営業をやってきました。
8年も同じ職場で同じ業務。 そろそろもっと別の世界を見たいと思いはじめ、異業種への転職を強く考えるようになりました。 そこで、その旨直属の上司に相談したところ、理由も聞かず、アッサリと「辞めれば?」と言われてしまいました。
営業成績もそれほど悪くないし、8年間も勤めたのに、冷たすぎると思いませんか?
そして、そんなに簡単に会社を辞めてもいいものなのでしょうか。
この8年、そこそこの貯金ができただけ。 自分は役に立ってなかった?などと虚しい気持ちになってしまい、仕事に対する自信を失ってしまいました。 いったい上司はどういう考えなのでしょうか。 代わりはいくらでも居るという感じなのでしょうか。
保険営業/28歳/女性
ココロ全体
の悩み
ここはあなたもアッサリ、「お世話になりました。さよなら」で。
新しい世界のほうに目をむけましょう。
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お答えします。
●上司の気持ちを推察すると
「辞めたいです」。「はい、辞めれば」。 は確かに、あなたの相談に対する反応としては、納得できないですね。 お気持ち、とてもよくわかります。
まずは、唐突な相談に、驚いてほしいですね。 「どうして転職したいのか」と、もっと突っ込んで聞いてほしいですね。 さらに、「それなら、もう少し今の会社でがんばってから辞めてもいいのでは」とか、「うーん、君に辞められると痛い」と、言ってほしいですね。 そう言ってもえたらなら、あなたの自尊心は大いに保てたでしょう。
その上司、とても大事な一瞬の言葉かけを誤ってしまったのだと思います。 いや、もしかすると、かわいがっていた部下が辞めたいと言っている、裏切られたようで、途中をすべて飛ばして、「辞めれば?」と口走ってしまったのではないでしょうか。 いや、きっとそうですよ。
いずれにしても、上司のたった一言で、あなたの8年が否定されたと受け止めてしまうのは大げさです。馬鹿らしいです。
30歳手前、新しいチャレンジをするのであれば良いタイミングだと思います。
そして、「そこそこの貯金」こそ、これまでのあなたの過去のがんばりの客観的な証拠。 そう思って、「新しい世界」のほうに気持ちをむけて、自信をもって第一歩を踏み出したほうがいいと思います。
●あなたの気持ちを推察すると
転職を強く考えているとありましたが、あなたの気持ちのなかにはまだ迷いがあり、その迷いのなかに、もしかして強く引きとめてもらえたら、もう少し今の会社でがんばろうなどという、気持ちも少しはあったのかも。 その気持ちとは裏腹な、そして、それになりに尊敬していた(?)上司からの心ない一言でがっくりというところでしょうか。
やや余談になりますが、心理学では、5段階の欲求階層説というのがあります。
まず、生理的欲求が満たされると、次は安全の欲求、というように次第により高次の欲求満足へと人は向うというものです。 そのトップにある欲求が自己実現の欲求です。 あなたの異業種へのチャレンジも、そうした欲求の表れだと思います。
実は、その前に満たされるべき欲求として、所属と愛の欲求、自尊の欲求とがあるのです。 あなたは、上司にこの欲求を満たしていることの承認を求めたのだと思います。 その承認は「そこそこの貯金」が間接的にしてくれていると考え、自信を失う必要はありません。
でも、もうそんな一言にこだわることはやめましょう。 8年間の充実したお仕事を捨てて、全く新しい世界への挑戦。 よくぞ、決断されたものです。これからは、自己実現の欲求を満たす世界へ目を向け、自信をもって進んでいくのがよいと思います。