法務問題集

法務問題集

憲法 > 財政 > 予算 > 「憲法講義案」 ★★★★★

2011-09-14 00:00:00 | 憲法 > その他
【問題】
・宮澤俊義「憲法講義案」
 法の形式はその生産方法によって決定せられる。
 生産者を異にし、生産手続を異にするに従って異る法の形式が生ずる。
 国家組織は近代に至っていよいよ複雑となって来たから、国法の形式もそれに応じていよいよ多様に分化してきた…。
 すべて国庫金の支出は必ず予め定められた準則――これを実質的意味の予算または予算表と呼ぼう――にもとづいてなされることを要し、しかもその予定準則の定立には議会の同意を要することは、近代立憲政に通ずる大原則である。
 諸外国憲法はかくの如き予算表は「( ア )」の形式をとるべきものとなし、予算表の制定をもって「( ア )」の専属的所管に属せしめている。
 わが国ではこれと異り「( ア )」の外に「予算」という特殊な形式をみとめ、予算表の制定をもって「予算」の専属的所管に属せしめている。


【解答】
ア. 法律

【参考】
予算 (日本) - Wikipedia

憲法 > 財政 > 租税法律主義 > 旭川市国保料訴訟(2) ★★★★★

2011-09-13 00:00:00 | 憲法 > その他
【問題】
01. 国や地方公共団体が特別給付への反対給付として徴収する金銭は、憲法84条の租税に該当する。

02. 国保税には、憲法84条の規定が適用される。

03. 市町村国保の保険料には、憲法84条の規定が直接適用される。

04. 市町村国保の保険料は賦課徴収の強制の度合いで租税に類似する性質を有するため、憲法84条の趣旨が及ぶ。

【解答】
01. ×: 最判平18.03.01(旭川市国保料訴訟)理由第2 2
(略)国又は地方公共団体が、課税権に基づき、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてでなく、一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法84条に規定する租税に当たるというべきである。(略)

02. ○: 最判平18.03.01(旭川市国保料訴訟)理由第2 2
(略)国民健康保険税は、前記のとおり目的税であって、上記の反対給付として徴収されるものであるが、形式が税である以上は、憲法84条の規定が適用されることとなる。

03. ×: 最判平18.03.01(旭川市国保料訴訟)要旨1
市町村が行う国民健康保険の保険料については、これに憲法84条の規定が直接に適用されることはないが、同条の趣旨が及ぶと解すべきであるところ、国民健康保険法81条の委任に基づき条例において賦課要件がどの程度明確に定められるべきかは、賦課徴収の強制の度合いのほか、社会保険としての国民健康保険の目的、特質等をも総合考慮して判断する必要がある。

04. ○: 最判平18.03.01(旭川市国保料訴訟)理由第2 3
(略)市町村が行う国民健康保険は、保険料を徴収する方式のものであっても、強制加入とされ、保険料が強制徴収され、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するものであるから、これについても憲法84条の趣旨が及ぶと解すべきであるが、(略)

【参考】
旭川市国保料訴訟 - Wikipedia

憲法 > 財政 > 租税法律主義 > 旭川市国保料訴訟(1) ☆☆☆☆☆

2011-09-12 00:00:00 | 憲法 > その他
【問題】
・最判平18.03.01(旭川市国保料訴訟)理由第2 3
 もっとも、憲法84条は、課税要件及び租税の賦課徴収の手続が( ア )で明確に定められるべきことを規定するものであり、直接的には、租税について( ア )による規律の在り方を定めるものであるが、同条は、国民に対して( イ )を課し又は( ウ )を制限するには( ア )の根拠を要するという法原則を租税について厳格化した形で明文化したものというべきである。
 したがって、国、地方公共団体等が賦課徴収する租税以外の公課であっても、その性質に応じて、( ア )又は( ア )の範囲内で制定された条例によって適正な規律がされるべきものと解すべきであり、憲法84条に規定する租税ではないという理由だけから、そのすべてが当然に同条に現れた上記のような法原則のらち外にあると判断することは相当ではない。
 そして、租税以外の公課であっても、賦課徴収の( エ )の度合い等の点において租税に類似する性質を有するものについては、憲法84条の趣旨が及ぶと解すべきであるが、その場合であっても、租税以外の公課は、租税とその性質が共通する点や異なる点があり、また、賦課徴収の目的に応じて多種多様であるから、賦課要件が( ア )又は条例にどの程度明確に定められるべきかなどその規律の在り方については、当該公課の性質、賦課徴収の目的、その( エ )の度合い等を総合考慮して判断すべきものである。
 (略)

【解答】
ア. 法律

イ. 義務

ウ. 権利

エ. 強制

【参考】
旭川市国保料訴訟 - Wikipedia

憲法 > 財政 ★★★★★

2011-09-11 00:00:00 | 憲法 > その他
【問題】
01. 緊急に必要な場合、予算によらなくとも、内閣は政令で財政上必要な支出ができる。

02. 緊急に必要な場合、予算によらなくとも、内閣は閣議決定で財政上必要な支出ができる。

03. 緊急に必要な場合、予備費によらなくとも、内閣は閣議決定で財政上必要な支出ができる。

04. 租税を新たに課す場合、法律や法定の条件によらなければならない。

05. 国費を支出する場合、国会の議決に基づかなければならない。

06. 国が債務を負担する場合、国会の議決に基づかなければならない。

07. 国会議員は、予算を作成して国会に提出できる。

08. 内閣は毎会計年度の予算を作成し、国会に提出しなければならない。

09. 予算の支出を伴う法律案が国会に提出される前に、予算のみを国会に提出してはならない。

10. 会計検査院は、定期的に、国会や国民に国の財政状況を報告しなければならない。

11. 国の財政状況の報告は、少なくとも毎年2回しなければならない。

【解答】
01. ×: 憲法83条
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

02. ×: 憲法83条
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

03. ×

04. ○: 憲法84条

05. ○: 憲法85条

06. ○: 憲法85条

07. ×

08. ○: 憲法86条

09. ×

10. ×: 憲法91条
内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年1回、国の財政状況について報告しなければならない。

11. ×: 憲法91条
内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年1回、国の財政状況について報告しなければならない。

【参考】
日本の財政 - Wikipedia

憲法 > 司法 > 裁判員制度

2011-09-09 00:00:00 | 憲法 > その他
【問題】
・最判平23.11.16 理由第1 2(2)(3)、3(1)
 裁判は、証拠に基づいて事実を明らかにし、これに法を適用することによって、人の権利義務を最終的に確定する国の作用であり、取り分け、( ア )裁判は、人の生命すら奪うことのある強大な国権の行使である。
 そのため、多くの近代( イ  )主義国家において、それぞれの歴史を通じて、( ア )裁判権の行使が適切に行われるよう種々の原則が確立されてきた。
 (略)
 ( ア )裁判を行うに当たっては、これらの諸原則が厳格に遵守されなければならず、それには高度の( ウ  )的( エ  )性が要求される。
 憲法は、これらの諸原則を規定し、かつ、( オ  )の原則の下に、「第6章 司法」において、裁判官の職権行使の独立と身分保障について周到な規定を設けている。
 こうした点を総合考慮すると、憲法は、( ア )裁判の基本的な担い手として裁判官を想定していると考えられる。
 他方、歴史的、国際的な視点から見ると、欧米諸国においては、上記のような手続の保障とともに、18世紀から20世紀前半にかけて、( イ  )主義の発展に伴い、( カ  )が直接司法に参加することにより裁判の( カ  )的基盤を強化し、その正統性を確保しようとする流れが広がり、憲法制定当時の20世紀半ばには、欧米の( イ  )主義国家の多くにおいて陪審制か参審制が採用されていた。
 (略)
 問題は、裁判員制度の下で裁判官と国民とにより構成される裁判体が、( ア )裁判に関する様々な憲法上の要請に適合した「( キ )」といい得るものであるか否かにある。
 (略)
 以上によれば、裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は、身分保障の下、独立して職権を行使することが保障された裁判官と、公平性、中立性を確保できるよう配慮された手続の下に選任された裁判員とによって構成されるものとされている。
 また、裁判員の権限は、裁判官と共に公判廷で審理に臨み、評議において事実認定、( ク )の適用及び有罪の場合の刑の量定について意見を述べ、( ケ )を行うことにある。
 これら裁判員の関与する判断は、いずれも司法作用の内容をなすものであるが、必ずしもあらかじめ法律的な知識、経験を有することが不可欠な事項であるとはいえない。
 さらに、裁判長は、裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならないとされていることも考慮すると、上記のような権限を付与された裁判員が、様々な視点や感覚を反映させつつ、裁判官との協議を通じて良識ある結論に達することは、十分期待することができる。
 他方、憲法が定める( ア )裁判の諸原則の保障は、裁判官の判断に委ねられている。
このような裁判員制度の仕組みを考慮すれば、公平な「( キ )」における法と証拠に基づく適正な裁判が行われることは制度的に十分保障されている上、裁判官は( ア )裁判の基本的な担い手とされているものと認められ、憲法が定める( ア )裁判の諸原則を確保する上での支障はないということができる。
 (略)

【解答】
ア. 刑事

イ. 民主

ウ. 法

エ. 専門

オ. 三権分立

カ. 国民

キ. 裁判所

ク. 法令

ケ. 評決

【参考】
裁判員制度 - Wikipedia